湯山玲子33

著述家、プロデューサー、おしゃべりカルチャーモンスター。著作は『女ひとり寿司』『四十路…

湯山玲子33

著述家、プロデューサー、おしゃべりカルチャーモンスター。著作は『女ひとり寿司』『四十路越え!』『男をこじらせる前に』等。クラシック音楽の新しい聴き方を提案する「爆クラ」、ファッションブランド「OJOU」などを主宰し、大学で教鞭をとり、TVコメンテーターも務める働き者。

最近の記事

「森の中のピアノ 坂本龍一の音楽とともに」宮崎県・諸塚村×爆クラアースダイバー ご報告です。

「森の中のピアノ 坂本龍一の音楽とともに」宮崎県・諸塚村×爆クラアースダイバー、先の日曜日、無事終了しました(帰ってから、別件が団子状態でやっと今、ご報告できるナリ。ゆえに長文ご容赦)。クラシック音楽を自然の中に放つというコンセプトの爆クラアースダイバーですが、コロナ禍の雌伏を経た第5回目にして、やっと完成形に近い形ができた、という実感あり。やっばり、物事には時間と経験が必要ですねぇ。ちなみに、このノウハウだけで、新書一冊は書けるね。そうそう、日藝や家政の授業でやっとこうかな

    • 坂本龍一さんとのこと。

      坂本龍一さんが逝去されました。坂本さんと、月刊誌ゲーテの『男女口論』という対談連載で毎月のようにお目にかかって、食事していたのが10年前。人生の中では、とある期間非常に濃密な関係になる「人別ディケイド」がありますが、2010年アラウンドはまさにそういう期間でした。3.11以降、坂本さんは、社会運動におけるアイコン的存在にもなり、私は爆クラというクラシック音楽の新しい聴き方の提案という新しい領域に入っていきます(坂本さんは2回ほどゲストで登場していただきました)。坂本さんが音楽

      • 私がファンになった最大級の才能 追悼・バート・バカラックさん

        ああっ、ついにこの日が来てしまった……。20世紀が生んだ音楽における最大級の才能のひとり、バート・バカラック御大が先週、94歳で天国に召されてしまいました。 思えば、小学校3年生時分。禁足地であった父親の仕事&オーディオ部屋に侵入し、1967年リリースの『リーチ・アウト』というアルバムの1曲目に針を落としたときからワタクシのバカラック沼住人は決定したのです。 このアルバム、何でも、知り合いの作曲家が(確か、合唱曲『チコタン』の作曲家、南安雄さんだった、と強い記憶がある)「こ

        • 追悼・高橋幸宏さん 彼のドラムのルーツ、「ザ・バンド」リヴォン・ヘルム、YMOのバンマス感、繊細と洒脱と男気との骨太さの同居について

          高橋幸宏さん、R.I.P。新年早々に悲しい知らせが飛び込んで来ました。合えば、ご挨拶させていただくほとの、仲だったのですが……。何度か私にとって大変に濃密な時間を過ごしたことがあり、そのことを追悼の意を込めて書いてみようと思います。 幸宏さんとは、YMOがパルセロナのソナーミュージックフィスティバルにて再結成したときに、雑誌『SWITCH』のお仕事でロングインタビューしたことがあり、その時の印象が意外にも、バンマス(バンドマスター)感だったことに驚いたことがありました。なぜ

        「森の中のピアノ 坂本龍一の音楽とともに」宮崎県・諸塚村×爆クラアースダイバー ご報告です。

        • 坂本龍一さんとのこと。

        • 私がファンになった最大級の才能 追悼・バート・バカラックさん

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          コシミハルさんとタップダンスに行ってきました。

          11月、シネマヴェーラ渋谷で行われたジュディ・ガーランド生誕100年記念のトークショーでご一緒した、コシミハルさんとその後、ディナーをご一緒したときに、ついつい、「フレッド・アステアとジュディは神!!」という話になり、その神に近づくためには、もう、タップダンスしかない。私たちもやるしかない」、と酔っ払って息巻いていたら、後日コシさんから、レッスンのお誘いが。 なんとジャズ評論家のレジェンド、故・瀬川昌久さん(ミュージカルにも精通していらした)から紹介されていたという名伯楽の

