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廃車寸前の愛車と行く!屋久島2

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今はもうサヨナラしてしまった愛車との想い出を、少しずつ綴っていきます。足取りは軽め、画像は重めです。
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#写真

白谷雲水峡再訪

白谷雲水峡再訪

屋久島に着いたことは着いたけれど、することを決めていなかった。

はいびすかすが入港するくらいまでにはいくらなんでも決めておこうよ、とあの声が言ったりもしたけれど、港に何かとっておきの情報があるかもしれないし、無計画な旅も悪くないんじゃないかと軽く言い返しておいた。

さて、どうしよう?



廃車寸前の愛車と私がまず訪れたのは、白谷雲水峡だった。

ここは、かつて一度行ったことがあったのだ

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宮之浦港到着

宮之浦港到着

いつの間にか、船は屋久島にぐんぐん近づいていた。
時折、トビウオがジャンプしてキラリと光った。
朝は、相変わらず美しかった。

そのうち、船は港へと入っていった。
鹿児島の港で見たような、赤いのが出迎えてくれた。
6時54分。

あのギモーヴたちも。

船は、ぐるっとまわって・・・

いつもの場所に落ち着いた。
7時5分。

はいびすかすは、自分の仕事に満足しているように私には思えた。
生き甲斐を

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屋久島との再会

屋久島との再会

もうひとつの話を書こう。
船の、進行方向の側の話を。

雲がはいびすかす色に染まり始めた5時50分くらいに一旦話は戻る。

船は、屋久島に向かって進んでいた。
私は、懐かしいその姿を見ようとして船の進む方を幾度か確認した。けれども、それらしいものは見えなかった。開口一番、何と言おう? 屋久島は、私を憶えているだろうか・・・?

そのうち、船の右後方では朝日が顔を出して、空が、海が、刻一刻とその表情

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思いがけない贈り物

思いがけない贈り物

朝が雲に特別な色を塗り始めたのは、5時47分頃。
この日、適度に雲があって朝は張り切っているようだった。
雲も、嬉しそうだった。

この先については、書きたいことが主に2つある。
けれども、同時に書くのは難しそうなので、まずは船の右後方、種子島の側の出来事から書いてみる。

雲は、一旦、はいびすかすの色に近づいたかと思うと、その後、次第に黄色が強めになり、金色へと変わっていった。

6時8分22秒

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種子島。

種子島。

船は、粛々と進んだ。
夜も、着々と準備された。
船の上に居たけれど、後悔は無かった。

夜がすっかり夜らしくなった頃、私はまだ甲板に居た。

写真が教えてくれたところによれば、私は19時数分前まで甲板でシャッターボタンを押しまくっていたようだ。あるいは、客室と甲板を行ったり来たりしていたのかもしれない。18時56分の奄美大島行きのフェリーの写真を最後に、しばらく時間が空いている。

恐らく、この後

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出港。

出港。

一体、いつどのようにしてはいびすかすが動き出したのか、もう憶えていない。ただ、その咆哮にビックリしたことだけは憶えている。なにかこう、背中を押されるような感じだった。けれども、それが具体的にどんな声だったのかというところまでは、サッパリ思い出せないのだ。とにかく、その声は、突然私の心の中に飛び込んできて、暫くそこで踊り続けた。

はいびすかすの咆哮や動き出す瞬間について、克明に書き記すことができな

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はいびすかす乗船。

はいびすかす乗船。

約束は、夕方だった。
時間は、もう、覚えていない。

鹿児島のイオンを出て、産業道路を通って港へ向かった。
一通り手続きを終え、搭乗券を入手。
これでもう、本当に大丈夫だ。

ダッシュボードに券を置いて撮ってみた。
16時55分・・・

ピンクと白に塗られた船が、出発の準備をしている。
いろいろ、出たり入ったり、せわしない。
そばに積んであるコンテナが、だんだんギモーヴに見えてきた。

これから、

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いよいよ、九州。

いよいよ、九州。

厳島神社に強烈に後ろ髪をひかれながらも
下松、富海、佐波川、美東、王司と進み
14時頃とうとう壇ノ浦に到着。

対岸に延びる関門橋を眺めつつ、一休み。
この橋を渡れば、本州とお別れだ。

関門橋は折しもリフレッシュ工事中。
自分自身のことのように思えて、たくさん写真を撮ってしまった。

船も、いろんな種類が通り過ぎる。
普段、海無し県に棲息する私としては
実際に船が目の前を行き交うのはとても珍しく

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