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春のはじまりの夜の匂いの風は、悲しい気持ちを攫っていった。

気づけば3月。
人生詰んで、去年の11月から休職し始めまして。
いろいろ考えつつ、一進一退していたら、一瞬で春になってしまいました。

先ほどお風呂あがりにパジャマを着て、まだぽかぽかの体のまま急いでベランダのドアを開けました。

その瞬間、冷たいけれど、すこし暖気を含んだ風がふわっと吹き込んできました。

うわあ。春のはじまりの夜の匂いがする。
この時期特有の、言葉には言い表せないあの匂い。

うわあ。
とひとりごちて、しばしベランダに立ち尽くして春の香りをいっぱいに吸い込みました。

春の風は、まだ湿ったままの私の髪の毛を撫でて、そして買ったばかりのふわふわのパジャマを包むように撫でて、そして私の悲しい気持ちを攫っていったように感じました。
体全体に春の風が私を通っていったあと、なんだかとても幸福な気持ちになりました。

今週半ば、会社に別れを告げてきました。
円満なお別れだったのですが、なんだかすっかり感傷的な気持ちになってしまったんです。
別れというのはそういうものなのかもしれませんが。

だから本当は、昨日もおとといもnoteに向けてそういう気持ちを書いてみたのですが、言葉も気持ちも収束しませんでした。
もちろん書いたものも出せるようなものにはならず、消化不良を起こしていたんです。

でも、そんなことどうでもよくなるくらい、春のはじまりの夜の匂いは良い匂いでした。
匂いフェチの私は、あの匂いに包まれただけで心から大満足です。
だから今日は、このことを書いて残しておきたかったんです。

生きていれば、つらいときも、もやもやするときも、悲しい気持ちが消えないときもあります。

でも、こんな状況の今の私が、感傷的な気持ちよりも、わくわくうきうきいい匂いの瞬間を、強い輪郭をもってとらえることができたということは、意外と前に進めているのかもしれないなって思ったんです。
そんな気がする。

元気を出させてくれた春のはじまりの夜の匂いに感謝。

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今夜ベランダに出たのは、休職し始めてからできた、金曜日の夜の新しい習慣があったからです。

それは、『子どもたちが自分で上靴を洗う習慣』です。

ちいさいけれど、大きな一歩です。
だって、今までは土曜か日曜の昼間に私が二人分を洗っていたのです。
毎週持ち帰ってくるので、二足になってからは何気に大変でした。

子どもたちが自分で上靴を洗うのを習慣化するにあたり、一番大事だったのは『子どもたちとお風呂に入るときに私が靴洗いの準備を完璧に行うこと』です。

具体的に言いますと。
大きめの靴洗い用の桶の中に、上靴2足と、靴用ブラシ2本、カネヨ(靴用洗剤)をセットして、お風呂の床に置いておくだけ。
ここまでを私がやっておけば、子どもたちはかならず上靴をごしごし洗ってくれるんです。
すばらしい。

彼女たちの仕事は『上靴をブラシできれいになるまでこすることだけ』ですが、私にとってはその動作が一番面倒臭いので、やってもらえるようになって本当に助かりました。

もちろん、私がお風呂を出るときに、上靴をしっかりゆすいで、桶その他を洗って仕舞いますし、その後、上靴を洗濯機の脱水機能で脱水して、洗濯干しにつるしてベランダに出します。

でも、とても良い習慣ができたなあ。
まだ上靴を洗ってあげているお母さん、よかったら試してみてください。
なんなら一年生の次女は、私がやるよりもぴかぴかにしてくれます。

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子どもの成長をのんびり眺められるようになったのも、仕事をしないようになったからだなぁ、とつくづく思います。

今までは、何をするのにも、『早く早く、急いで急いで』と言わざるを得ませんでした。

時間的余裕が、心の余裕につながることは間違いない。
本当に。
子どもたちにイライラしてしまうことが、驚くほど、格段に減りました。

ただ私は働くことが生きがいのひとつだったので、今、ものすごく複雑な気持ちになっています。

子どもたちに寄り添いたい気持ちと、働きたい気持ちがせめぎあってしまって。

これから私は、どういうふうに家族の形を追求していったらいいのだろう。
働き続けて走り続けた私には、まだ正解がわかりません。

働いて、ちっぽけだとしても人の役に立って生きていきたい。
そのお金で家族で旅行に行ったりしたいな。
けれど、子どもたちの成長をすぐそばでのんびりゆっくり眺めるということもすごく贅沢だな。

ワーキングマザーの皆さんはどうやってこの気持ちと向き合っているんだろう。
ワーキングマザー11年目の悩み、かなり深いです。
なかなか前に進めません。

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ありがとうございます(^^♪