格差

以前とは違う視点から、アルバイトで感じたことについて話したい。

ある生徒がいた。
その生徒の家庭は、少なくとも裕福では無かった。
大学受験に投資出来る金額に限りがあり、予備校の授業をあまり受けられなかった。
第一志望校も、出来るだけ授業料が掛からないように、と 国公立に絞っていた。併願として受けられる大学の数にも限りがあった。
親からは「大学に合格できなければ、高卒で働きなさい」とまで言われていたようだ。

また ある生徒がいた。
その生徒の家庭は、おそらく裕福だ。
中高一貫の学校を卒業し そのまま内部進学で大学に進学したが、もう一度大学受験をやり直したいと予備校にやって来た。
その1年間は在籍している大学の授業を受け、夕方からは予備校にも通う仮面浪人をしていた。
第一志望に置いていた大学は 彼の学力では合格の可能性は低かったが、本人も両親もそれでもいいと 半ば「記念受験」のような形で その大学に出願した。

大学受験には、格差が顕著に現れる。

大学の授業で「東大生の親は、年収が高い傾向にある」ということについて学ぶ機会があった。教育と所得は密接に結びついているのは紛れもない事実だ。

私は、どんな論文や講義よりも 生々しいリアリティを持ってその事実を体感したのだった。

このアルバイトを経験できて良かった。
自分の知り得なかったことについてたくさん触れ、考える機会を貰えたから。

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