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吉備器台【埴輪ネーミング問題】

「特殊器台」を「吉備器台(きびきだい)」に改名したい。

円筒埴輪の祖型

埴輪は円筒から始まった。
では円筒埴輪はどこから来たのか?

円筒埴輪のルーツ、祖型として有力なのが

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この出土品(画像は葛本弁天塚古墳出土)である。

弥生時代の後期に造られた土器で、「特殊器台」という名で呼ばれている。
また「特殊器台」にのせられた壺は「特殊壺」と呼ばれている。

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特殊器台に特殊壺をのせた状態を簡略化して表現したものが、朝顔形円筒埴輪だと言われている。

今回は「特殊器台」「特殊壺」についての名称を検討したい。

「特殊器台」の問題点

「特殊器台」と聞いて画が浮かぶか?
「特殊器台」の知名度は埴輪に比べかなり低い。埴輪ほどでなくても、なんとなくイメージできるくらいに知名度を上げたい。

また、「特殊」という言葉は一般的すぎ、名称としておかしい。何が特殊なのか? と聞きたくなる。特殊さをもっと具体的に表す名前にしたほうが良い。

どの点で特殊か?
まずサイズである。高さが他の器台の倍ほどある。1mを超えるものもある。
形も、他の器台は胴がくびれた鼓形だが、「特殊器台」はずん胴である。
胴部の紋様も異なる。透孔(すかしあな)と連動したデザインで、弧帯紋(こたいもん)などが描かれている。
また、出土するのはたいてい弥生時代後期の墳墓(墳丘墓と呼ばれる)からで、集落遺跡からはほとんど出土しない。
さらに注目ポイントは、多くが岡山県から出土している点である。

なお、「特殊壺」は「特殊器台」にのっていること以外、他の器台に乗っている壺と異なる点はない。

以上の特殊さから、新名称を考えたい。

新名称「吉備器台」の音

「大型器台」「ずん胴器台」「弧帯紋器台」「墳墓(墳丘墓)器台」「岡山器台」などなど、いろいろ考えられる。

しかしわたしは「吉備器台(きびきだい)」を提唱する。
この出土品の特殊さの中で、地域性が最も重要と考えるからである!
岡山とその周辺が吉備と呼ばれていたのは埴輪時代(埴輪が作られ立てられていた時代)よりも後のようで、この点は確かに引っかかる。だが、岡山器台ではなく吉備器台を選択する理由に、キビキダイ、という言葉の響きの魅力を挙げたい。名称は表記の前に音で記憶される。より印象に残る響きが望ましい。

併せて、吉備器台にのる壺は「吉備壺」と呼びたい。

以上、「吉備器台(きびきだい)」への改名の提唱でした。

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