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【ただの日記】騒がしいホワイトデーの休日

今日はホワイトデーだ。

この日記を読んで貰えれば分かるのだが、僕は男友達の彼女からバレンタインチョコを貰った。彼氏の友人代表としてなのだろう。

それから1ヶ月たった今日、その男の友人と立川で会うことになっていた。

僕はお返しをしなければなぁ、とずっと考えてはいたのだが、気づけばホワイトデー前日になっていた。時の流れは早いのだ。
自分が何も準備していないことに前日の夜に気づき、明日買うお返しの品を必死に考えた。
計画性のない男である。

しかし、友達の彼女の性格は全くしらないため、お返しとしてなにが適するのかがわからなかった。

普通にチョコを返しても良いのだが、友人代表としてのプレッシャーが少しあった。
普通すぎかもしれない、ダイエットしてるかもしれないと考えると、食べ物以外を目星にしたほうが良さそうだと考えた。

いろいろと考えた末、紅茶の茶葉をプレゼントすることにした。

紅茶にはリラックス効果があるらしいため、同棲してから喧嘩ばかりしている二人には中々良いかなぁと考えたのだ。貰って嬉しいかは謎だが。

いずれにしても無事に、ホワイトデーの返しの検討がつき、僕は眠りについた。
ホワイトデー当日、いろいろと書くことがあるので目次を付すことにする。

1、紅茶とお尻

集合時間の一時間前にルミネの一階で紅茶の店を探す。

スマホで調べた通り、紅茶の専門店があった。

専門店に着き、たくさんある紅茶の種類を目の前にして、それぞれの説明書きを読んでいた。
すると、女性の店員さんが話しかけてきてくれた。

「なにかお探しでしょうか。」
「えっと、プレゼント用なんですけど、おすすめの茶葉ってありますか?」
「かしこまりました。こちらなんてどうでしょう。」

店員さんは、次々に茶葉の香りを嗅がせてくれて、説明を加えてくれた。流石プロ、説明がわかりやすい。紅茶と一言で言っても、香りや味がそれぞれ違っているらしい。初めて紅茶の個性を知り、僕自身勉強になった。

最終的に、店員さんの説明を踏まえて、
ミルクティーに適した香りのある茶葉と、花の香りがして、寝る前に飲めるノンカフェインの茶葉の二つを選んだ。
そして、店員さんに「この二つをください。」と伝えた。

ここで、少し問題が起きた。

読んでるそこの君に呆れられる前に断っておくが、僕はアホなのである。


店員さんが突然「ティーバックにしますか?」と訊いてきた。

僕は困った。
「……ん、ティーバック?」

僕は「Tバック」しか浮かばない。

なぜここにきて紐パンツ?
Tバックにしますか?とそんな真っ直ぐな目で言われても。と、一瞬にして思った。

しかし、僕の頭にあるハテナマークを感じたのであろう店員さんはその物体を持って、間髪入れずに言った。
「はい。ティーックにもできます。」
やけにPの発音が強く感じた。

店員さんの手には茶葉の入った小さな袋。
リプトンとかでよく見るパックである。

僕は全てを理解した。
自分の恥ずかしい勘違いと同時に。

僕は一瞬で自分の愚かさを悟ったが、それを隠して「最初から分かってましたよ」とばかりに、「うーむ、どうしよう。ティーックにしようかなぁ」と発音を良くして、考えてるふりをした。
小さな人間である。

マスクの下では笑いを堪えるのに必死だった。

結局、ティーパックの茶葉を選択し、会計を済ませると、梱包をする間、店内を見て待っててくれと言われたので、言われた通りに店内を見回す。

すると、小さな紙で「tea bag」と書かれているのを見つけた。僕は、「え、tea packじゃないの?」と思ったのだが、そんなことを考えているうちに梱包が終わり、店員さんが商品を渡してくれる。
僕はその疑問を訊くことなく、店を後にした。

「tea pack」か「tea bag」。
どっちが正解かは未だにわからないが、
もう二度と「T-back」とは言わないと一人で誓ったのだった。

2、恋愛と同棲

僕は友人と13:30に集合して、カフェに行くことになった。

いろいろな話をした。
Tバックの話にはならなかったが。

少し経ったタイミングで、同棲生活は順調に進んでいるのかと訊いた。

楽しいし、順調らしい。

ただ、不満もある様子だった。
ご飯以外は全部その友達の仕事で、仕事が終わって帰っても家事があるし、彼女のだらしなさを見ると疲れることがあると言っていた。

また、実家暮らしをしながら地元で遊んでいた時の方が楽だし、面白かった。とも言われた。
地元で遊んでいた時の方が楽しいと言われることは嬉しいが、二人の同棲を応援している気持ちから、こればっかりは残念に感じた。

