村上誠典 | スタートアップと経営

スタートアップ と企業経営の関連投稿。シニフィアン共同代表、多摩大学大学院客員教授… もっとみる

村上誠典 | スタートアップと経営

スタートアップ と企業経営の関連投稿。シニフィアン共同代表、多摩大学大学院客員教授(「ESG時代のサステナブル経営」)。経営の現場で奮闘する側、大学を含め、大事だと思う考え方、哲学を標準化し、実務に使える経営知見を発信。日本にコミット、地方創生、人材育成、産業創出を通じ未来を創る

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  • 企業経営入門:スタートアップに必要な経営力

    上場・未上場に拘わらず、成長が期待される事業/スタートアップを中心としたビジネス関連の面白いnoteをまとめます

  • 企業経営入門:コーポレート・ファイナンス101

    企業経営における重要テーマである、コーポレート・ガバナンスと双璧をなす「コーポレート・ファイナンス」に関する面白いnoteをまとめます

  • 「持続可能な社会」の実現に向けて

    「持続可能な社会」の実現に向けて、個人的な考えを徒然にnoteして行きます。ご賛同いただいた方はフォロー、いいね、またコメントも是非お願いできれば幸いです。

  • サステナブル資本主義 5%の「考える消費」が社会を変える

    2021年9月30日に発売された著書「サステナブル資本主義」。本書で提言している思想や考えをもとに社会を考察していきます

  • 企業経営入門:コーポレート・ガバナンス101

    企業経営者/投資家、両方の視点で重要なコーポレート・ガバナンスに関する面白いnoteをまとめます

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「持続可能な社会」を目指すことがなぜ企業価値向上につながるのか

TAKA(@Murakami_Japan)です。個人的にも大変賛同している、ESG/SDGs、サステナビリティという言葉がますます注目を集めるようになってきています。日本語でも「持続可能な社会」といってメディアで取り上げられない日はないくらいです。 でも果たして、この意味を正しく理解している人はどれぐらいいるでしょうか。省エネとかエコロジー(エコ)と同じように、環境問題に配慮したあるべき「正しい取り組み」という漠とした解釈にとどまっているのではないでしょうか。 今回、「持

    • 【解説】10月スタート!新しいIPOプロセスが与えるスタートアップへのインパクト

      来月(2023年10月)からIPOプロセスが新しくなることをご存じでしょうか。かなりテクニカルだし、正直あまり注目されていないと思いますので、知らない方も多いかもしれません。しかし、大きく日本のIPO、そして日本のスタートアップ・エコシステムをアップデートするキッカケになる可能性を秘めています。今日は、そんな「新しいIPOプロセス」について解説してみたいと思います。 事前に言っておくと、今回18,000文字を超える大作になっています。ただ、難しい話をできる限り簡単に書いたつ

      有料
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      • ARM, Instacart, Kraviyo:1週間で3件!巨大テックIPOから見る市場感考察

        立て続けに米国テック大型IPOが出てきたので、続報として書いています。基本的な「臆病なIPO市場の夜明け」に関する考え方は、先のリンク記事に書いたことから変化ありません。まずはこちらの投稿(下リンク)を是非ご一読ください。 今回の投稿内容のアップデートは以下の3社のIPOのその後についてです。 ARM(半導体設計)、Instacart(EC)、Kraviyo(MA:マーケティングオートメーション) 結論として太陽は水平線から顔を出した、夜明けが始まったと言えるかと思いま

        • 臆病なIPO市場の夜明けはいつか?

          2022年初から資本市場が急速に低迷し、ロシア・ウクライナ事情以降は急速なリスクオフモードに突入している。その後の利上げなど金融政策を含めた不透明感も相まって、日経平均だけ見ていると、株式市場は好調じゃないかと思いたくなるが、その実、最もリスクが高いとされるIPO市場、しかもテックセクターのIPO市場はいまだに臆病なままなのです。 2022年初に投稿した株式市場の調整、およびその後のスタートアップへの影響については、手前味噌ながらかなり適切なガイドラインだったかのように思う

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          人的資本経営に興味のある皆様へ〜未開拓資本を活用する未来〜

          人的資本経営は昨今のパワーワードで多くの方が注目しています。人材が均一な財務会計数値に置き換えられてしまっていた時代において、私も長らく大きな違和感を感じていました。それは、人は均質なモノではないという人権主義者的な側面もあれば、従業員の立場でも自らが企業価値にどう貢献できているかという意識が希薄なことも、違和感の原因だったように思います。 資本であるとはどういうことか?人が「資本」であるとはどういうことでしょうか。これまでは「資本=お金」でした。お金は大事、無駄にしてはい

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          ラクスル新社長の報酬から見る取締役報酬の現在地

          本日2023年9月12日にCEO向けの大型報酬パッケージが公表された。といって、カルロスゴーンでも日産でも、孫さん・ニケシュやソフトバンクでも、イーロンマスクでもない。ポストIPOスタートアップの1社であるラクスル社である。全て条件が達成された時点での時価で10年総額"300億円”という金額だ。もちろんこれは今単年度報酬で支払われる額ではなく、あくまでも目標を達成した暁に初めて得られる報酬額の総額に過ぎません。 それでも、この金額はこれまでの日本株式会社の報酬水準からすると

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          スタートアップが社会インフラを創る〜ファイナンス戦略の新潮流〜

          本日、アイ・グリッド・ソリューションズ(「当社」)が30億円の資金調達を発表しました。金額だけ見れば一時期のスタートアップ・バブル時代の調達額からすると、それほど珍しいものではありません。2023年上半期でも30億円以上調達したスタートアップは14社あります。 目下、スタートアップ五か年計画が遂行される中、過去5年間と比較して「進化」した形でスタートアップの経営も事業もファイアンス戦略もアップデートしていくことが大事だと感じています。この5年間でも当方が関わってきたスタート

