「検定を申し込んだ人にあげます」と言ったら生徒が自主的に動いた

私は塾の先生です。
「まだ自信が無いのでもう少し勉強してから」と言って、
検定に挑むのが、どうしても遅くなりがちな
小中学生の気持ちはよくわかります。
落ちるのが嫌なんでしょうね？

私だって、そうでした。

それから、子供の心の中には損得勘定があります。
損？
得？
勉強を沢山したら、何となく損をするように思っているのが子供です。

でもね、
「少しくらいは勉強をしようとは思っている」

それが、ザ・子供

そんな子供達に「検定を申し込んだ？」と
うるさく言っても嫌われるだけだし、
何か良い方法は無いかと、
考えに考えて絞り出した方法がこれです。

善は急げで、
さっそく10月には皆に言いました。
「11月から、検定に申し込んだ人には、チョコレートをあげることにします。申告してくださいね」

思春期の子供たちは、聞いているのかどうなのか？
そんなに気のない素振りではありますが、

う～ん？
長年の勘ですね。
何か手ごたえを感じました。

それから、10月の間はチョコチョコ言いました。
「チョコレートをいっぱい買ったから、申し込んだらすぐに言ってね～」
とか、
「申し込んだらカレンダーに書くので、日程をちゃんとメモしてきてね」
とか、さり気なく声をかけました。



検定を受けると良い理由

①中学の定期テストが年に4回しかないので、それだけでは中だるみしちゃいます。
なので、その間に漢検数検英検を入れると、いつも目標を持って勉強ができるので予習がサクサクと進みます。

②試験会場に慣れるのがとても良いことです！
知らない道、慣れない広い会場、大勢の人。
ドキドキしますよね。
検定を何度も受ければ高校受験の当日も落ち着いて挑めます。

③検定に落ちる経験があると、もう落ちたくないので、
次はどうすれば良いのか自分で考えるようになります。
計画をたてるのが当たり前になります。

このように、良い事ばかりの検定ですが、
放っておくと申し込んではくれませんね。
なかなか申し込みたくないようです。

そして、やってきました11月。
「検定に申し込んだ人～」と
お菓子を箱に入れて持ち歩きました。

「はい！」
「は～い！」
あららら…
「カレンダーに書き込むから待ってね」

「1月23日英検3級です」
「私も1月23日英検4級です」

嬉しい💛
チョコレートは偉いですね。
本当にチョコレートは素晴らしい。

目は口程に物を言う？
ちょっと違うか？

チョコレートがこんなに心を動かすなんてね！

最初に言いましたね？
子供にとって、損か得かが、とても大事みたい。

皆がチョコレートをもらうのに自分だけもらわないと損だよね？
損をしたくないから慌てて申し込んじゃう。

少しはやろうという気があったけれど、積極的に自分から親に言って申し込んでもらおうというほどの気持ちではなかったんだね？

その背中を少し押すきっかけを探していたんですよ～
チョコレートだったんですねえ。

チョコレートを見せただけで自動的に勉強が始まっちゃう。
それなら、
ポケットマネーでいくらでも配っちゃいますよ～

子育てというのは、
甘やかすとか厳しく育てるとかではないと思うんです。

「当たり前にできること」を
少しずつ増やしていくのが人生だと思いませんか？
そのお手伝いをするのが子育てじゃないかしら？

そして、その「当たり前にできること」の質を上げていくのは、
本人の仕事だと思うんです。

勉強も遊びも
どんな事にも緊張しないで何気なく挑戦する
「気楽さ」が備わると人間は最強じゃないかしら？

そのお手伝いをする時に、
大きな声を出さずに、
目立たず何気ない感じで、
そっと、方向を付けてあげたい。

誰かに提案されたから検定を受けるよりも、
自分で受けようと思って受けるほうが100倍良いですね。


「私は積極的に動く人間なんだな」
「私は能動的な人間なんだな」
そう思うことが素晴らしい。

もっともっと、自信を付けていってほしい。

人間形成とは、こんな日々の積み重ね。

私の大事な相棒「チョコレート」

皆さんもチョコレートの力を借りると良いですよ。

これはクッキーです。
今日はピューロランドのお土産も配っちゃいました～

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2021/5/24にnoteを始めました。

NO.24　
「検定を申し込んだ人にあげます」と言ったら生徒が自主的に動いた

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