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銀河フェニックス物語 <ハイスクール編> 第一話(12) 転校生は将軍家?!

銀河フェニックス物語【出会い編】スタート版
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ハイスクール編 マガジン

「一緒にご飯食べないかい? おごるよ」

正面笑い

 レイターが屈託のない笑顔で、女子二人組に声をかけた。かわいい部類だ。大人っぽい格好をしているが、おそらく俺たちと同じハイスクールの学生だろう。
「いいわよ」

 四人で繁華街を歩き、食事の店を探す。

 レイターの金銭感覚はちょっと変わっている。
 金を貯めている、って言うだけあってがめついが、稼いだ金を使う時には躊躇しない。
 オレにも気前よくおごってくれる。


 その時、
「おい、ちょっと、顔貸してくれねぇか」
 がたいのでかい、見るからに筋の悪そうな成人男性に声をかけられた。

 マフィアの構成員だ。
 その後ろに、さっき、ゲーセンでレイターに負けた隣町の不良どもの姿があった。

 レイターは女子との楽しい時間を邪魔されて、明らかに不機嫌だという顔で言った。
「確かにあんたの顔、俺の顔がはずせるなら貸してやりたいところだ」
「ば、ばか」
 オレは思わず固まった。

 何、訳のわかんないこと言ってるんだよ。相手がやばい奴だってわかんないのか。
 マフィアが目をむいて怒っている。

「先輩、こいつがシマを荒らしてるんです」
 不良どもがマフィアに声をかけた。この怖い兄さんはスクールギャングのOBってところだな。
 あいつら、さっき負けたことを根に持ってやがる。

「ったく、イカサマやった訳でもねぇのに、ゴタゴタ言うなよ」
 レイターは平然としているが、オレの心臓はドキンドキンと大きな音をたてた。   

 女共も怯えている。
「レディーがびっくりしてるじゃん。ロッキー、あんたは二人を送ってやってくれよ」
 そうだよな、女共二人は関係ない。だけど、
「お、お前どうするんだよ?」
 オレは聞いた。

「ちょっと顔貸してくるさ。あいつの顔じゃ、利子付けて返してもらってもいらねぇけどな」

 こいつ度胸があるっていうより、本当にバカなんじゃないだろうか。
 喧嘩が強いといっても相手が悪すぎる。

「貴様、ぶっ殺してやる!」
 マフィアの怒りはさらに激しくなった。 


 オレは、足早に女共とその場を離れた。

 レイターが言うとおり、この二人を送らなくちゃと思いながら、巻き込まれなくてほっとしている自分がそこにいた。
 心がざらっとする。

「あの子どうなっちゃうの?」
 女が心配している。

 オレが聞きたい。あいつどうなっちゃうんだろ。 

正面制服一文字眉怒り

 あいつの金で飯を食おうとしていたオレも同罪なのに。

 何であいつを置いて来ちゃったんだろ。女共を送るってことにかこつけてオレだけ逃げてきたんだ。
 オレって卑怯だ。

「やっぱりオレ、様子見てくる」

 オレは女どもの元を離れた。

 いざとなったら走って逃げればいい。オレは足は速いんだ。
 自分に言い聞かせながら、元来た道を戻った。 
 もしかしたらレイターが、血まみれで倒れているかもしれない。

 さっきまでいた通りに着いた。

 レイターとあのマフィアの姿はない。
 スクールギャングの奴らは残っていた。ちょっと怖いが、そんなこと言ってられない。

「おい、オレの連れ、どうした?」

「あいつは、白豹会の事務所に行った」
 白豹会、この辺りを牛耳っているマフィアだ。オレは頭が真っ白になった。        最終回へ続く

第一話からの連載をまとめたマガジン 
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ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」