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テレビについて㊻そろそろ「大司法」、もしくは「大警察」、「大病院」というスペシャルドラマが制作されてもいいのではないだろうか。
ドラマで人気が出ると、しばらく経ってから映画化されて、それと共に、スペシャルドラマが放送されて、そのドラマのストーリーが映画に続いていく。
そういうパターンは、何度か目にすると、今は有効な方法と考えられているのだろうか、と思うと、微妙にもやもやすることもある。
ドラマのコラボ
それでも、スペシャルドラマを見て、けっこう楽しんでいたのだけど、その中で、今放送中の番組の中の役柄のまま、出てきた人もいた。それは、「女神の教室」で主役をする北川景子だった。どちらもフジテレビ系のドラマで、司法の世界の設定だった。
そうしたドラマのコラボというようなことは、ここ数年で少しずつ増えてきたような気がする。「MIU404」というドラマと、「アンナチュラル」がコラボした、ということも話題になった。どちらもTBS系で、警察界のドラマだった。
今も放送されている「警視庁アウトサイダー」では、コラボというには、少し無理があるのかもしれないけれど、主演の刑事役の西島秀俊が、刑事ドラマであった「はぐれ刑事純情派」や、「大都会」への憧れを隠さない姿を見せている。
最近は、同じジャンルのドラマ同士が、コラボすることが増えてきているように思う。
『大甲子園』
今、考えれば不思議で独特な存在だと思うけれど、野球マンガしか描かない水島新司は、当然のように高校野球を舞台にした作品がいくつもあった。
もっとも有名なのは「ドカベン」だったのだけど、それぞれの作品では主人公たちだった人物が、夏の甲子園大会に集まってくる、という設定が『大甲子園』だった。
それは、一人の作者が描いていたから可能だったのだろうけれど、今でいえば、ハリウッド映画で、さまざまな作品のヒーローが総出演するのが「アベンジャーズ」や「ジャスティスリーグ」のシリーズなのだから、注意深く、質を高くすれば、観客にとっても幸せな体験となり、興行的にも成功できることなのは間違いない。
『大司法』
例えば、「イチケイのカラス」と「女神の教室」のドラマのコラボが行われた時に、もう一つ思い出したのが「HERO」というドラマだった。
この司法の世界を舞台にしたドラマにも、北川景子は出演していて、だから、この時の役とも同じ名前で「女神の教室」にも出演すれば、さりげない「HERO」とのコラボになったのに、などと思った。
というよりは、ドラマの中で、司法の世界を扱うことはそれなりに多いのだから、少なくとも同じ系列のテレビ局のドラマだったら、どれも同じ世界に属していることにすれば、さまざまな時代にドラマを見ている視聴者にとっては、想像もふくらむし、昔の視聴者を、今のドラマに誘導できるのではないか、と思った。
そして、たまにでいいので、その主人公たちが一度に出てくるスペシャルドラマを制作する。仮タイトルとしては「大司法」ということになるのだろうけど、そんなことはできないだろうか。
スペシャルドラマで無理ならば、映画化でもいいのだけど。
大警察
さらに想像すれば、すでにコラボが始まっているのだろうけど、TBS系の警察系のドラマは「MIU404」と「アンナチュラル」だけではなく、「SPEC」や、個人的には大好きだった「ケイゾク」もあるのだから、かなり広く、独特の世界になりそうだ。
このドラマたちの主人公が集まるスペシャルドラマのタイトルは「大警察」(仮)のような感じになるだろうか。
それよりも、視聴者としては、テレビ朝日系の方が、刑事もの、もしくは、警察もののドラマは、昔から、かなり数多く放送してきた記憶がある。
放送している「警視庁アウトサイダー」の中で、暗示されている「はぐれ刑事純情派」だけではなく、長寿シリーズの「相棒」もあるので、もしかしたら、TBS系よりも広い世界を形成していそうだけど、これは「大刑事」(仮)のようなタイトルになるだろうか。
そして、もちろん「太陽にほえろ!」などを放送していた日本テレビ系でも、そうした「大警察」といったスペシャルドラマは、可能だと思う。
大病院
病院を舞台にしたドラマも多い。
「ドクターX」は長く放映されていたし、同じ制作スタッフで制作された「トラベルナース」もあるし、最近では「PI C U」もあったし、放射線科が舞台になった「ラジエーションハウス」など、私が知らないだけで、数多い医療系のドラマもある。
場合によっては、テレビ局系列の枠を超えたスペシャルドラマになるかもしれないが、これは「大病院」(仮)ということだろうか。
大きな世界
そんなオールスタードラマを、見てみたい。
テレビはそれだけの蓄積と歴史を積み上げてきたことが、そういうことで、より明らかになるのではないだろうか。
全部のドラマの主役が出ることは、そんなに数多くなくてもいいのだろうけど、どのドラマもつながっている、ということが示されれば、もし放送されていなくても、視聴者が、想像力で、それぞれのドラマの時間を進めてくれるのだと思う。
私が思いつくのは、能力の限界もあり、これくらいなので、他にも、さまざまなジャンルのドラマで、それぞれ「大〇〇」は可能で、そのことで、限界や制約もできるかもしれないけれど、テレビという大きなジャンルの総力を使うという意味でも、有効ではないだろうか。
テレビの視聴率が下がっている、テレビ離れが進んでいると言われている時代だからこそ、過去のドラマという遺産を有効に使うという意味でも、そうした大規模なドラマのコラボ、というか、大きな世界を意識して制作することを始めてもいいのではないか、と思っている。
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