鍋島杏奈

そいで、いそいで、でくわして、しっとして、毎日となっていく…

鍋島杏奈

そいで、いそいで、でくわして、しっとして、毎日となっていく…

最近の記事

わたしは今

わたしは今、とても病んでるみたい。それは悩んでいるみたいだし、息をすることをやめてるみたい。 女のひとが男のひとに依存して、別れた途端自分の大多数を占めていたものがぱっとなくなる。なにかを手放せば、その手放した分だけまた新しいものが呼ばれるように入ってくるんだとはよく言うけれど、じゃあその新しいものってなんなんだ。わたしが望んでいるくらいのものが入るのでしょうか?どんなものが入ってくるのかわからずに手放したいとも思わない、なんとも中途半端でどっちつかずみたい。 福袋を買う

    • 🤤

      もし自分に寿命があるのなら、いったいあと何年なのだろう。一分一秒単位で正確にわからなくても、あと何日、何年といった程度でわかるのなら、それが寿命 あらゆる魔法を世界中からかきあつめてきて、そのいっぱいの魔法を砂糖でこねてぎゅっとして、そうして丸めたキャンディがほしい。それをひとたび舐めて、魔法になれるようなそんなキャンディ。それが手に入らないのなら、いっぺん私にふったりでもしたら、きっとこの魔法は解けるのであろう。 最近ドカ食いが止まらなくて、次から次へと色々なもの食べて

      • 日記

        一眼レフのマニュアルフォーカスはなんと使いやすいのだろう。かなこが教えてくれた。 自分はニットの生地を選びがちなので、上品なつるつるを多めに選べていけたらいいな スキンケアや筋トレを毎日しよう お酒について詳しくなったり、料理をするようになってきてからなんだか楽しい 寺山修司の詩を読み、文学の面白みを体感

        • 「死とは」

          死とはなんであろうか ずっとずっと考えてきたけれど それは布が一枚になる感覚 しあわせの布とふしあわせの布 二枚のあいだをちくちくと 私という糸が縫っていって しだいに一枚となっていく 気づいけば布は一枚となった それが命というものか そんな気がしたのです

          忘れられない

          昼すぎの電車は左のひとも、右のひとも、前に座るカップルも、寄りかかりながら、みなうとうとと眠気の渦のなかで大遊園。素敵な光景。日本というのは、もちろんキチガイじみたひともいるっちゃいるけれど、でも大抵は平和なのだ。 久々に徹夜してみたので、脳みそが寝ぼけてふわふわと波うつ。身体や意識や言葉という、いろいろな器官の動きがスローモーションになっていく。ABRAのFruitという曲が流れる最中、そのハイアットが、耳の奥のさらにいちばん奥に巣食う三半規管というところでぶつかりあって

          忘れられない

          8/27

          朝、百合の花とともに目が覚めて、窓を開け、アンミカの「一分一秒単位で人間は選択の連続やから」を思い出すが、11時まで寝てしまった。そのあとは高円寺の阿波踊りや福岡の志賀島やジャズや、ハグや、ボルシチや… 久しぶりにパックなど買ってみた。 やはりコメばっかりはいけないって かなこがスープカレーを作ってくれた

          17秒好きなこと、の効能

          今日はとてもおもしろい話を聞くことができた。 なんでも、17秒間好きなことを考えつづけることが、瞑想を200時間することと同じ効果があるだとかなんだとか。言われてみればたしかに、同じことを17秒間ものあいだ、じぃーーーっと捉えて、脳みそのいたるところをひとつに集中させることは普段していないな、そもそも、17秒間という単位について今まで頭の端にも置いてこなかったな、だとか思うと、あたらしい人生の使用方法について気がついたような気分で、わくわく。 瞑想というものの存在は、鶴岡さ

          17秒好きなこと、の効能

          世界はあなたに期待する

          少女はまたここへきた。 わけはなかった。暑い日差しが突き刺して、汗が滝のようにながれる、天気予報でも今日はとても暑い日だと言っていたのにハンカチすら持ってきていない。だって鼻をきかせたら、今日は雨なんて降らないと思ったんだもの、と伝えたところで伝わるはずもない。 何年経っても変わらない傷。どこへいても誰といても、埋まるのことのない傷、食べられやしない体。減ることのない寿命。 人生は短いようで長い。同じところに居続ける佐代子にとって、時間は止まっているもので、なんや流れを変

          世界はあなたに期待する

          女優

          本日はお越しいただきありがとうございます。早速ですが、役を演じる際に大切にされていることはなんでしょうか。 そうですね、眉毛でしょうか。 眉毛? はい、もちろんメイク担当の方がいらっしゃいますけれど、いつも自分で眉毛を描くんです。長いときには2時間ほどかけて、丹念に、自分がいつも使っているアイブロウは誰にも譲れません。 じゃあ聞きますけれど、あなたの眉毛はどうして悲しげな角度なんですかね 悲しげを演出することで少なからず、徳、得、とくとく、と流れる風のような、人から

