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むかしの傷

 昨日11月8日の丑の刻から立冬を迎え、本格的に冬が始まろうとしています。今年の冬はどんな冬になるんでしょうか?雪があまりたくさん降らないといいなって思っています。

 雪が多いときなんかは朝早くから家の周りの雪かきから一日がスタートします。部屋で寝ていても近所に住んでいる人がシャベルで雪かきをしている音がするのです。あぁ~っいやだ!外に行きたくないよ~!って思うのですが、子どもたちも学校に行かなければいけないですし、家族のクルマの出入り、来られる会員さんのためにも少なくとも家の周辺、指導室の周辺の雪かきはしておかないといけないのです。

 寒い朝にわざわざ普段より早く起きてすぐに、厚手の下着に着替えて作業用の防寒着を着て雪用の手袋をつけてシャベルを持って長靴をはいてニットの帽子をかぶって気合を入れてから玄関を開ける。そうすると近所に住んでいる人が雪かきの手を止めてこちらを向いて「おはよう。よう降ったなぁ」ってあいさつをしてくれる。「おはようございます。ほんとうですね」なんて言葉を返しながら、玄関周りの雪をどけていく。寒くてイヤだったのは最初の内だけで徐々に暑くなってくる。汗もじんわりとにじんできて、吐く息の白さが一層増す。肩やニット帽の上からももうもうと白い煙が出てくる。雪が多すぎて一生懸命やっても一向に終わりの見えてこない作業に途方に暮れる。寒くてイヤだったのが、終わりの見えない作業に半ば絶望したイヤさに変わる。朝起きて早々に寒かったり絶望したりするのはイヤなものだと思います。

 けっこうリアルに書いてしまいましたね~。よっぽどイヤだったんでしょうね。

 こういったある意味でトラウマじみたものは整体では打撲と考えます。身体的な打撲、自転車で転んだとか自動車で事故にあったとかスポーツをしていて相手とぶつかったとか、こういったいわゆる打撲もそうなのですが、ぼくのこの場合は心理的な打撲、心に負った打撲の影響かと思います(自分で心の打撲だと言っている時点でおそらく違うのですが)。

 立冬を迎え、冷え込んでは来ましたがまだまだ湿度は残っています。冷え込みが進むと乾燥の方に目が行きがちですが、その人の特性によっては湿度の影響を受ける人もいます。とくに霜が降りて雪が降る、そういった日には乾燥がすすみ、肌のかゆみや目のかゆみ、空咳が出たりなど乾燥の影響も受けるのですが、今朝の鳥取県は意外と日が照ってポカポカとした陽気でした。秋だなぁという感じなのですが、こういったときには冷えることと湿度による影響が出やすいものです。

 湿度があるときには打撲の再燃があるもの。昔の古傷が痛み出すのもこういうときです。待ちに待ったマラソン大会の本番なのにもかかわらず昔の古傷がうずいてくる、というのも湿度の影響にあるのです。関節の痛みや筋肉の炎症もそうです。湿度があると空気自体が重たくなるので意外と呼吸器系にトラブルが出る人もいます。

 もちろん今回のぼくみたいに過去の心の傷、イヤなことを思い出してくよくよするのも湿度の影響です。今日みたいなこういった日には以前からのひざの痛みがとか、大昔の腰痛がとか言って来る人が増えるだろうなって思っています。くよくよしている人が来てくださってもいいですけどね。打撲の操法をやるだけですから。こういう日にくよくよしていようが膝が痛かろうが同じ操法をするというのもおもしろいですね。

 ある外的な何かに対する人間の表出ってさまざまです。外的な何か、たとえば気温が下がった、湿度が増えたことよって、膝が痛くなったり腰が痛くなったりくよくよしてみたりするのです。そしてもっともらしい理由をつけてみたりする。そう考えると人間って複雑なようで単純なようでおもしろくもあり、ややこしくもあるものだなぁって思います。


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