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2022/12/8ふむふむ体験型ワークショップ/講演~大阪府立岬高等学校~

みなさん、こんにちは。
"ちがい"をたのしむ「ふむふむ」ですヾ(≧▽≦)ノ

2022年12月8日、
大阪府立岬高等学校の教職員人権研修にて
げんのすけによる体験型ワークショップ(WS)および講演をさせていただきました!
(ご参加いただいた先生方、大変お疲れ様でした^^)
大阪府立岬高等学校のHPはこちら



まず、あくまでも個人的な感想になってしまいますが、岬高校の先生方から受けた印象を書かせてください!

なぜなら、全体の雰囲気として、とても真剣に生徒のことを考えておられることがひしひしと伝わってきたからです。
研修終了後も、校長先生・教頭先生をはじめ、各担当の先生方がげんのすけの元に来られて、「生徒にどのように対応すればよいか」「どのような考え方をすればよいか」など、熱心に質問されておられました。

わたしたちが学校を出る際には、教頭先生も他の先生方ももう違う会議に出席されていました。
後の予定が詰まっている中でも機会を捉えて質問に来てくださったことからも、その熱意が伝わってきました。



さて、今回は以下のラインナップで概要をお届けします^^

これから講演の実施をご検討の皆さまに、本記事が参考になれば幸いです!

”ちがい”を知ろう~感じるLGBTQAI+/体験型ワークショップ~

教職員人権研修の冒頭約30分で、まず体験型WS(ロールプレイ)を実施しました。
ふむふむが実施する体験型WSの目的は以下のとおりです。
・実際に差別をされる体験をする
 →差別を受けてどのような気持ちになったか
・差別されている現場を真の当たりにする体験をする
 →差別を真の当たりにしてどのような気持ちになったか
  差別を目の当たりにしてどのような判断ができたか/できなかったか
  差別を受けている人に対して何ができたか/できなかったか
※差別を生み出さないために、多様性を認めるとはどういうことか

具体的な実施方法の概要は以下のとおりです。
・絵画教室に通う生徒である参加者に、自由に絵を描いてもらう
・参加者に「A」または「B」のカードを配付する
 ※「A」または「B」は生まれながらの「特性」であり、変更ができない
・絵画教室の先生である講師(げんのすけ)が描かれた絵を見て批評をする
 ※その際、「A」または「B」であることを理由に不当な評価をくだされることもある

先生方は童心に帰ったように楽しそうに絵を描いてくださいました!
ところが…
絵画教室の先生は、みなさまが一生懸命に描いた絵を褒めてくれるけれど、なぜが「A」または「B」という本人にはどうすることもできない「特性」によって絵の評価を容赦なく下げてきます。
不当に低い評価をつけられてしまう人、その状況を目の当たりにしている人、ざわつきはじめる空気…

終了後、何人かのグループに分かれていただき、感じたこと等をシェアしてもらいました。
そこで出てきたご意見やご感想は以下のとおりです。
〈WSに対するご意見・ご感想〉
 ・「描き直して」と言われたら、自分を表現できなくなってしまった。
  自由な表現に制限がかかったことで、絵が描けなくなってしまった。
 ・自由なはずだったのに、一方的な価値観を押し付けられ違和感を覚えた 
〈その他のご意見・ご感想〉
 ・「A」「B」の色分けの議論をしている時点で、すでに固定観念をもっているのだなと気づいた
 ・実生活に照らし合わせて考えると、知らず知らずのうちに子どもの性別に合わせておもちゃを選んで買い与えているなと思った
 ・服の色も親が固定観念で選んでしまっていると思った。
  ただし、どこからが押しつけや差別になるのか難しいと感じた。

たった30分のワークですが、実際に体験し何か感じてもらることがあったのではないかと思いました。
さて、ここからいよいよ講演に入ります。


”ちがい”を知ろう~知るLGBTQAI+/講演~

①LGBTQAI+とは?

