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 医師国家試験の受験を終えて、高校時代からの友人が東京へ遊びに来た。飛行機が到着するその日に限って、東京はなぜか大荒れの天気だった。その日私は出勤していて、お昼休みにふと窓の外を見たときに、路面があまりにも雪でグシャグシャ過ぎて、無事に到着できたかとすぐに友人に連絡を入れた。もしも予定が1日後ろにずれ込んでいたら欠航になっていたので、無事に再会できて本当に良かった。

◯森美術館(六本木)
 
友人の希望で、初めに森美術館に向かった。名前は忘れてしまったが、4〜5個開催されていた企画のうちのひとつがかなり人気だった。別の企画のチケットを手に入れようと、入口から受付に続く人波を横目に見て、私たちは螺旋階段を駆け昇った。

 今回選択したのは、「六本木クロッシング2022展」という、日本の現代アートシーンを総覧する定点観測的な展覧会として、森美術館が3年に一度開催している企画だった。物流倉庫など、こんなものまで創作の対象になるんだ!と感じる作品ばかりで、映像作品が多かったのもあり、想像以上に見応えのある内容だった。

 次に、松任谷由実のデビュー50周年を記念して開催されていた「YUMING MUSEUM」の展示場に足を踏み入れた。高校時代、「日本の恋と、ユーミンと。」という40周年記念アルバムを、私はこの友人から借りて聴いていた。10年近く経った今、友人と再びユーミンの魅力に触れられるのを感慨深く感じていた。

 最も印象的だったのが、荒井由実時代の秘蔵写真だった。カメラマンも天才だが、1枚1枚異なる表情とポージングで映るユーミンがものすごく魅力的で、写真だけでも圧倒的なオーラを感じた。


◯井の頭公園周辺(吉祥寺)
 
吉祥寺は、自宅から近く足を運ぶことが多い街なので、案内できる場所も比較的多かった。

 吉祥寺駅南口を出てマルイ側に横断歩道を渡ると、そこには公園に続く通り道があって、飲食店や古着屋、雑貨屋などが立ち並んでいる。この通りの一角に「ケーニッヒ」というドイツソーセージ屋があるので、勝手に「ケーニッヒ通り」と名付けているのだが、ここでホットドッグをカスタム注文して、公園のベンチに座って食べるのが良い過ごし方のひとつだということを知っている。

 三鷹方面に向かって公園の敷地内を進んでいくと「三鷹の森ジブリ美術館」があり、ジブリに詳しくなくとも外観だけでも充分に楽しめる。

 サムネに設定したのは「ゆりあぺむぺる」という喫茶店で、遠方から知人友人が遊びに来た際にはぜひ案内したいなと考えていた場所だった。

あさりチャーハンと餃子が美味しい「みんみん」
推したい古着屋①「FLAP」
推したい古着屋②「フラミンゴ吉祥寺店」

 今回案内したメインエリアは、六本木と吉祥寺の2か所だったが、他には渋谷、原宿、新宿、もちろん我が家がある街も歩いた。友人が渋谷のことを「みんな自分が正しいみたいな顔をして歩いている街」と言っていて思わず笑ってしまった。

 この2日間は、ふだん眠っている感性を総動員させた時間だったなと振り返る。私はこの友人が育てた感性が好きで、他の人がしないモノの見方や言葉選びが面白いなと感じているのだが、2日間でいろんなことを吸収できたようで良かった。

 別れ際、吉祥寺駅のホームで友人を見送った。数ある電車の中で中央線がいちばん好きなのだが、それを友人に伝えると、後から「中央線は屋根の上を飛んでいるみたいで気持ちがよいね!」とLINEしてくれた。わかる、中央線は街の上を走っていて車窓からの眺めが良いから好きなのだ。

 帰宅後、友人が買ってきてくれたお土産を口にしながら、ユーミンの曲を聴きながら、カメラロールを整理していた。

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 24歳になった。
 いまは誕生日の数日前の通勤電車の中にいて、noteの予約投稿が機能していれば、誕生日の0時ぴったりに投稿されていることだろう。


 手に余るものは、要らない。でもいまのまま、在りのままで生きられるわけがない。

 毎日いろんな人が本当にいろんなことを言っていて、斯く言う私もそのうちの1人なのだが、膨大な情報が目の前に立ち止まっては通り過ぎていくような、そんな日々を過ごしている気がする。

 時代の変化とともに、日々求められるものが目まぐるしく変わる中で、「何をどこまで適応できたら良いのだろう」「でもこれって自分に必要なんだろうか」と考えてしまうことも少なくない。

※『考えてしまう』というのが難点で、余計なことを考えなければ疲れなくて済むのだけれど、そういう性分なので本当にどうしようもない。先日、私のことをよく知る友人に「もしかしたらHSS型HSEかもしれないんだよね」と話すと、「え、ずっとそうだと思ってたよ?」と言われ、「なんだ、もっと早く話せばよかった…」と思った。

 いい感じに、いろんなものと距離を保つ。
 とてもシンプルなふわふわとした言葉だけど、これが目先の目標かなと考えている。

 ひとつ歳を重ねても、きっと何でもない毎日が続いていくだろうけれど、寄せては返す良い波とそうでない波の狭間で、上手く乗り切れる方法を模索しながら、穏やかに緩やかに暮らしたい。

P.S.「ame」今月いちばん聴いたのに、おそらくどのサブスクにも無くて悲しい。いつかサブスクで聴けることを祈るしかない…

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