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選ばずカタカナにしておく【埴輪ネーミング問題】

ある言葉を漢字で書こうとしたとき、調べると複数出てくる場合がある。

例えばミズラ。左右二つにわけて結う男性の髪型です。

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漢字表記には、髻、角丱、角子、角髪、美豆良などがある。
どれか一つに決まっていれば混乱はしない。だが一つを選ぶのは難しい。それがいちばんふさわしいという理由が必要になる。常用漢字でないものもある。もし一つに決めることができても、誰もが同一の漢字表記をするというルールに従わなくてはならない。表記が違うと、同じものを指しているのかどうか確認できない。検索しても、情報を網羅できないかもしれない。

漢字をひらいてひらがなにすると、てにをはに紛れてかえって読みにくくなる。

そこでカタカナ表記である。分野によってはカタカナが多すぎることもあるが、考古学分野であれば多くて読みにくいほどではないだろう。

ミズラのほか、カタカナ表記にしたい埴輪用語は以下の通り。括弧内に漢字表記をわかるだけ示した。

カツオギ(堅魚木、鰹木、堅緒木、葛緒木、勝男木)
キヌガサ(蓋、衣蓋、絹傘)
クツ(沓、履、靴、鞋)
コロク(胡簶、胡籙)
サシバ(翳)
チギ(千木、知木)
ユギ(靫、靱)

以上のうち、サシバの漢字表記「翳」は一つに絞られているものの、常用漢字でないうえ画数が多いのでカタカナで開くのが妥当と考えた。
ちなみにチギは古くは「ヒギ」と呼ばれ、漢字表記は比木、氷木、冰椽などがある。ユギは「ユキ」と呼ばれることもある。

以上、カタカナ表記の提唱でした。

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