短編小説『チーズケーキがいい』
家から徒歩3分の小さな商店街に、ケーキ屋がある。徒歩圏内のケーキ屋はここだけ。チーズケーキがとても美味しくて、時々買いに行く。
濃いめのチーズで、硬め。太陽を切り取ったような、色とあたたかさ。味はしっかりと強いのに、儚い優しさもある。
このチーズケーキには、深煎りのコーヒーが合う。同じ商店街の喫茶店で買った、モカブレンド。チーズケーキと私のためにコーヒーを淹れる。白いマグカップにたっぷりとコーヒーを注ぐ。
白いマグカップなんて、私は絶対に買わない。コーヒーで茶色くなりそ