奈月

カクヨム甲子園大賞受賞高校卒業したてホヤホヤの女です双極性障害持ち、発達障害持ち。今辛…

奈月

カクヨム甲子園大賞受賞高校卒業したてホヤホヤの女です双極性障害持ち、発達障害持ち。今辛いあなたの隣にいたいと思っています

最近の記事

生まれてこなければよかった どうして私を産んだのよ 花凛はなるべく攻撃力の高いだろう言葉を選んで叫んだ その刃は両親を切り裂いた 彼女の言葉は 自分が愛されていると無意識に知っている人しか発言出来ない 無邪気で残酷な彼女は当たり前にそれに気が付かないでいた

    • 仮面

      仮面が剥がれないんだ まだ近すぎてよくわからない まだ近すぎて物語に昇華できない  すごくすごく疲れた 自分の考えはどこ? 綺麗な仮面が、あえて未完成にした仮面が大量に並ぶ。 それ自体が それを使い分けることが 私の誇りですらあったのに 声がする あなたの本当の顔は? お願いだから探さないで もし空っぽだったのなら なにもない平面が広がっていると知ってしまったら 壊れる もう壊れているのかもしれないけれど 誰にも届かない私の声

      • 鬱の雨

        来るなという予感の通り 寂しさの雨はポツリポツリと降り出した 裸の心は逃げる隙もなく しっとりと重みを増していく 何かが切れてバラバラにならないうちに 睡眠という安物のビニール傘を買って 男という安物のビニール傘を買って  使うほどにたまっていくそれらを見て またやってしまったと思う どうしようもなく悲しくて 足掻いても足掻いても水の上に出られない 鬱ぎとふさぎの意味を創作に昇華できることを願って今はただ眠りたいわ

        • 罪人

          結局私は鍋でグラグラ煮られるべきの大罪人なんだよ。と言ったら、君は「何それ」って笑うかな。 地獄だよ、地獄の話。昔読まされた絵本の話。沸騰した大鍋の中に入れられるって言う刑罰が確かあったはず。 え、一緒に来てくれるの?嬉しいな まあ君と一緒なら地獄めぐりも温泉旅行。 これって結構間違いない。 君のくきっと出た鎖骨 緩く弧を描く唇を軽く味見する ねえ 自分の心に近いものを書くというのは案外大変なものなんだよ 書くという点では心は自分より最も遠いところにあると言っても過

        生まれてこなければよかった どうして私を産んだのよ 花凛はなるべく攻撃力の高いだろう言葉を選んで叫んだ その刃は両親を切り裂いた 彼女の言葉は 自分が愛されていると無意識に知っている人しか発言出来ない 無邪気で残酷な彼女は当たり前にそれに気が付かないでいた

          四大欲求

          「技術が進化してどんな高尚な理論を立てられるようになったってお腹すいたなとかあー眠いなとか、そういう欲求を捨てることはできないらしい。あ、あと「ヤりたい」も。それはあたしにはわかんないけど。だってあたしはまだ18で、先輩がすっごく良かったって言うバンドマンの彼とのセックスを想像することもできない貧弱な想像力の処女だから。なんだか話が逸れたけど、人間は大きく分けて3つの欲求を持ってます。ってことを言いたかったの。 でもさ、もし健全な3大欲求を持つ圧倒的多数派の中で、欲求を4つ抱

          四大欲求

          無題

          昔話 今日は寒くてありきたりな1日でした。教育実習の佐藤さんとななえちゃんの2人とストーブのそばで何気ない会話をしました。女3人というのはやはりわたしにとってやりづらいものです。 作品に対して、高校生なのに、高校生だからと最近しょっちゅう言われます。高校生でなかったら評価されないのだろうか、不安に思うと同時に不思議の感が湧いてきます。高校を卒業すると何か別の次元へと勝手に移動できるものなのでしょうか。きっと、「高校生なのに」は、「社会経験もないのに」と、言いたいということな

          なんなんだろうな、人生

          忘れてしまった遠い記憶に意味はあったのだろうか 全て忘れないでいたいのに こぼれる記憶 変わったのかさえわからない  こんなんでいいのかよ 経験を糧にできているかな 忘れちゃったりしてないかな うまく小説にできるのかな どうしてこんなに弱くて すぐに泣いて 逃げ出そうとするのだろう 変化することを恐れているのだろう 誰もいないとすることもない 今、誰かに執着したい証拠 するべき、やるべきがなんだ うまく書かなくたっていいんだ 書かなくたって大丈夫 仮面に向かって大声で叫ぶ

          なんなんだろうな、人生

          いちばんになりたい1

          いちばんになりたい。という呪いがある。 それは一見不変な欲望に見える。 スポーツでも業績でもなんでもいちばんになりたい。から練習するし、努力する。 でも、これが「愛情」の話になると少々勝手が違ってくる。 私の母はいつも姉と比べられ、劣等感を感じながら育ったそうだ。 彼女は、いちばんになりたい。のにいちばんになれなかった人。 そんな思いを抱えていたので、母は私以外の子供を産まなかった。私に自分と同じ思いをさせたくなかったらしい。同時に、私という唯一無二のいちばんになれる

          いちばんになりたい1

          価値観の違いは悪いこと?

