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罪人

結局私は鍋でグラグラ煮られるべきの大罪人なんだよ。と言ったら、君は「何それ」って笑うかな。

地獄だよ、地獄の話。昔読まされた絵本の話。沸騰した大鍋の中に入れられるって言う刑罰が確かあったはず。
え、一緒に来てくれるの?嬉しいな
まあ君と一緒なら地獄めぐりも温泉旅行。
これって結構間違いない。

君のくきっと出た鎖骨
緩く弧を描く唇を軽く味見する

ねえ

自分の心に近いものを書くというのは案外大変なものなんだよ

書くという点では心は自分より最も遠いところにあると言っても過言じゃないんだ

だからわたしが大罪人だという事実も身に染みついて離れないものなのに

いくら言葉にしようとしても壊れたコピー機のように自分の白い部分しか出てこなくって焦るんだ

わたしは君にすべてを知ってほしいのに

え、とっくに知ってるって?

そんなの作り物の黒さなんだよ

白いものをわざと黒く染め上げた偽の欠点

わたしの精一杯のお道化

完璧は存在しないという怖さのお茶目

自分の白さを完璧なものと見ている時点でそれ自身が一つの欠点だけどね

黒さをどうしても隠してしまうのはいわゆる防衛本能というやつなのかもしれない

今でもこんなに無駄なことばかりずるずる書き進めて

黒く染まった周りをぐるりと一周してしまった

まどろっこしい?ごめんごめん

でも、練習もなにもなしに飛び込むのは無謀というやつだよ

これまでは準備運動だと思ってください

さあ、いい?話すよ。

青臭いのって健全だと思う。あたしそういうのに憧れてるの。そして「青臭い自分ってみっともない」みたいな変なひねくれ方をすると「肝心なところで絶対に謝らない、母親の前でいつまでも子供、世間体だけはいい」お父さんみたいな人間ができあがるわけだ。思春期拗らせてるって言うの?あっこれ本人に言ったら殺されるな。言い過ぎだって?たしかにそうかもね。でも感じちゃったんだもんしょうがない。「殺される」って。胸ぐらを掴まれて
「✖️✖️✖️✖️!!!」(内容は覚えてない多分記憶から抹殺したんだろう)って言われた時と、私が助手席にいるのにあおり運転をして「✖️✖️✖️✖️!!!」って叫んでるのを見た時から私はあの人を本質的には信用してない。あの時はすごく怖かった。あの人は相手の人生よりも自分の人生よりも助手席の未来ある17の娘の人生よりも、自分の刹那の感情を優先させる感情人間なんだ。なんてことは後々考えたことで、

あの時1番怖かったのは、あの人が警察に電話をかけていたことだ。完全に被害者の顔をして、「変な奴に追いかけられた」と言うあの人を見て、淡々と日常に戻る母を見て、少し達観した気分になった。人生って、世の中って、こんなもんか。って
こんな人たちが社会を構成してるんだって。齢17にして「 目の色が変わる」っていう慣用句の意味を実感してしまった。そんな経験しない方がマシだけど。わかってるよ。養ってもらってるだけでありがたい。お父さんもお父さんで辛い事があるのかもしれない。会社でのストレスとか?でもさ、それを17の娘に簡単にあたれる大人ってどうなのよ?「暴力をふるったら虐待になるから手は出さない」って言ってたっけ。私はたしかに怯えてたけどそれだけじゃないのよ、47のおっさんがそんな論理を使えることにあきれて物も言えなかったの。30歳の年の差があるのよ?私30年後そうなってたら死にたくなると思う。でもここまで想像を働かせられるんだから大丈夫な気がする。そう信じよう。ここまで読んでみてクソ生意気なガキだな。と思った。


こんな頭でっかちと一緒にいたら暴力の1つでもふるいたくなるのかもしれない「昔から扱いづらくて」「口ばっかり達者で困る」嫌な記憶がよみがえってきた。昔はよく小突かれた。困らせてきた実感はある。融通がきかない子供だったことも自覚してる。大好きな2人の仲を引き裂いているのは私なの?考えたくもないから考えないようにしよう。多分愛されてるって感じられる瞬間の方が多い。人間は完璧じゃない。よしポジティブにいこう。きっと明日の学校は楽しい。私は仲間に恵まれてるからな。明日の私がこの文章を見て「深刻になっちゃって」って笑い飛ばしてくれることを祈ろう。でもそうだからと言ってこの夜のつらさが嘘じゃないって事も覚えとこう。今の私のつらさは未来にいる「辛さを言葉にできない子」「誤解されがちな子」のためにあるんだ。

