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技術の発展と心の隙間-「RE:BEL ROBOTICA」感想文-

技術の発展と心の隙間-「RE:BEL ROBOTICA」感想文-

SFという分野を最近私が好む理由として、「科学がどんなに発展した世にも生じる問題がある」ということと、「技術の発展が起こっていたとしても、人の心理を最後の焦点として据えている」ということが挙がる。現実にはない概念や技術の説明はとっつきにくさにも挙がるものの、それがすんなりと飲み込めれば、描かれる人間模様には大きな差がない場合もあり、むしろそれが世界の根底が共通しているということの面白さとして働くと

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【おすすめ本】原田マハ「アノニム」:痛快エンタメ小説を読みたい方に

【おすすめ本】原田マハ「アノニム」:痛快エンタメ小説を読みたい方に

アートとは何か。
それを希求する者は今も昔も多い。美術に僅かながら触れた者は、この限りなく根源的な問いを一度も考えないことはほぼないと言っていいだろう。古くよりラスコー洞窟の壁画から始まり、ルネサンス、写実主義、印象派、ジャポニズム、キュビズムなどの多くの変遷を得て、絵画や彫刻の歴史は続いてきた。そしてそれは今もそうだ。
アノニムで取り上げるのはその歴史を覆すかのような作品を多く生み出した20世紀

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【サマポケ】紬ルートと「最後まで楽しむこと」、蒼ルートと「諦めないこと」

前回に引き続き、サマポケの残り2つの個別ルートの感想をちまちま書いていきます。依然ネタバレになるので、ご注意を。

まずは蒼ルート。
こちらは本当にキャラのコミカルさ、明るさに反して話が重い…。こんなこと常日頃感じながらみんなの前にいたのかよこの子と畏怖の念すら抱きます。しろはルートで描かれるのがこの島の表だとしたら、蒼ルートは裏です。たびたび鴎やしろはルートで見られた蝶の秘密や他のルートにも出て

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【サマポケ】鴎ルート、しろはルートと「夏休みの過ごし方」

19歳のHAL、初めてのギャルゲーに手を出しました。まあそんな私情はさておき、Key作品の最新作である「Summer Pockets」をswitchで買いました。

「CLANNAD」など名前くらいは聞いたことあるって感じだったのですが、無性に甘酸っぱい恋をしてみたいと気になって色々調べてみた結果、これに行き着きました。

現在2周目が終わって、ルートクリアは鴎としろはの二人です。にわかなのであま

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「ゆめみる少女」と「天気の子」から考えてみる選択とか犠牲の話

どうもHALです。大学生です。自己紹介はこれくらいにしましょうか。

8月1日。

近所の映画館は毎月1日は「ファーストデイ」で映画の料金が割引されるので、初の「映画をはしごする」という行為をしました。見た作品は「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」と話題の「天気の子」。それらの感想も交えつつ、ちょっとだけ考えてみたことをまとめておきます。ここから先は両作品のネタバレになりますので嫌な方はブラ

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