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ラジオの記憶㉛まぶしすぎる経歴のパーソナリティ-----J-WAVE 「ACROSS THE SKY」。

    日曜日の午前中に、リスナーの心に届く声で話をしてくれるパーソナリティが、「J-WAVE」にいたという軽い驚きがあって(少し偏見があって申し訳ないのですが)、たまに聞いていたラジオ番組がある。

 ただ、いつの間にか、その番組を聞く頻度が少なくなり、そして、久しぶりに聞いたら、パーソナリティがかわっていた。このところ、AMを聞く機会が多く、番組が続く限り、パーソナリティは変わらないシステムに気持ちが慣れていたので、パーソナリティが交代することに、戸惑う気持ちになった。

新しいパーソナリティ

役者・映像作家・文筆家として活躍するの小川紗良がナビゲート!

 声は若く、ただ、失礼ながら私自身は誰か分からなかったのだけど、そのプロフィールは、まぶしかった。2023年1月から、パーソナリティになっていた。

 1996年6月生まれだから、もうすぐ27歳。その若さで、3つの仕事をしているのだから、なんだかすごい。まぶしいのではなく、まぶしすぎた。

 自分の、その頃の年齢と比べても意味がないのだけど、こんなにキャリアを積み重ねている人は、ただうらやましく感じた。

知らない文化

 その日、番組の中で、紹介されていた「文化」は、自分の知らないことばかりだった。

 ヘザウィック・スタジオという聞いたことがない建築事務所の話をしていて、だけど、その「作品」をみたら、写真であっても、とても優れているのがすぐにわかるもので、どうして、全く知らなかったのだろうと思うくらいだった。

 さらに、映画の紹介もあった。

 祖母を亡くした8歳の少女が、8歳の時の自分の母親と出会うというファンタジーな設定。これも全く知らなかったが、とても魅力的な映画に思えた。

文化資本

 その紹介された建築家や、映画のことを知らないという事実よりも、そうしたことへの語り方や感想に、そのパーソナリティが10代からの活躍も背景として、そうした文化資本の豊かな中で育ってきた気配がして、改めてひがんでしまった。

 そして、その文化資本の違いのようなものは、生まれた環境や素質で、決まってしまうのだろうか、といったことを勝手に考えて、意味がないのは明らかなのに、うらやましがっている自分が、嫌にはなった。

勉強すること

 自分自身は、いろいろなことに恵まれてはいなかったけれど、それでも、40歳をすぎてから、少しでも教養をつけよう。それで、少しはまともになりたいと思って、それ以来、やっと読書習慣がついたとはいっても、自分でも、その年代から始めたのだから、しょせん、付け焼き刃だし、年齢が高くなるほど、そういう努力はしたとしても、明らかにチャンスが少なくなるのを、分からされるように生きてきた。

 それでも、そういう中で、いろいろと努力や工夫はしてきて、もちろん勉強も続けてはきた。そして、それはまだ足りないのだろうとは思うのだけど、なんだか成果が出ないことに、最近、疲れてきていて、だから、ラジオのパーソナリティのまぶしすぎる経歴を知って、若くて成果を上げていて、それが文化資本の高さに支えられていることに、無力感を覚えたのだと思う。

 その翌週は、気落ちが、少し落ち着いたせいか、さらには、自分が読んだことがある書籍も紹介されていたこともあり、もう少し冷静に聞けたと思う。

 そういう若くして達成した人にしか見えないこともたくさんあるのだから、やはり、その視点で伝えられることは、貴重な情報だと、思えるようになった。

 それは、その番組で知ったことが、どれも、素直に魅力的だったから、だと思う。



(他にも、いろいろと聞いています↓。よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです)。



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