近未来ワープ
遠い未来、科学的なものがもっと発達して政府が「1回だけ行きたい所どこでも行けるゲート」を国際科学の日に無料配布したことがあってね、そのゲート自体はフラフープみたいなくぐるだけの簡易的なものなんだけど行きたい所を強く想像しながら握る事で脳から発せられる微電流が感知されて行先に次元が接続して行きたい所に飛ばしてくれる仕組みなのね、そんなお手軽なもんだから老若男女誰彼構わずみんな使ったの。
そしたらどうなったと思う?半分ぐらいは帰らぬ人になったの。
みんな行きたいところっていうと無意識だろうけど楽しかったとか何かしらの思い出のある場所を想像したの。
でもそれって当時のその人を取り巻く環境そのものに感情がこもってるんであってその場所自体に何かあるんじゃなかったみたいなのね、でもゲートはそれをそのまま「場所」と捉えて使用者の想像力、記憶に応じて小さな「場所」を新しく作って転送しちゃったの。
もちろん私達の今いる次元にはそんな一人一人の夢の中みたいな思い出の地は存在し得ないし一瞬一瞬が体現してる今じゃない?でもゲートにはそれは分からない、使用者の想像力を具現化して地点と地点を繋げるから判断がつかない。
明確に場所だけを思い浮かべた人はちゃんとした次元軸で行けたらしいんだけどゲートは1回しか使えないから帰りは自力だったんだってさ。
だから半分、正月連休の真ん中に年賀状と称してほぼ全国民に配布されたゲートを使った約半分だけ、帰ってきたんだって。
コンビニに雪見だいふくでも買いに行ったのかね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?