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成長に不可欠な経営の「誠実さ」とは

TAKA(@Murakami_Japan)です。以前、経営者にとって最も重要な素質は「誠実さ」だと書いたことがあります。今でもそれは変わりませんが、今日は企業経営における「誠実さ」とはどういうものか、もう少しプロセスに落とし込んで書いてみたいと思います。一人の経営者、従業員としての誠実さと、ガバナンスの観点も含まれているので、そんなことに興味がある人も是非読んでみてください。

誠実であることを示すプロセス

いきなり結論から書きます。「認知」→「言語化」→「議論」→「判断」→「アクション」のループが、経営にとって必要な「誠実さ」を表しています。経営が誠実か否かはこのプロセスがしっかりと回っていることである、と言い換えても良いと思っています。

いきなり結論から書いてしまいましたが、経営が誠実であるとどういう状態になるでしょうか。また経営が誠実ではないとどうなってしまうのでしょうか。

経営が誠実であれば、経営の外のステークホルダー、株主等からみても結果については不満足であっても、その経営について不満足であることにはならないでしょう。それぞれ誠実と言う言葉の持つ意味に差があるはずです。ある人は私がこう言い切ったことで反論したくなったでしょう。誠実だけで経営はできないと。

では、経営が誠実ではないとはどう言うことでしょうか。おそらくそんな経営に対して、こう言いたくなるでしょう。「おい、一体何やってたんだ!!」と。

認知、そして言語化することが大切なわけ

経営からこんな言葉を聞きたいでしょうか。

「知らなかった。」

そうなんです。誠実であることの実は一番大事な点は、認知することと言っても過言ではありません。認知することにはいくつかのポイントがあります。まず、認知するためには努力が必要です。アンテナや仕組みが必要です。そして、認知できるチャンスがきたときに目を背けないことが大切です。

実は誠実でない経営が一番陥るのは、最後の「認知できるチャンスがきたときに目を背けない」ができない場合が多いのです。知らぬ存ぜす、気が付かないフリ。もしくは本当は気がついているんだけど、それに蓋をしてします。最悪のケースは隠蔽ですね、はい。これは問題外。

なぜ、言語化することが大事なのか。それは言語化することで、認知することを助けるからです。言語化することで、認知が曖昧にならないからです。なんとなく感じ取っていたではなく、それをしっかりと言語化することで認知が研ぎ澄まされるのです。だから、言語化することがもの凄く大事なのです。

誠実に経営をしている経営会議や取締役会の議事録は、論点や結論がしっかりと言語化されています。そして、言語化することが難しいことも、臆せず言語化しようと努力します。言語化が難しいから、曖昧にしている企業はその時点で経営の誠実さが徐々に失われていくことに気がつかないのです。

議論を通じて判断することが大切なわけ

さて、言語化したら次はどうするでしょうか。そうです。その言語化された内容を議論します。では、なぜ議論が誠実さにおいて大切になるのでしょうか。

それは、言語化が正しくされているかを確認し、正しく認知できているかを確認するために必要なのです。多くの場合、経営判断や結論が間違える場合は、状況認識を間違えているケースが大半だと私は経験上思っています。だからこそ、議論は認知を確認するために行うと言う意識が大事なのです。

認知という前提を疑わず、闇組みの議論を進めて、もっともらしい結論を導き出し行った判断にどれほど意味があるでしょうか。それは果たして誠実な経営といえるでしょうか。

正しい議論を追求するために、助けになるのが価値観の多様性です。それは前提を疑う力、新たな視点を議論にもたらします。ダイバーシティが経営においてクリティカルに重要なのはこのためです。

そうして導き出された結論、判断であれば誠実といえるのではないでしょうか。

アクションが大切なわけ

最後にアクション。これがなければ誠実な経営と言えるはずはありません。判断したのに、アクションに移さない。誠実な経営とはアクションまで行って初めて誠実と言えるのだと思います。

アクションをした際には、それが外部のステークホルダーの知るところになります。その際に、どういう根拠でこのアクションが取られたのか。その際に、最もステークホルダーに説明すべきは、認知、前提条件の部分です。

具体的には、プロダクトの優勢をどう考えているのか、今後の競合状況をどう考えているのか、消費者のニーズはどこにあるのか、そういった前提条件を正しく伝えることが最も大事なのです。

株主や従業員といったステークホルダーはバカではありません。むしろ経営が優れているのは、内部情報を最も集約できる(はずの)立場にいるからに他なりません。情報の非対称性こそが経営を賢く見せている大きな要因です。ただし、経営は時に裸の王様になることがあります。現場や外部は皆気がついているのに、経営がだけが最後まで気がつかない状況です。

だからこそ、認知が重要なのです。そして、その認知を外部に正々堂々と誠実に話をすることで、ステークホルダーからの信頼が得られます。そして、その認知が間違えていた場合は、厳しく指摘を受けることでしょう。しかし、その指摘は経営にとって極めてありがたいものなのです。

誠実な経営を目指すために必要な仕組み

これこそがコーポレート・ガバナンスに求められる機能です。誠実な経営を行うための仕組みがコーポレート・ガバナンスと言っても過言ではありません。

実は多くの場合、正しく認知ができ言語化でき、議論までできる環境が整っていれば多くの場合、アクションまで実行できる会社がほとんどです。

大きく分けて3つの大事な仕組みがあります。

1つ目は、いかに経営に対して外部、そして現場からの情報が届けられるのか。これがまず第一に重要な仕組みになります。

2つ目は、多様性のある経営メンバーで議論できる体制を準備しておくことです。

3つ目は、前提を疑う、異なる意見を言える、そういうカルチャーを作ることです。

この3つがしっかりできていれば、誠実な経営をできる仕組みは大方整うと私は思います。

誠実な経営を目指すための心構え

最後に、仕組みは整えたとしても、それをさらに有効に機能させるための心構えがあると思います。私なりに、5つポイントを上げて今回の投稿は終わりとしたいと思います。

1)自分の判断は間違っているかもしれないと常に疑う

2)自分の意見を主張する10倍他人の意見に耳を傾ける

3)曖昧さを残さず違和感を大事にする

4)常に判断の前提となった認知を積極的に説明する

5)経営チームのことを信頼する

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