ぶんみ

好きなもの、うさぎの鼻と口。卵焼きの端っこ。緑色。睡眠に入る前の葛藤。 自分の整理整頓…

ぶんみ

好きなもの、うさぎの鼻と口。卵焼きの端っこ。緑色。睡眠に入る前の葛藤。 自分の整理整頓のために書いています。

記事一覧

名前も知らない、彼との話

世界の輪郭が闇に溶けて見えにくい時間は 生活を忘れることが許されるような気がする。 深夜という時間帯はそんなふうに 人をたくさん甘やかして、可愛がって、 そして時…

ぶんみ
2年前
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地獄なんて絶対やだ

救われない話が好きだ。 挫折し蹲っている主人公に手を差し伸べず、 それどころか一層の苦しみに陥れる作者はもっと好きだ。 「フィクションは現実を生きるため」だと と…

ぶんみ
2年前
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枕草子、いとをかし

清少納言のTwitterをフォローしたい。 彼女だったら144字の制約の中にどんな物語を生み出すのだろうか。 私の清少納言との出会いは小学生時代に遡る。 国語の授業での「枕…

ぶんみ
2年前
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ワレハ、ウチュウジンダ!

幼少期の私へ まずは謝罪から。 ごめんね、私、ナウシカにはなれなかった。 そして報告を。 私、どうやらトトロになってるらしいよ。 小さいころの夢はナウシカだった…

ぶんみ
2年前
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Go for it, me‼︎

人生で初めて、西野カナになりたいと思った。 巷で西野カナが人気だった中学時代。ONE PIECEのゾロに絶賛片想い中だった私にとってもちろん彼女はアウトオブ眼中。 「会…

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2年前
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トラビスのすゝめ

たまに、幽体離脱する。 物理的ではなくて、精神的なそれ。 私じゃなくて、「相手の想定解」という名の世界が勝手に私を操作して話しはじめる。そのとき私は「ああ世界が…

ぶんみ
2年前
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パスタ鎮魂歌

大学三年の秋。就活。ゼミ。バイト。頭の中はとっちらかっている。ひとつひとつ取り出して、考えればいいのに、そいつらは一個引っ張り出すと伸びきって絡まったパスタみた…

ぶんみ
2年前
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名前も知らない、彼との話

名前も知らない、彼との話

世界の輪郭が闇に溶けて見えにくい時間は
生活を忘れることが許されるような気がする。
深夜という時間帯はそんなふうに
人をたくさん甘やかして、可愛がって、

そして時折、牙を剥く。

今日の深夜は、カエシのついた刃を容赦なく私に突き立てた。
抜こうとすればするほど、傷口は広がって透明な血がじわっとあふれでる。

無理矢理引っ張ってみる。
あえてちょっと押してみる。
うーん、うまくいかないね。

少し

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地獄なんて絶対やだ

地獄なんて絶対やだ

救われない話が好きだ。

挫折し蹲っている主人公に手を差し伸べず、
それどころか一層の苦しみに陥れる作者はもっと好きだ。

「フィクションは現実を生きるため」だと
とある芸能人がエッセイで語っていた。

頭がもげるくらい頷いた。

私にとって、フィクションは現実からの逃げ場であり、くすんだ精神の浄化装置であり、欲求を満たす場であり、道標。

救われない話が好きだ。

鬱アニメ、鬱漫画。
いわゆるダ

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枕草子、いとをかし

枕草子、いとをかし

清少納言のTwitterをフォローしたい。
彼女だったら144字の制約の中にどんな物語を生み出すのだろうか。

私の清少納言との出会いは小学生時代に遡る。
国語の授業での「枕草子」の暗唱。これは何の意味があるんだ?と思いつつも暗唱できると褒めてもらえるから一生懸命になって覚えた。当時は、「趣」の意味さえ分からなかったけれど。

その後も中学、高校と謎に暗唱させられる「枕草子」。中学では「枕草子」を

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ワレハ、ウチュウジンダ!

幼少期の私へ

まずは謝罪から。

ごめんね、私、ナウシカにはなれなかった。

そして報告を。

私、どうやらトトロになってるらしいよ。

小さいころの夢はナウシカだった。

弟と一緒に怪獣ごっこをして遊んでいたこともあって、やたら好戦的だった幼少期。隙あらば父親の金的にグーパンを食らわせ、はっはっは!と、ウルトラマンのごとく高々と笑う。当時は、戦うことが世界を守る唯一の手段だと思っていた。

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Go for it, me‼︎

人生で初めて、西野カナになりたいと思った。

巷で西野カナが人気だった中学時代。ONE PIECEのゾロに絶賛片想い中だった私にとってもちろん彼女はアウトオブ眼中。

「会いたくて会いたくて震える」こともなければ、「もしも運命の人がいるのなら」なんて、可愛げのあることを思ったことは1度もない。西野カナの音楽ははいわゆる「女の子」が聴くような曲で、わたしには別世界だ、と勝手に線引きをしてしまっていた

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トラビスのすゝめ

トラビスのすゝめ

たまに、幽体離脱する。

物理的ではなくて、精神的なそれ。

私じゃなくて、「相手の想定解」という名の世界が勝手に私を操作して話しはじめる。そのとき私は「ああ世界が喋ってんなあ」と冷静に外側から見ている。後々、自分が発した言葉の荒さに吐きそうになるほど後悔して、絶対に次は自分の意見を言うぞと意気込むけど結局無理。「世界くん」に自分を譲らないとそれはそれで、他者との関係がうまくなりたたなくなる気がす

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パスタ鎮魂歌

大学三年の秋。就活。ゼミ。バイト。頭の中はとっちらかっている。ひとつひとつ取り出して、考えればいいのに、そいつらは一個引っ張り出すと伸びきって絡まったパスタみたいに全部出てくる。口の中にはいりきらないから、かみちぎるしかなくて、結局中途半端。「だったら、パスタが伸びきって絡まってしまう前に、ひとつひとつ解決すれないいじゃない。」、ともう一人のワタシが言う。それができたら苦労しないってば。

「趣味

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