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          〈Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022〉を観ました

          やっぱり、書いておこう。12月12日(土)に行われた〈Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022〉のストリーミングですが、私は24時からの真夜中スタートと、明け方に、これもう一度観た方がいいな、というので、朝6時からの回の2度観を決行しました。 ガン闘病中の中、「この形式での演奏を見ていただくのは、これが最後になるかもしれない」という状況下のコンサート・ストリーミング。個人的にもある時期、非常に親くかつ濃厚に交流していたので(雑誌『ゲー

          〈Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022〉を観ました

          13代目團十郎(海老蔵)の襲名披露、8代目新之助(勸玄)の初舞台の11月吉例顔見世大歌舞伎に行ってきました。

          「勧玄。おそろしい子!!!!」と、思わず『ガラスの仮面』における月影千草センセイ級の言葉が口をついて出て来てしまったのが、現在、後半に突入した13代目市川團十郎白猿襲名披露興行歌舞伎の11月公演。昼夜デュアルのハードスタッフで、観てきました。(けっこう最近、バタバタしていて、やっとこのレポートを書いているなり) 歌舞伎きっての大名跡、市川團十郎の襲名披露にはご縁がありまして、先代12代目の襲名披露公演ももちろん観ております。観ているどころか、大いに興行に関わっている。なぜな

          13代目團十郎(海老蔵)の襲名披露、8代目新之助(勸玄)の初舞台の11月吉例顔見世大歌舞伎に行ってきました。

          最高峰のソプラノ、ナタリー・デセイ様、2022年11月の来日コンサートに行ってきました

          史上最強の歌姫のひとり、ナタリー・デセイのコンサートに行ってきました。この秋は、春風亭一之輔といい、デセイといい、30過ぎて遊びを覚えた優等生エリートのごとくのこっぱずかしいハマり方をしていてby YouTube、何ともはやでござる。Life is short!! きっと同様の文化アイテムがまだまだたくさんあるんだろうなぁ。 デセイ様は、生外れた歌唱テクと演技力のふたつを兼ね備えた天才でして、すでにオペラからはリタイヤしていますが、ピアニスト(この男フィリップ・カサールも大

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          ヘンデルのバロックオペラ『シッラ』と歌舞伎モチーフ演出の相性について

          ヘンデルのバロックオペラ『シッラ』を観にに行ってきました。ワタクシのオペラメンターでもある加藤浩子ちゃんのリコメンが週末に入り、けっこう仕事パツパツなのに、それらを放り投げて、神奈川県立音楽堂まで行ってきました。バロックオペラの本格上演は日本ではレアなのですよ。 古楽のアンサンブル・オケを使った、バロックオペラに関しては、バリ・オペラ座でラモーの『イポリットとアリシー』体験が強力で、その書き割り感覚な美術や、映画監督ケン・ラッセル作品を髣髴させる、血なまぐさくもある世界観が

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          電気グルーヴ!! テクノサウンドに日本の抒情が差し込まれていく境地について

          電気グルーヴの公演を観に、みなとみらいにある、ぴあアリーナMMに昨日行ってきました。 瀧さん薬物逮捕事件、コロナ禍を挟み約3年ぶりのコンサートだったのですが、改めて電気グルーヴの音楽のワンアンドオンリーの特殊性と素晴らしさを実感した夜でした。 電気グルーヴの音楽は、日本では残念ながら大衆音楽文化にはなりえなかったテクノ/クラブバーティーカルチャーにおけるグローバルな質とセンスを保ったサウンドが軸になっています。彼らの音楽はきっちりと文化背景も取り入れた上でのテクノであり、

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          フィリップ・グラス『浜辺のアインシュタイン』という山脈の登り方

          フィリップ・グラス作曲の現代音楽オペラの金字塔『浜辺のアインシュタイン』を神奈川県民ホールに観に行ってきました。初出は1975年、作曲のフィリップ・グラスはミニマルミュージックの巨匠。演出のロバート・ウィルソンは画家、彫刻家、音響・照明デザイナーの顔ももつ実験的な演出家ということで、作品は神格化され、YouTubeでは、様々な演出舞台が上がっていますし、心ある文化系はオリジナルメンバーによるDVDを持っているはず。 もちろん、大きく期待して行ったのですが、結果としてはかなり