友人の話を聴きながら、自分もいつか同棲する日がくるのかなぁなどと考えながら、同棲経験の後輩として先輩の話を聞きていった。

その後も、なんやかんや、話をして、ブラブラして、18:00になった。友達は車で帰るようだ。

思い出の紅茶が入った紙袋を友人に渡し、僕らはお別れをした。

3、帰宅できない。

18時少し過ぎ。僕は電車に乗ろうとした。

すると電光掲示板に「遅延」「運転再開未定」と表示されていた。ついてない。

ネットで調べたところ、電車がすぐに動くものではないと知った僕は、立ち飲みの居酒屋で時間を潰すことにした。

入ったのはカウンターしかないたこ焼き屋だった。時間潰しにはピッタリだ。

店に入ると、店員さんが慣れた手つきで、おしぼりとメニューをセットしてくれた。

僕は、服に匂いが付かないか気になったが、
上着をハンガーにかけ、普通にたこ焼きを注文した。

お客さんは僕を含めて三人。店員さんも三人。
僕以外の客二人はお互いに初対面なようだが、和気藹々と会話をしていた。

僕は、それを他所に、Twitterで電車の状況を調べていた。しばらくすると、店員さんの一人が僕に話しかけきた。

「お兄さん、このお店は初めてですか?」

小柄な女性の店員さんだった。

「そうですね、初めてです、なんか電車が止まってたので時間潰しに来ました」
「え、電車止まってるんですね、それは大変ですね、まぁそれまでゆっくりしてってください。」

おお、優しい店員さんじゃないか。

店員さんは気さくな人で、耳にピアスを光らせながら、いろいろと話題を振ってくれた。

僕も一人では退屈だったので、スマホを置いて話をはじめた。

お互いの高校時代や部活の話をしたり、店員さんがこれからやりたいことの話などを聴いた。

世代はどうやら来年度の大学一年生らしい。
大学に期待を覚え、いろいろな経験をしたいんだ!と熱い話をしてくれた。トラックのドライバー、カフェの店員やガールズバーなど、いろいろやりたいそうだ。
やりたいことに溢れていて羨ましい。

有効期限の切れた僕のチケットに対し、その店員さんは新品のチケットを持っているため、非常に羨ましかった。その店員さん自身、良い大学生活を送ってくれることを祈るばかりである。

その後、新規のお客さんも現れず、会話が二人で盛り上がり、気づけば30分近く経っていた。

おっと、そろそろ電車動いたかな、とスマホを見たのだが、まだ動いていないらしい。
Twitterでは、「JRポンコツ過ぎ」「まだ動かねーのかよ」「ほんと役立たず」などと、バッシングのお祭りになっていた。

「まだ動かないのかぁ。」
と思いながら、スマホを置いて、たこ焼きをちょびちょび食べる。そのうち、たこ焼きだけで居座るのも申し訳なく思いハイボールを頼む。

そして、また店員さんと会話が始まる。
割と時間が経ち、スマホをみる。
まだ。動かない。

会話が始まる。
時間が経ち、スマホをみる。
まだ。動かない。

これを繰り返した結果、19:40になった。
JRも動かなすぎだし、僕も動かなすぎである。
もう、店も終わりの時間だ。

店から追い出される前に、会計を済ませた。

1時間半も会話に付き合ってくれたその店員さんは「電車動くといいですね、また来てくれるの待ってますね〜」と言ってくれた。
社交辞令なのかもしれないが、そう言ってくれるのは嬉しいものだ。
「ごちそうさまでした!」と返して店を出る。

駅の改札に行くと、とんでもない人の量で溢れていた。この日の遅延の原因は、信号機の故障という割と大きい問題だったらしい。

女性はみんな紙袋をぶら下げ、スマホをいじっていた。みんなお返しを貰ったのだろう。
そう思ってみると虚しくなった。

僕も、改札前で立ち尽くし、スマホをいじって運転再開を待つ。
すると、アナウンスが入った。
なんと、電車が一時的に動くらしい!!

まもなく発車しますというアナウンスが響く中、僕はホームへと走り、電車に飛び乗った。やっと、帰れるのだ。

こうして、僕の23歳のホワイトデーは幕を閉じた。

やはり、人と話すということは楽しい。
そう実感する日だった。

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