          さようならゴムと観念

          絵に描けたなら、危なっかしい空。黒くて白い、自己表現の空。目が動かせない。そのまま吸い込まれたい。手に取ると透明な雲のなかへ。形はあるようでない水蒸気のなかへ。 背中が置き去りにされる。太陽がささる。あぁわたしの目、太陽を見たってどうせ光れない。だから背中で挨拶。もうこれで4回目。首筋に汗がたれる。髪を縛ろうかと腕のゴムを引く。強く引いてしまった。反動で、柵の外へ飛びだした。勢いよい。そのまま5階下へ飛び降りてゆく。間に合わない。下を見下ろす。通行人の頭に落ちる。通行人、驚

          さようならゴムと観念

          うつぶせと、海

          うつ伏せで寝るのが好き。 タオルのざらざらに右頬をくっつける。一夜を越えた、わたしの匂い。わたしの匂い、抱きしめる。 わたしの匂いのするタオルは、小豆の入った枕をつつむ。ジャリジャリ音をたてる。その音を、抱きしめる。 一緒に胸が潰れるし、巻き肩がますます巻かれるけれど、そのままうつ伏せを続ける。 枕とともに、布団もわたしを抱きしめる。足をジタバタさせて、布団の生地を楽しむ。埃がたつ。埃のたった布団のしたに、床がある。 床とは5階建てアパートの築40年の床。時折ミシミ

          うつぶせと、海

          二度の退出

          めずらしく混み合っているので、左腕を吊り革に預ける。ぼおっと車窓を眺める。民家が流れていく。車も流れていく。夏の空が流れていく。青々とした緑も流れていく。多摩川が流れていく。午後が流れていく。 そこにひとつ、映りっぱなしのこの顔はいったい誰だろう。じぃっとした目と目、それらは光を持つのに不服そう。へんなかお。さらに見るとすこし猫背なのだな。服はかわいいのに。そしてこの人、吊り革を掴む指のささくれが禿げている。一体どうして禿げたままにしているのだろう。 つまりささくれを労わ

          二度の退出

          朝、厄介なんぞイヤイヤ

          豪快でいてリアルなセックス、そうして声かけ、あの部屋で、扉の向こうでは祖母の声が聞こえる、というなんとも妙な状況に、声を上げることなしに流されている。というよりも、最近の私は「判断力」という文字を失くし、煙草の銘柄さえコンビニ店員に決めてもらう程度に、日常や他人に流されるということを楽しむ身であるので、二つも三つも情報が重なる場面で、当事者であるのに傍観者になるほか、私の役目なんぞない。 そんな当事者であるのに傍観者、というシチュエーションを客観視している最中、どくっどくっ

          朝、厄介なんぞイヤイヤ

          今ここにいないあなたへ

          まずまず。 朝起きてすぐ、横にも縦にも、頭がゆらゆらと揺れる。胃やら足先やらもひりひり、じりじりと痛む。 昨夜はお酒をたらふく飲んでしまったから。そう、二日酔い…を久々に経験した。あの、ビールや日本酒やワインを、順番や量もおかまいなしに平らげていく、理性に頼れないわっかい飲み方。 いい気持ちはしないので、もう二度とやりたくない、と毎度誓っているが、それにしても、昨夜はそんなに飲んだつもりはなかったのに、と思うと、お酒が弱くなっていることを感じて、最近ひそかにお酒を控えて

          今ここにいないあなたへ

          無駄こそ

          朝。 ストレッチをしながら、野毛に行くことを楽しみに考えながら、味噌汁の材料を考えながら、そして本を読んだ。 つくづく私は、いっぺんに様々なことをやりたがる。あれもこれもそれも、この時間を有効に使うとなるのなら、と、瞬時に考えているつもりで。 代償として、目の前の一つに集中できず、あれ、何やってたんだっけ状態に陥る。しかも効果は半減なのだろう。なんと恐ろしい。 無駄を嫌って効率化を図っているのか? 無駄こそ楽しいのに。 本も映画も日記もスポーツも、無駄こそ最高だ。

          まずはじめに音があった

          まずはじめに歌があった 歌は道を示すものかもしれない そして水の中からみる地上はゆらゆらと揺れていて実体がつかめない、泡が上へむかって生まれては弾けて消えていく 上からそれを眺めれば、湧き出た泡たち広がりを持ってぶつかり合い、一瞬にして消えていく また、水の中では音がぐるるるるとするだけ。 音楽のない世界、匂いもない世界、しかし色はある、光が入る限り。触る心地もする。味は、水のつるんとしたものが口に入るが、中に入れることはできない。 水の上に出てはじめて、音楽が奏でら

          まずはじめに音があった