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          国税庁発表を踏まえたスタートアップ株式報酬の明るい未来

          村上です。先ほど日経新聞からも報道が出ましたが、本日5/29に国税庁(と経済産業省)からスタートアップ関係者向けに信託SOの課税関係に関する説明がなされました。岸田政権下においてスタートアップ政策が注目を集めるようになったタイミングで、なぜブレーキをかけるようなことをするのか、既発行分にも訴求(※国税庁は訴求するというより元々給与課税として納税されているはずというスタンス)されるのか、とネガティブなイメージばかりに目がいってしまいそうですが、私のnoteでは「未来思考」で、未

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          企業報酬から見る「異次元の少子化対策」

          「異次元の少子化対策」が架橋である。先日も下記ニュースでもピックが多くされているが、少子化対策に向けた国民の期待値も相当高いのだと思います。「異次元とは」どういうものかを考えるにあたって、ほんの少しだけ書いてみたいと思います。 今回、児童手当の所得制限が撤廃される方針とのことが報道されました。昨年末に1200万円以上の年収があれば児童手当がなくなる、という「改悪」が実施されたばかりでした。 子育て「支援」ではなく少子化「対策」当方の認識の結論は、子育ての支援という意味づけ

          企業報酬から見る「異次元の少子化対策」

          日本復活へ、産業政策の羅針盤

          今回は、マクロ視点のお話について書いてみたいと思います。とはいえ、極めてミクロ観点に基づいたお話しになります。マクロと言っても、結局はミクロの集合体ですので、一つ一つのミクロでのビジネス、産業が目指すべき方向に変革していかないと、日本の産業政策、日本の経済政策として、良い方向に向かったということはなし得ないでしょう。 まず、現状の課題から始めてみたいと思います。よくメディアが報道するのは「失われたXX年」という話です。これはもう20年も言われ続けており、呪文や呪いのように日

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          なぜ国営企業は悪で民営化が正義なのか?サステナブル&イノベーション時代に考える国の関わり方

          今、世間では環境問題を含むSDGs、持続可能性や資本主義について活発な議論が交わされるようになっている。そこでの大きなテーマは、資本主義を前提とした社会システムでは、地球や社会、そして人類は未来永劫にこの状況を維持することはできない。すなわち、我々が今、当たり前のように享受している今のインフラ、環境、そして幸せは持続可能ではないという危機感からくる、現状システムのアップデートの必要性が論点になっている。 資本主義の新しい形が求められているという話もその中核をなす議論であるが

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          【電撃発表】ユーザベース非公開化について

          2022年11月9日、Newspicks等を運営するユーザベースがカーライル(PEファンド)によるTOB(公開買付)を通じた非公開化を発表しました。この1年の市場低迷の期間はもちろん、それ以前から長期株価低迷のトレンドに入っていたユーザベースの動向は多くの方が注目していたはずです。本日PEファンドによる非公開化を選択し、それを公表したわけです。 PEファンドによる著名ポストIPOスタートアップの非公開化の事例として、先行的な事例となると思います(※2021年のベインキャピタ

          【電撃発表】ユーザベース非公開化について

          日本のO/Sアップデートする:アカウンタビリティとガバナンスが変える人材と組織

          村上誠典(たかふみ)です。日本復活の鍵、日本から新産業創出し、外貨を稼ぎ賃金を引き上げ、持続可能な社会のリーダーになる。そのためには「日本はO/Sからアップデートしていく必要がある。アプリケーションの議論だけしていても仕方ない。」と日々申し上げています。では実際どうやっていくのか考えていく必要があります。今日は、そのヒントになる重要なテーマとして、「アカウンタビリティとガバナンス」がどのように日本の人材と組織に影響を与えているかについて書いてみたいと思います。 日本の悪き文

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          【基本理解】スタートップのストックオプションあれこれ

          今日はスタートアップといえばストックオプション、ということでそんな話題について書いてみたいと思います。 なぜ、今更こんな投稿としてみようかと思ったかと言うと、スタートアップの社会的重要性が高まってくるに従って、このシンプルすぎるインセンティブ設計だと難しくなってきたなと感じているからです。 実際、報酬制度自体、正解が簡単に見つかるわけでもなく、上場企業も最適解で運用できているところは殆どないのが実態です。スタートアップにおいては、典型的ストックオプションのみ一般化していま

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          2022年、グロース市場とプライム市場を眺めてみる

          近頃、「日本と米国の差はGAFAMが生み出された否かである」という分析がSNSで拡散されている。象徴的なお話なので、これはこれで良いのですが、あらためて日本の株式市場についてみてみたいと思います。ちょうど、2022年4月の東証の市場区分の再編成があり、一部二部等からプライム、スタンダート、グロースに変更になりました。どういう景色なのかおさらいしておきましょう。 日本の上場時価総額の推移下記の図を見てください。この20年を遡るとちょうど区切りが良いです。2002年はITバブル

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          東電22兆円判決に見る取締役の役割と責任

          2022年7月13日、安倍元首相の訃報、参院選、そのまさに翌週に10年越しの判決が出た。2011年3月の東日本大震災に関わる原発事故に関する東京電力経営陣の責任問題についての株主訴訟に対する判決である。 多くの人、株主訴訟とか善管注意義務という言葉が耳慣れない人にとっては、そもそも22兆円って個人レベルが支払える額じゃない、何考えてんだ?という疑問だけが湧いてくるかもしれない。今回は、原発事故の詳細(※私が特段詳しいわけではないので)に焦点を当てるのではなく、取締役の役割と

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