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2021年1月の記事一覧

悪役はつらいよ

まるで平成の滝沢馬琴である。
世間は池井戸潤を欲している。下町の工場がロケットを飛ばしたかと思えばタイヤが空を飛び、ノーサイドゲームに倍返し。ドラマに映画に引っ張りだこの作家は、新作が出れば飛ぶように売れる。
作風は至ってシンプルだ。色恋や伏線は削りに削って、清々しいまでの勧善懲悪。池井戸作品の魅力は、『びっくりするほど憎々しい悪役』にあると思う。嫌味な同僚、パワハラ上司。そんな身近な悪役に思いを

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【リアルな方】よく燃える推しを思う

【リアルな方】よく燃える推しを思う

「それは中傷だ」と言えば「正当な批判だ」と言う。
「がんばれ」と言えば「信者だ」と言う。
「中傷はやめようよ」と言えば「批判がクラブを強くする」と言う。
こだまでしょうか。いや、どこがやねん。なんも合ってないやんけ。

毎年、オフシーズンは肩身が狭い。ま、2020年はシーズン中も狭かったんですけどね。笑えねぇわ。
いつもいつも、どこもかしこも「藤春不要論」が唱えられている。スタジアムで石を投げれば

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20番へ

20番へ

初めて知ったのは、贔屓のクラブに移籍してきたときだ。半年前まで熱心に追いかけていた選手が背負っていた番号が埋まると聞いて、一生懸命ググッたのを覚えている。
彼はどんな選手なのか。どんなプレースタイルで、どういうキャリアを辿ってきたのか。全部調べて天を仰いだ。次はこの人を追っかけるんやろな。直感的に理解した。

わたしの推しは、いつも不思議と悲壮感がある。20番を背負った長沢駿もまた、非常に幸の薄い

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終わらぬ神話

終わらぬ神話

まだ中学生の頃の話だ。
友達づくりと部活選びに大失敗して、筆箱には砂、給食のカレーにはクエン酸が入れられる立ち位置になった。
これはいじめ? いや、いじってるだけっしょ。
やる側と傍観者たちがギリギリ共有できるラインで笑いものになる最悪なミドルウィーク。当然やられてるこっちは何も面白くない。
その頃からテレビをほとんど見なくなった。話し相手がいないのだから、話を合わせる必要もない。それに、「あいつ

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