まずは簡単に用語解説。
ただし、用語の解説はたくさんの方がインターネットで公開してくださっているので、いくらでも調べられます。

ただ、誰が・どのような目的(立場)で紹介しているのか、また国によっても用語の解釈はまちまち。
また、性自認や性指向の表現はとても多様なため、用語を覚えることにあまり重きを置く必要はありません。
だいじなことは、本人の考えや想いを尊重し、しっかり話を聴くことだとお伝えさせていただきました。

②多様性~当事者のグラデーション~

先述のとおり、用語があることによって「この人はここのカテゴリー」と勝手にひとくくりにして考えてしまいそうですが、そんなに境界線がはっきりした単純なことではありません。

本当に多様な方がいらっしゃることをご説明したうえで
一人ひとりちがうことを知る
一方的にカテゴライズして判断しない
イメージから入らず、まずは本人の話をしっかり聞く
ことがだいじだとお伝えさせていただきました。

③当事者の声と、学校現場でできること

事前に当事者の方々にご協力いただいたアンケート結果を用いて当事者のリアルな想いをご紹介しました。

アンケート結果の内容は、当事者の方が学校生活においてどのような場面で何を感じ、何に困り感を持ち、どうして欲しいと思っているのかをまとめたものです。

ここでいくつかの質問がありましたので一部になりますが、シェアさせていただきます。
〈ご質問〉
周囲の生徒にどう伝えていくのがよいか。
《ご質問に対する回答》※講演者の考えに基づく回答です
まずは全ての生徒が「学ぶ」環境を整え、正しい知識を伝える機会をつくることがだいじ。
悪意のないからかいも存在するのは事実。それを「差別」と言われるとすごく強い衝撃になってしまうこともあるので注意を。
非当事者が”自分軸”で考えることはとても難しい。だから、「相手の気持ちになって考えよう」は不可能。「こういうことに苦痛を覚える子もいる。それでも君はこの言動をチョイスするか?」と考えてもらう機会をつくるのもひとつかなと思う。
事が起きてから急に行動を起こしてもなかなか入りにくい。普段から学習の機会を増やすなどしておいたほうがよい。

また、以下のような話をご紹介しました。
当事者の方が、思い切って学校の先生に自分の希望を伝えたのに「なんで?」と言われてしまったことがある。「(卒業まで)あとちょとやから我慢し」と言われてしまったことが悲しかったと。さまざまな葛藤を経て、勇気を出してカミングアウトしても、このような言動をされてしまうと、それ以降は学校に対して信用することはなくなると思う。
進路については、自分のアイデンティティーが確立されていないのに、進路どころではない当事者も多いのではないかと思う。

学校にもできることとできないことがあることを本人にきちんと伝えたうえで、本人の選択に耳を傾けることがだいじだと思う。


④カミングアウトしなくても安心できる学校をめざして

これまでの学校現場の考え方では、「カミングアウトしてもらうこと」がスタートでした。
カミングアウトしてもらってはじめて、ヒアリングを行い、様々なサポートができると考えてこられました。

ところが、カミングアウトすることはとてもハードルが高いです。
できればカミングアウトせずに、自分らしく安心して学校生活を送れるようになりたいと願う方も多いのではないでしょうか。

もちろん、学校側が把握していなければできないサポートもあると思います。
ただし、多様な性を認めようと社会で叫ばれている今、個人が成長していく過程でその多くの時間を過ごす学校が性に対して不寛容なようでは具合が悪いですよね。

いろいろな人がいていい。
その当たり前のことを学校全体が認められる雰囲気づくりに努めてほしいという願いを込めてお伝えさせていただきました。



さて、いかがでしたでしょうか。

冒頭でもお伝えしましたが、多くの先生方が熱心に参加・聴講してくださいました。ありがとうございました。
今回の内容も踏まえ、ひとりでも多くの生徒様が安心して学校生活を送れるよう、お力添えできれば幸いです。

今回のご報告はここまでです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました^^



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