ねえ、見てる?大丈夫だよ。多分あなたと私のつらさは一緒だよ。もし一緒じゃなくても全然怒らないよ。あなたの気持ちを否定することだけは絶対にしないから。人からつらさを比べられても、ちっぽけって笑われてもここにひとりそれを絶対に否定する人がいるってことだけは覚えておいて。 ここで私が死んだらセンセーショナルな報道でみんなに知らされて、途端に手のひらをくるっと返すんだ。「言ってくれればよかったのに」そんな賭けみたいな真似できるかよ。笑われない保証がどこに?うまく言葉にできない小さい子だったら?大きくなってからだってトラウマにはフリーズしちゃうもんだ。ふざけるなよ。ふざけるな。絶対に死んでなんかやらない。今思った心愛ちゃんはどのくらいつらかったんだろう。家に返されるときどう思ったんだろう。多分私なんかより100倍言いたいことがあった。絶対にもうあんな悲しい事件起こしたくない。ちょっと感情的になっちゃった。悪い癖だな。もう寝よう。私は明日朝早く学校に行く。とりあえずみんな逃げて。考えるのはそれからでもできる。

今日の朝も明日は学校に行けよ!!!!!!って怒鳴られて起きた。はいはい今日はまだ日曜日ですって。いろんなことが麻痺してる気がする。

お母さんに「お父さんって怒鳴る生き物だと思ってた殴る蹴るが普通だった。お姉ちゃんはいうことを聞かないと窓ガラスのサッシに逆さ吊りにされてた。私は「いい子」でいるのが当たり前だったしお父さんの機嫌をとるのは当たり前でしょう?はるちゃんのことは甘えているようにしか見えないけど多分私がおかしい。素敵な家庭を築いてあげられなくてごめんね、早く家を出て行きなさい。」と言われた。窓ガラスに吊るされるってどういうこと?理解できなくて手が震える。お母さんも論理ではわかってても感情が付いてこないんだ。こういう時どうしたらいいのかなんて誰が教えてくれるの?


夜ご飯に餃子が出た。私の好物だった。多分ここのところ「いい子」じゃない私へのなんらかのアクションなのだろう。もっとほかにしてほしいことがあるのにとはいえなかった。何かリアクションを取らなきゃと思って何か言った気がするけどなんて言ったんだっけ?やったーみたいな。この間まではしっかりできていたのに。どうやるんだっけ?お箸が震えているのをみて父親の機嫌が悪くなったので怯えてしまった。ダメだ。あの人は怯えるともっと不機嫌になるのに。

思えば私は空気を読むことを強制されてきた。子供らしい無邪気で無神経な発言には罵声が飛んできた。5歳の頃からこれは理不尽にちがいないしっかり話せるようになったら言おうと思ってきたのになんで今まで忘れていたんだろう。多分忘れていた方が楽だったからだ。

「ピンクピーチ味のヨーグルトを美味しそうに食べる私」まで演技しなくちゃいけないなんて

いい子仮面を試しに外してフリーズしてみたら案の定怒鳴られまくりの土日になった。多分両親も心配なのだろうが心が壊れそうだ。

「私はいつまでいい子の仮面をかぶっていればいいの」とは言えない。多分何倍もの罵声が返ってくる。それよりはいい子仮面の方がマシ

私の「機嫌がいい」と朝の機嫌が最悪の母はだんだん機嫌が良くなってくる。「りんごフォークに刺してあーんしてぇ!!ありがと!行ってきます!!」とやってから外に出て顔が無表情になった。限界はすぐそこ?私はどうしたら良いのだろうか。

みんなこんなのを舞台裏をみせずにやってるなんてすごい。

人様にご迷惑をかけるなんて?みなちゃん本当にごめんね私のペアなのに


ダメだ勉強できない気持ち悪い。

どう?これは何かがおかしくなりはじめた頃のわたしを冷凍したもの。同情をそそる反面まさに「悲劇のヒロイン」自分のことをかなり棚上げして他者を責めてる。可笑しな演説対するは世間。ここ大事「わたしは被害者である」罪深いなぁ、なにが罪深いって、今でも罪を理解しようとしないわたしが1番罪深い