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ええんとちゃう

私の中にいるイマジナリー関西人は、ことあるごとにええんとちゃうと呟く。ええんとちゃう。イエスと大きく頷くでもなく、ノーをみっちりと突きつけるでもなし、逃げ道だら…

青山文
5日前

つるりつるりとうわべをすべり

よく覚えていないと白を切ったはいいものの、うすうす思い出してきたと迷走し始め、軽率にサインしてしまったかも、と大人らしからぬ発言を厭わずに漏らす。かと思えば、う…

青山文
4か月前
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名もなき朝

 朝方の東京に垣間見える無防備さが好きだった。「冬の朝日はきれいだから」、ただそれだけの理由で朝の5時過ぎに起き、誰もいない駅で待ち合わせて多摩川へと歩いた。人…

青山文
4か月前
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某日、陽の当たる某所にて

海の見える街に越してきてからもう二年経つ。朝から昼にかけては山並みに船の汽笛がこだまし、日によっては目覚まし時計のお役も御免だ。名残惜しさを抱えながらも布団から…

青山文
7か月前
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ええんとちゃう

ええんとちゃう

私の中にいるイマジナリー関西人は、ことあるごとにええんとちゃうと呟く。ええんとちゃう。イエスと大きく頷くでもなく、ノーをみっちりと突きつけるでもなし、逃げ道だらけで責任知らずな言葉がしっくりくる私の人生。ええんとちゃう。知らんけど。イマジナリー関西人はさらに責任を放棄する。

最近、といってもここ数年にわたって悩まされていることだけれど、レコメンドだらけの世界にうんざりしている。もうこれ以上何もお

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つるりつるりとうわべをすべり

つるりつるりとうわべをすべり

よく覚えていないと白を切ったはいいものの、うすうす思い出してきたと迷走し始め、軽率にサインしてしまったかも、と大人らしからぬ発言を厭わずに漏らす。かと思えば、うすうす思い出されていた記憶はどこへやら、記憶にございませんと三谷幸喜の映画ばりに10連発をかまし、結局は覚えていないと開き直る。そして今では、揺さぶりをかけられているのだと被害者面だ。そもそも、少しでもまともな政治家であれば、揺さぶりをかけ

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名もなき朝

名もなき朝

 朝方の東京に垣間見える無防備さが好きだった。「冬の朝日はきれいだから」、ただそれだけの理由で朝の5時過ぎに起き、誰もいない駅で待ち合わせて多摩川へと歩いた。人は、とりわけ大学生の頃は、僕らの関係性に名前をつけないでおこうなどとくだらぬ予防線を張りたがるけれど、その頃の私と彼とはまさにそのステレオタイプにぴったりと収まるような二人で、あまりにも隙間なく収まっているものだから、どうにもこうにも身動き

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某日、陽の当たる某所にて

海の見える街に越してきてからもう二年経つ。朝から昼にかけては山並みに船の汽笛がこだまし、日によっては目覚まし時計のお役も御免だ。名残惜しさを抱えながらも布団から我が身を剥がし、身支度をしている間に洗濯機を回す。船の汽笛には遠く及ばず、それでも確固たる意思を持つ音がピーピーと鳴る頃には、大方の朝の準備が終わっているのが常である。
ベランダで洗濯物を干すその時間。より正確に言うならば、ベランダに続く窓

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