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印象操作に流されてたまるか

皆さまこんにちは。

本日『ファクトフルネス』を読了しました。

現在の印象操作、私たちの思い込みがどれだけ根深いものかを指摘くれる一冊です。

クマとDV

私も端くれですが「伝える側」に立っている時があります。「思い込み」でものごとを伝えていないか、常に自らを省みなければいけないと思い知らされます。

最後のほうで著者はこう書いています。

「いくら良心的な報道機関でもあっても、中立性を保ってドラマチックでない世界の姿を伝えることは難しいだろう。そんな報道は、正しくても退屈すぎる。(略)世界を理解するのにニュースは役に立たないと気づくかどうかは、わたしたちにかかっている」

その一例として、2つのニュースを比較しています。

スウェーデンではクマが人を殺すのは100年に一度あるかないかの出来事。その一方で、女性がパートナーに殺される事件は、30日に一度起きている。頻度の差はなんと1300倍。ところが、DVによる殺人はほとんどニュースにならず、クマによる殺人は大ニュースになったのです。

著者は、ファクトフルネスをする利点を最後に2つ挙げていて、そのひとつとして、心が穏やかになることを挙げています。そして「ドラマチックな見方はあまりにも後ろ向きで心が冷えてしまう」とも語っています。

「クマが出た」は視覚的にも衝撃度としても、訴える強さは充分です。本来はどちらも同等に取り上げることが中立性につながりますが、インパクトで訴えなければならないメディアは、同等には取り扱えない事情が生じるのです。似たような事例は日本にもたくさんあるような気がしてなりません。

世の中にはありとあらゆる「印象操作」があります。その代表的なものがおそらくテレビでしょう。日中のテレビ放送は悲壮感をあおるだけ、という感覚さえあります。

この本の著者は医学界に携わっています。「子供の生存率が伸びる理由の多くは、病院の外にある」と書かれていますが、これも重要なことを示唆していると感じました。

謙虚さと好奇心を持つこと

私は、とある競技で日本一になった方から聞いた言葉を忘れることができません。

その方は、ある大会で準優勝になりました。その数年後にその方と世間話をしている途中、その方は後輩から「その技ってどうやるの?」とダイレクトに教えてもらったというのです。

「えっ! トップクラスの人が後輩に尋ねるのか」

と、当時は衝撃を受けましたが、その後も似たようなケースは続き、トップクラスにいる人は、「分からないものは分からない」とはっきり言い、教えを請う謙虚さと好奇心があることを知りました。

だから私も(私こそだと思いますが)知らないことはたくさんありますので、年下の人でも構わず分からないことは聞くように心がけます。むしろ、子どもたちのほうから学ぶことのほうが多いと感じます。

ただ、知りたいと思う分野が結構限定的なのが私の欠点です。

なおかつ、謙虚さまで消えてしまうときも多々あります。よほど気をつけて生活しなければと思いました。

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

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