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立派な柿を、いただきました。

 ご近所の方に、「〇〇から、頂いたものなので」という言葉と一緒に、レジ袋に入った柿をいただいた。
 その時は、確か妻は昼寝をしていたと思うので、私が玄関先に出て、手渡され、御礼を伝えた。

 レジ袋に包まれて、中には秋の色でもある、柔らかいだいだい色の柿が3つも入っていた。明らかに立派で大きくて、独特の重さがある。そして、上から見るとやや四角く感じる形だけど、それが硬さではなく、柔らかく、おいしそうに感じる。
 
 すごくありがたかった。

柿のイメージ

 個人的には、秋の果物の中で、柿は、独特のポシジョンを占めている印象がある。りんごや梨や桃や葡萄などとは、ちょっと違った場所にいるように思っている。

 昔は高齢者が食べるものだと思っていた。それから、「桃、栗、三年。柿八年」ということわざの中で登場をして、それは、時間がかかるものの象徴のようでもあった。(今回、少し調べたら、この続きにも諸説ありました)。

 さらには、昔住んでいた中部地方では、有名な富有柿という品種があって、そうした土地のせいか、柿の地位は少し高いような気がしていた。(日本の中では60%のシェアを占めていることも初めて知った)。

 そして、その産地のせいか、柿羊羹は、お土産としてよく利用していたような印象がある。竹を縦に半分に割ったものを容器に使っていて、この柿色の半円形の羊羹をよく見かけたせいか、この羊羹は全国的にメジャーなものだと思っていた。

 社会人になって、今度はゴルフのクラブの材料として柿に接するようになった。ドライバーのヘッドの素材で、30年くらい前はパーシモンが使われていて、それは柿の英語表記だった。当時は、その硬さからメジャーな素材だったが、金属製のヘッドが主流になると、パーシモンのドライバーはほぼ姿を消した。

庭の柿の木

 今はすでに20年以上住んでいる家の庭に、柿の木がある。
 だから、毎日のように柿の木を見ている。

 秋になると、葉っぱがいろいろな色に紅葉し、落葉する。それを、妻が拾って、並べてくれたりするが(リンクあり)、その柿の実は渋柿だから、枝からとっても、軒先にぶら下げて、干し柿にしないと食べられない。ただ、見た目は、今もそうだけど、きれいなだいだい色で、美味しそうに見えて、色付くと、鳥は食べて、どんどん減っていくが、でも、人間がそのまま食べると渋い。

 だから、そのまま食べられる甘い柿をいただくと、自分の庭にあるものとは、まったく別物であって、当たり前だけど、うれしい。

 ご近所の方からいただいた、立派な柿の入っていたレジ袋には、マジックで「〇〇ちゃん」と書いてあった。それは、いろいろな人におすそわけをするためでもあるのだろうけど、その呼び名は、妻が、この町に住み続けて、子供の頃から同じように呼ばれていて、こうして、いろいろなものをいただいたり、時々、こちらからも差し上げたり、長い時間、妻が、ずっとご近所の方々と交流がある象徴が、「〇〇ちゃん」だと思えた。

妻の柿に対する気持ち

「景色の一つだと思う。秋になると、葉っぱが落ちて、だいだい色の実がなっている。
 うちでだけでなくて、電車の中から見たり、歩いていて、あちこちで見る。
 種類の差かもしれないけれど、葉っぱが落ちて、枝に実だけがあるから、すごく目立つ柿の木もある。そんな柿を見て、秋の景色だと、思う。

 我が家としては葉っぱが楽しみだし、うちは、渋柿で一工程必要だから、すぐにおいしそう、というのではなく、だから、他の場所で実っているのを見ても、これは渋いのか、そうでないのか、と思ってしまうけれど、秋だなあ、と思えて、やっぱり柿の木が好きだと思う。

 今回、いただいた柿は存在感に圧倒された。なんか、一級品といわれるものを初めて見た気がする。立派な柿で、最近はサラダに入れたりもするけど、そのまま食べた。独特の甘さもあって、おいしかった」。

柿の実

 今年は、庭の柿の木は、最初に色づいた柿の実は食べられてしまったりもして(リンクあり)、そのあとも、色付くのがちょっと遅く、まだ取るには、ほんの少し早い、と妻に言われている。

 うちにある高枝切り鋏の切れ味はあまりよくなく、なかなか切れず、枝をはさんでからも、伸ばした棒を左右にグワングワン降らないと切れないので、とることを考えると、ちょっと憂うつな気持ちになる。

 だけど、渋柿にもかかわらず、とった柿を渡すと、喜んでいただいた上に、むいて、つるして、甘い干し柿まで作ってくれるご近所の方が、いらっしゃる、という話を聞くと、なんとかとりたいとは思う。

 柿の色が濃くなっていくと、秋が深まっていき、季節が変わっていくのを、教えてくれる気がする。


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「コロナ禍日記 ー 身のまわりの気持ち」② 2020年4月  (有料マガジンです)。


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おちまこと
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