          フィリップ・グラス『浜辺のアインシュタイン』という山脈の登り方

          スティーヴ・ライヒのマスターピース公演@「あいち2022」国際芸術祭に、ライヒのチャーミングな「持ちテクスチャー」を見た

          あまりナマで聞く機会がない、現代音楽の雄、スティーヴ・ライヒのマスターピースを集めたコンサートがあるというので、「あいち2022」国際芸術祭に行ってきました。会場は名古屋市芸術創造センターのホール。草月ホールにも似た70年代テイストのナイスベニューであります。 ちなみにホテルは駅裏のチサンイン。これまた、新宿のニュースカイビル好きならば垂涎の円形ヴィンテージ建築バリバリのホテルで、このツインに泊まるのがワタクシの名古屋流儀。ライヒ自体の変形空間。 まずはミニマルミュージッ

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          ジョジョ風に言えば最強スタンドをお持ちの俊英指揮者、クラウス・マケラとブライアン・イーノによる京都の陰翳礼賛

           人生にそうそう現れない「素晴らしい音楽日」がこの週末土曜日。クラウス・マケラ指揮の都響@サントリーホールでショスタコーヴィチ交響曲第7番ハ長調「レニングラード」→京都京都中央信用金庫 旧厚生センターで開催中の<BRIAN ENO AMBIENT KYOTO>のインスタレーション。鯖江の出張に合わせて(今、現地のメーカーさんととんでもなくカッコいい老眼鏡をつくっているのです。乞うご期待!!!!)、京都に前乗りして、やっと夜半帰宅なり。  さて、クラウス・マケラ。若干26歳!

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          『シン・ウルトラマン』を、ジェンダー、ユーモア、セクシー、黒船で語ってみました。

          映画『シン・ウルトラマン』を封切りそうそう観てきました。 【以下、ネタバレ含んでいます】 オンタイム体験のジャミラ恐怖 さて、ワタクシにとって原本の『ウルトラマン』は小学校低学年時、『ウルトラQ』の流れからまさにオンタイムで観ていた重要番組。オタクのみなさんと同様、完全に「イメージの神格化」が行われている作品なのです。放映翌日月曜日の教室は、語り部が乱立する興奮状態(当時、飲み屋でもないのによくあれだけ盛り上がったもんですよ)。 水のない惑星に不時着して、適応のため怪獣

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          映画『ゼロ・グラヴィティ』を実感する、ワンアンドオンリーのウォーターセラピーを受けてきた件

          5/3の爆クラフェスの後、GW後半は葉山に逃避行。そして、そんな折にも驚愕の体験をしてきましたよ。日本ではまだ施術者数人(東京はふたり)である、ドイツ仕込みのアクアセラピー(この名称は今考え中とのこと)の関係者トライアルが、ワタクシが部屋を借りている海辺の邸宅の庭プールで行われる、っていうんで、急遽モニター立候補してきました。 体験の様子のムービーはコチラ https://www.facebook.com/1263113080/videos/1227685021392186

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          「爆クラは100回なのだクラブ耳クラシック&現代音楽フェス」ソウカツなのだ。

          「爆クラは100回なのだクラブ耳クラシック&現代音楽フェス」無事、5/3(火・祝)に大成功のうちに終了しました。渋谷PARCOの屋上とカフェスペースのComMunE、9FのSUPPER DOMMUNEスタジオの3ヶ所、15:30〜23:00、約7時間半の長丁場を泳ぎ切りましたよ!! 昨日、一昨日とさっきまで、マッサージ&酵素風呂&大睡眠で、完全復活したので、4000字の長文、いきまっせー!!! ●イントロ 「湯山さーん、5月で爆クラ100回でしょ? GWにDOMMUNEとP

          「爆クラは100回なのだクラブ耳クラシック&現代音楽フェス」ソウカツなのだ。