動物と暮らす。 Vol.57
こんにちは。
perromart.jp 獣医師スタッフの原 駿太朗です。
突然ですが皆さんはどんな保護団体が「良い保護団体」だと思いますか?
今日はそんな保護団体の評価に関して感じた疑問についてです。
ある保護団体さんとの出会い。
先日、仕事の中である保護団体の方とお話しする機会がありました。
その団体さんは保健所に収容された子の中でも特に貰い手が見つかりづらい特徴を持つワンちゃんを優先的にレスキューしていく。
という考えをもたらていました。
(中型〜大型の子、人に対して恐怖を覚えてしまっている子、攻撃的になってしまう子など…。)
団体の代表さんは元々、トレーナーとしても活躍されている方でした。
そのため、受け入れられたワンちゃん達は人間のことをもう一度信じてくれるように関係ができており、私がシェルターを訪問をさせていただいた時には「まさか、そんな背景だったんですか!」と驚くほど、みんなフレンドリーで明るく柔らかい顔つきをしていました。
「保護団体の活動=譲渡件数の多さ」で評価されてしまう現実
誤解を恐れずに言うと、日本のほとんどの保護団体が経済的に完全な自立はできておらずボランティアや寄付などが活動を維持していく上で必要不可欠な状況です。
そういった状況下において、
「活動をいかに外部に向けてアピールできるか。」
は非常に重要な要素になっています。
では、どんな要素がそれらの評価としてみられるのか?
これは「譲渡成約件数の多さ」になることが多いようです。
そのためすべての団体がそうではありませんが、十分ではスペースにケージを少し無理をして敷き詰め、そこに特に貰い手のつきやすい子犬や大人しい子だけをどんどん入れるといった状況も生まれているようです。
こういった状況はキチンと世話が行き届かず、かつワンちゃん達の個性も見極められず迎え入れを希望した家族とのマッチングもずれてしまうことも…。
ただ、皮肉なことに冒頭の私がお話を聞かせていただいた保護団体さんのように時間をかけて関係を築き直し、希望された家族とも何度も実際に会いながらマッチングさせ引き渡していく丁寧なスタイルだと件数は伸びません。
つまり「活動をちゃんとしていない団体だ。」と思われてしまうのです。
こんなレッテルを貼られてしまうと、寄付なども減ってしまいます。
保護団体を取り巻く「状況」を根本から変えたい。
話を聞いて、私はこういった今の保護団体を取り巻く「状況」は決して正しくないと思いました。
団体を運営される方達の「想い」が正しくないのではなく、「状況」がおかしいのです。
具体的にはそれぞれの保護団体が経済的に自立をすること。だと思います。
私の知る保護団体の方々には「想い」の形こそ違えど、どの方も動物への無償の深い愛情を感じました。
寄付やボランティアだけに頼る必要がなくなれば、活動を続けるためだけのためにそういった「想い」や自身の生活をすり減らすことなく、より長い目線で運営もできるはずです。
私たちはフードドネーションなど寄付の面からすでにいくつかの保護団体さんと関わらせていただいています。
ただ、例えばそれ以外にも
まだこの程度しか思いつかないですが、こういった関わりこそ長期的に私たちがしていくべきことではないかと感じています。
ペットに関わるビジネスを行っている企業の一員として。
一獣医師として。
ペットとともに暮らすことの尊さを知る者として。
こういった保護活動に収益性の面でも提案できるアイデアをこれからも考えていきたいと強く思っています。
最後までお読みくださりありがとうございました。それでは、また来週。
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