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まずは、自分に寄り添う

私の味方でいてくれるモノがあったなら

こんなんあったらいいな、を本当に作る人たち

誰でも使えるようになった新しいテクノロジーで作ったモノたちが一同に会すMaker Faire Tokyo2021Protopedia。子供から大企業まで「こんなものがあったら」を形にしている人たちの姿に、羨ましく感じると同時にワクワクした。
もし私がここに出品するとしたら?
Maker Faire Tokyo2021は社会実装型、Protopediaはエンタメ要素が強いな、と思ったので、そのカラーに合わせた「私が作りたいモノ」を考えた!

1:「助けて…!」を私の代わりに言ってほしい

恐怖と嫌悪で動けない

私は、なぜか性犯罪者との遭遇率が異常に高い。
一番古い記憶は6才の時で、そこから大人になるまで、ありとあらゆるバージョンの性犯罪者にターゲットにされることが多かった。

枚挙に暇がなさ過ぎて書ききれないけど、痴漢から露出狂、ナイフを取り出す人、車に引きずりこもうとする人、私がマンションのドアを開けたと同時に後ろから羽交い絞めにして家に入り込もうとする人(駅から後をつけて来たらしい)など、本当に今まで何度警察を呼んだかわからない。
なので中学生と高校生の時は、一人で帰宅する時は常に両手に石を持っていた。大学生になると、スタンガンを買った。

幸い全て大事に至ることはなく、直前で逃げて来た。
といっても、レイプされなかった、というだけで、突然触られたり引きずられたり脅されたりする恐怖は、底知れなかった。
「殺される」と、本当に感じた。

望まないこうした場数を踏み、おのずと警戒心も強くなり、だんだんと防御策を覚え、今では道の向こうから歩いてくる人の様子を見ただけで「あ…あの人やばい」と察知しすぐに避ける、ができるようになった。

大人になった今でもあの独特の恐怖感は変わらないが、特に小学生や中高生の頃の私にとっては、大人の男性の身勝手な性的欲望を容赦なく暴力的に受けるということは(目線も含め)、言い表せないほどの強い嫌悪と恐怖があった。

本当に恐怖を感じた時、人は、ただ固まる。
抵抗できたはずだ、と周囲に言われ二度傷つく女性たちがいるが、突然降りかかった「殺される恐怖」を前に、命を守りながら冷静に対処できるだろうか。
鼻先に銃口をつきつけられた人に、「抵抗すればいいじゃない」と、私は言えない。

自分の代わりにSOSを出してくれるデバイスがあったら

今何が起こっているのか理解が追い付かず、事態を把握すらできない。それでも、凄まじい恐怖心だけは本能的に湧き上がる。
だから私は、恐怖で声を出せない女の子たちのために、人格を踏みにじる彼らの容赦ないエネルギーを前に動けなくなってしまった時のために、このデバイスを考えた。

「CALL for HELP」腕時計型デバイス

参考写真:ガーミン(GARMIN)

ユーザの脈拍数を表示する腕時計型端末で強い恐怖を感じた数値を検知するとSOSモードがオンになる→15秒以内にリセットしないと、オートで下記のSOSが出される。
A:「警察を呼びました」と、スマホから男性の声で大きくアナウンスが流れる
B:登録した人(親やパートナーや友人など)宛てに、「助けて!」メッセージと自分の居場所が送られる

もし私が学生の時、握りしめた石の代わりにこのデバイスがあったなら。
あの頃の自分は、少しだけでも安心を手にした気持ちなれたかもしれない。

少女が作った視覚障碍者のための作品がヒントをくれた

Maker Faire Tokyo2021で賞を受賞した、あんなさんという女の子。
彼女は「みんなを守り隊!」という視覚障碍者を危険から守るデバイスを作った。

自分ではどうしようもない危機。
心優しいこの女の子は、視覚障碍者ご本人たちが日常で感じておられるであろう恐怖やその心情に寄り添い、手を動かした。
私が「守りたい」ものは何だろう、と考えた時に、あの頃の自分と、そして今現在そういう恐怖を感じているであろう女の子たちを思った。
私が、女子支援を行っているNGO団体を12年間サポートし続けているのと、このデバイスを考えた理由は、きっと同じだ。

※腕時計型デバイス参考資料
「脈拍数などの身体情報によって恐怖演出が変化するホラーゲームの基盤開発」情報処理学会インタラクション2019論文集
吉川宏樹、松塲匠、小林菜摘、川合康央/2019年2月27日http://www.interaction-ipsj.org/proceedings/2019/data/pdf/3B-41.pdf

2:一人の時くらい、感情全開でいこ!

感情は、感じ切らないと無くならない

仕事に向かう時、楽しい遊びに出かける時、落ち込んで帰る時、聴く音楽は違う。
私は大事なプレゼンなどがある時は、ギターがぎゅいんぎゅいん効いてるアップビートの曲を聴いて自分を上げる。
逆に、落ち込んでいる時や弱っている時にそういう音楽を聴くのはツライ。
精神科医の友人が、「感情は感じ切ると消滅する」と言っていた。
そして、感じ切らない限り感情は消滅しないそうだ。
つまり、感じたくない感情(いわゆるネガティブと言われる感情)から目を反らし、感じることをせずに蓋をしてガマンしたりなかったことにすると、それは何十年でも腹の底に居続け、淀み、歪んだ別の表現として現れる。
・・・こわくない?
私この話聞いた時、「どんな醜い感情でも私が感じたことを受け入れよう」って誓ったもん。

「感情を感じ切る」を盛り上げてくれるモノがあったら

そんなことを日々考えてた私が、Protopediaで見つけたのがこの作品たち。

もうどれも面白い!!しかも楽しい(→大事)!!
感情は表情や声には現れ、他者には伝わるけれど、「自分が自分の感情を再撮する」というのはなかなかに難しい。そこで私は考えた。

「エモ増幅BOX」今の気分を効果音がめちゃくちゃ盛り上げてくれるデバイス

一人になれる場所。それは、ダントツでトイレ。
もしくはお風呂か洗面所。もしくは自室。
そこにこのBOX型のデバイスを置くだけでいい。

イメージ/感情は人間の宝!

そこで、あなたはそっとこのBOXの前に座り(立ってもいいけど)、蓋を開ける。
カメラとマイクがあなたの声と表情を検知し、感情解析AIが今のあなたの状態を分析。
すると、あなたの今の気持ちをさらに増幅させる効果音がBOXから流れてくる。
イメージは、漫画の効果や効果音。

こういう漫画の効果が実際に音として出てくる、というモノ。
そして効果音が流れてきたら、浸れ。踊れ!
大げさなくらいに効果音に合わせて感情表現をすればいい!!!

感情表現がおとなしいとされる日本人は、きっとちょっとオーバーにするくらいでちょうどいい。

感情を感じ切ったら箱をそっと閉じ、また使いたくなったら箱を開ける。

毎日こうして感じ切ることができたら、人間の豊かさも感情の襞も、きっとさらに彩りが増す。
楽しく、お腹の底が軽くなれたらいいな。

※参考 感情解析AI


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