          好きな人に涙ながら相談したら、俺はカウンセラーじゃないからそんなに暗い過去ばっかり話されても困る、同じ事で悩んでると、いつも悩んでいる人になるよ。行動しなよ。俺は元気で前向きな奈月が好きだ。と言われた。 言いたいことはわかる。私もできることなら元気でいたい。同じようなことを言いすぎたのかもしれない。でもさ、それって今現在死にそうになってる人にいうことですか? わからないあなたを受け止めたいけど少しだけ心が折れた。私の好きな人は少しドライで、現実主義者だ。自分の過去、私の過

          価値観の違いは悪いこと?

          あなたへ

          おばあちゃん、あなたが亡くなる前日、大晦日の話です。諏訪野の家から御山の家に帰る帰り際、具合悪そうにソファに寝ていたあなたは、「あんたの顔見て思い出した、あげたい襟巻きがあったんだ」とゴソゴソ二階を探し始めました。嬉しい反面少し面倒くさかった。次の機会でいいよと何回もいいました。でもあなたはやめなかった。虫の知らせでもあったのでしょうか?時々休憩しながらもなんとか探し出してくれました。 「それ、誰からもらったの」 「買ったんだよ」 「へえなんで?」 「その襟巻きを見た時あんた

          あなたへ

          こんな拙いnoteでごめんなさい

          謝れば許されるのが当たり前の時期がある。いわゆるチートだ。魔法の言葉「ごめんなさーい」で相手は許すことを強要される。そんな時期。私は魔法を上手く使いこなせなかった。「誠意」がないからだと親は言う。 私は謝るより先に言いたいことがたくさんあった。私は私なりの論理の中でその行動を取ったから。でもどんなに話しても親には封じ込められた。「口ばっかり達者で」仕方なくゴメンナサイというしかなかったけど、「気持ちがこもってない」とどつかれた。魔法の言葉は私の親には届かなかった。 親は「

          こんな拙いnoteでごめんなさい

          死にたい私に会いに来て

          死にたいと繰り返す時期があった。わかっている。それは、それを聞いた周りの人の耳まで傷つけるような毒々しい力を孕んだ言葉だと。わかっていながら使うしかなかった。そんな自分を否定したい訳じゃない。 否定したい訳じゃない。むしろ1番の理解者でありたかった。理解者であり続けられると思っていた。でも、ある日その頃の文章を読んで、他人行儀な批評をする自分がいることに気がついた。「本当は死なないくせに」「かまってちゃん」背中に冷たいものが走った。私はずっと、「大衆に理解されない自分の

          死にたい私に会いに来て

          文字にするのが恥ずかしいほど、弱音

          春は多くの蕾が花開く季節である。その花が咲いた過程にはつらく、厳しい冬を乗り越えたと言う事実があって、それを祝福し、褒め称える季節でもある。 周りを沢山たくさん祝福して、なぜか、それが苦しい。当たり前なのかもしれない。なぜなら私にはそれができなかった上、これから花開かせるバイタリティもないからだ。そう決め付けているからだ。 高2の冬、病気になった。闘病した。なんとか生活を送れるようにはなった。一応卒業した。さあ?次の一手は?行動は?私の周りにいた人たちのように当たり前に

          文字にするのが恥ずかしいほど、弱音

          はなむけ

          自殺者の葬式というものには相応しい天気があると思う。 それがなんだったとしても3/17の天気がそうでは無いことは誰の目から見ても明らかなことだった。 雲ひとつない快晴。少しの湿り気も帯びない空気。 あるものはかったるそうに、あるものはそれをたしなめるように、神妙に、無関心に、興味津々で、小声で、 本庄幸子のクラスメイト達は彼女に焼香するためにアリのように紺色の列をなしていた。その列に並びながら「君たちが言うところの天使」と名乗った男と会話する 全

          はなむけ

          瑞季さんと僕

          あんなに熱かったコーヒーが水のように冷たくなるまで不機嫌でいられるのも一種の才能だと思う。 そんなこと言ったら彼女の頭は沸騰するだろうから言えないけど。 ずず、と僕が冷めたコーヒーをすする音が響く。 喫茶店。男女。不穏。別れ話。 お決まりのパターンだ。でも、少しだけ違う所がある。 僕たちは別れ話をしているのではない。 彼女がもう20回は繰り返しただろう言葉を同じように紡ぐ 「ルブタンの靴底が剝がれた。台無しになっちゃった。もう履けない

          瑞季さんと僕

          たまごちゃん

          小学校一年生の珠子は、今日から珠子は死んだものとしてください。学校にもいきません。理由は聞かないでください。と宣言しました。パパとママは心配しました。困惑しました。「どうしたの?」 ママが珠子の好きなものを食卓に並べても、パパがその腕に抱いて諭しても、珠子の決意は固いようでした。諭されれば諭されるほど 頑なになる心。 そのうちに珠子の体に異変が起きました、背中から妙な弾力を持った固い糸状のものがシュルシュルと出てきて卵の殻のように珠子を包んだのです。珠子は日常生活

          たまごちゃん