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一過性の幻です。高校生の頃のiPhoneのメモにあったおはなしを中心に載せています
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#短編

近未来ワープ

遠い未来、科学的なものがもっと発達して政府が「1回だけ行きたい所どこでも行けるゲート」を国際科学の日に無料配布したことがあってね、そのゲート自体はフラフープみたいなくぐるだけの簡易的なものなんだけど行きたい所を強く想像しながら握る事で脳から発せられる微電流が感知されて行先に次元が接続して行きたい所に飛ばしてくれる仕組みなのね、そんなお手軽なもんだから老若男女誰彼構わずみんな使ったの。
そしたらどう

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昼飯

夏の正午

ひとりフライパンに水を張る

半身浴から少しずつ、ブクブクしてきて肩まで浸かる。

先の焦げた菜箸に連れられて、みんな揃って気泡とゆれる。

いつか手を伸ばしかけたあの子の髪の毛のよう

掻き回して食べた。

おはなし

僕は、お向かいさんが好きだ。

毎日靴を履きながら鍵を閉める彼女に行ってらっしゃいを唱えるのが僕の日課である。

僕は暇である。

僕は彼女が何をしているのかは知らないが学生であろうと思っている。

きっと

彼女は大学2年生ぐらいで専攻では何か地球のために役立つような崇高なことを学んでいて、サークルには所属せず授業が終わると駅前の小さなお弁当屋さんでお惣菜を売って近所の疲れた胃袋を満たしている。

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おはなし

【山登り】

今日はよく晴れた絶好の日。

君と二人で山登りに来た。

田舎な駅を降りてから景色は自然になっていく。

君と木の葉に溶けていく

僕ら紅葉になってこの世に彩りを与え、乾いて地に落ち大地になるよ

そうして僕らひとつになれるね

これから先も一緒にいようね。

【今日も好きっていう理由】

休み時間、ふざけた会話で

「だーいすきだよ!」

「わーい嬉しい!今日は一日ハッピーデイだね

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