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「3連休と、14週連続感染者増加」。2023.7.15.

 蒸し暑いのは、起きてから、すぐにわかった。
 でも、天気は曇り。

 35度を超えるような、もの凄い暑さではないのもわかる。


高校

 午前9時前に家を出る。

 向こうから、男子高校生らしき姿が近づいてきて、微妙に不安そうな顔のまま、話しかけられる。「◯◯高校はどこですか?」。あまりにも、知っている名前で、ちょっと戸惑う。

 てっきり、そこの高校生かと思ったが、ここから50メートルもない、その高校のことを伝える。木が茂っていて、うんぬん、という余計なことを言ってしまったので、もっと短く、わかりやすく伝えられたのに、と恥ずかしくなる。

 駅までの道で、人とすれ違う。

 マスクをしていない人の方が、多いような気がする。

電車

 駅のホームで待っている人も、ノーマスクの人が増えた。

 電車に乗って、車両は空いていて、マスク着用率は5割を切ったかもしれない。

 駅に止まるたび、人が乗ってくる。マスクをしている人は少ない。

 若い男女と、小学校低学年くらいの男の子と、もう少し小さい女の子の、おそらくは4人家族が、マスクをしないで、乗ってくる。

 楽しそうだった。

 近くに、すごくセキを続ける高齢者がいて、その人はマスクをしていたけれど、思わず、少し遠いところへ移動してしまった。

3連休

 終点で降りるときに、久しぶりに、人の波を感じた。

 人が多い、と思った。

 子ども連れと、スーツケースやキャリーケースが目立つのを見て、今日から3連休だと改めて気がつく。

 電車を乗り換える。

 改札のそばのアルコール除菌のポンプを、今日も、一人しか使っていなかったのだけど、いつもの机の上の「枠」から大きくずれている。だから、ポンプを使ったあとに、その「枠」に戻す。

 さっきの4人家族が、知り合いと駅の構内で会ったらしくて、その会話から「新幹線」という単語が聞こえてくる。

 もしかしたら、バカンスに行く人はマスクをしなさそうだから、今日は特に着用率が下がっているのかもしれない。

新幹線

 電車を乗り換える。

 今日も、窓は閉まっている。今年の夏は、もう窓は開かないのだろう。

 ドアの上の小さい画面に、電車の情報が流れる。

 秋田新幹線は、大雨の見込みで、運休のお知らせ、という文字が見える。

 車内は静かなまま進み、目的の駅に着いた。

セミの声

 改札を出たら、待ち合わせをしているらしき人が多い。

 向かいの改札の隅にあるアルコール除菌ポンプを、一人で使う。

 蒸し暑い。

 駅の外へ出ると、少し日がさしてきた。

 道路のそばのサルスベリの木に花が咲いていて、赤と、ピンクと、白と、いろいろな色があるのを知る。

 急に、セミの声が聞こえてきた。
 大きく響く。何種類かの声が混じる。

 なんの前触れもなく、急に夏が始まるような気もする。


定点把握

「5類移行」後は、感染者数も全数を発表するわけでもなく、急に「定点把握」という方法になった。それは、一週間に一度発表されているにしても、その数字の意味するところが、よくわからない。

 それが、以前の全数把握と比べて、どのように違うのか、といった説明も丁寧にされた記憶もないから、その数字の意味するところが、理解できていない。

 だから、今も持病を持つ家族がいたりして、感染予防に気をつけるとしたら、先週と比べて、増えたのか減ったのか、というところに注目していくしかない。

厚生労働省によりますと7月9日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から9361人増えて4万5108人となりました。

また、1つの医療機関あたりの平均の患者数は9.14人で前の週の1.26倍となりました。前の週から増加が続くのは14週連続となります。
7月8日で、新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に移行して2か月がたちましたが、今回発表された7月9日までの1週間と、5類移行直後の5月14阿日までの1週間を比べると3.48倍となりました。

(「NHK首都圏ナビ」より)

 淡々と伝えられているけれど、「14週連続」で増加するというのは、実は大変なことに思える。

厚生労働省
「全国的に緩やかな増加傾向が続き、特に九州や中国、四国では前の週より増加幅が大きい県が多く、また沖縄県では前の週よりは減少したものの依然として高い水準が続いている。引き続き感染状況を注視したい」

(「NHK首都圏ナビ」より)

 14週連続ということは、かなりの増加傾向だと思ってしまうが、それに「穏やかな」という形容詞をつけるのは、あまり大したことがない、という事実なのか、それとも、おおごとではないと印象づけたいための意識的な選択なのかも、わからない。

 そして、「注視したい」という、やや他人事のような言い方は、やっぱり不安がふくらむだけだ。

都庁で感染症の対策会議が13日に開かれ、この中で、都内の新型コロナの感染者数について公表されました。

それによりますと、定点把握の対象になっている都内419の医療機関のうち、416か所から報告があり、感染者数は7月9日までの1週間であわせて3152人で、1医療機関あたりでは7.58人となりました。前の週の6.85人の1.1倍と、3週続けて増えています。

(「NHK首都圏ナビ」より)

 東京都でも、増加傾向は続いている。

東京都医師会の猪口正孝顧問は、「感染者数は緩やかに増加している。夏休みは人の往来が増える時期で、高齢者への感染の機会を減らすことが重要だ」として、重症化リスクの高い高齢者に接触する場合は、状況に応じてマスクを着けるなど基本的な感染対策をとるよう呼びかけました。

(「NHK首都圏ナビ」より)

 以前は、高齢者や持病を持つ重症化リスクの高い人たちへの感染を防ぐためには、実際に接触する時に気をつけるだけではなく、何しろ、全体の感染者数を増やさないことがポイントと言われ、感染予防対策の努力をしてきたのだけど、今は、その「全体の感染者数を増やさないための日常的な努力」は呼びかけなくてもいいのだろうか。

「5類移行」以来、コロナ感染を防ぐ、もしくは減らすために対策をとる、というよりは、コロナ感染の現状が分かりにくくなるような方法ばかりを選択しているように見えるのだけど、それは考えすぎなのだろうか。

 不安な夏が近づいている。

夕方

 午後4時過ぎに屋内での用事が終わり、外へ出ると、蒸し暑いのが続いている。

 蒸し暑い夕方になった。

 朝降りた駅へ、再び向かう。

 その途中ですれ違う人たちの中に、小さい扇風機を持って風を顔にあてている人は、増えたように思う。

マスク

 コロナ禍になって4度目の夏が近づいていて、気温も上がりつつある。

 梅雨も、もうすぐ明けるはずだ。
 そこに向けて、マスクをしていない人が増えてきたように感じる。

 駅に着いて、電車が来て、電車に乗る。

 車内は空いていて、そして、マスクをしている人は、半分以下にも思える。

 本当に、3連休だからかもしれない。

ニュース

 ドアの上の小さな画面にニュースが流れる。

 小田急殺傷事件
 小型ロケット 「イプシロンS」
 原発処理水 放出
 米供与のクラスター爆弾
 経口避妊薬
 ラベンダー 見ごろ

 静かなまま電車が進む。

 さらに、スポーツや、一般のニュースも流れていく。

 目的の駅に着く。

 乗り換えるとき、改札のそばのアルコール除菌は、夕方も、一人だけが使っている。

 次の路線に乗り換える。

 窓は開いていない。

 自宅の最寄りの駅に着く。

 降りる頃には晴れてきた。



 


(他のことも、いろいろと書いています↓。もし、よろしければ、読んでもらえたら、うれしいです)。



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