焼きつくねがシンプルに美味しく出来たので、
鶏団子を作るのは得意だ。
冬になれば鍋やおでんの為に何キロもの鶏団子を作るし、冬瓜を炊くときは鶏団子と合わせる。
だからやけに鶏団子関連のnoteがある。
でも今回は別ですよ。だって焼きだもの!!
・両生類から爬虫類へ
鍋や煮物の鶏団子と焼きつくねは別物だ。
両生類と爬虫類くらい違う(水辺で過ごすか、陸に上がるかの違いがある)
食べる瞬間まで水中(つまり出汁や煮汁だ)で過ごす鶏団子は水分の保持はそこまで重要な課題では無い。
多少パサついてたとしても水分と食べるから良いのだ。
それよりも煮崩れしにくかったり、食感の面白さがあったり、そういうのを求めている。
一方、陸上(つまりフライパンや焼き網だ)に上げられる焼きつくねは水分の保持が重要な課題だ。
パサつきは食味に直結するし、焼くという工程は水分を蒸発させる。
まぁどっちにしても美味しい塩梅もあるし、鍋用の鶏団子を焼いてもそれなりに美味いんだが、せっかくなら美味しいのを作りたい。
これまでの鶏団子は基本的に水分と共にあるタイプだったので、陸上にあげるって進化ですね。
カエルからヘビになるみたいだ。
料理も生物も同じような進化してるのかな?なんて思ったり。
・材料
なんというか、相当シンプルじゃないでしょうか。
一応補足をすると、ひき肉はムネ3:もも2くらいの比率でやりましたが、そこはお好みで。
ムネ100%だとパサつきやすいんで、1種類ならももひき肉で、2種ならムネを混ぜるとしっとりムッチリ滑らかになります。
葱とタマネギはどっちかだけでもいけます、干し椎茸も無けりゃあ無いでなんとかなります。
醤油はあれば薄口醤油の方が色も味もいい感じ。
・作り方
①Bの野菜類を細かめのみじん切りして表面に片栗粉をまぶしておく。
デカいボールでAをなるたけ冷たい状態で混ぜる。
指を立ててグリグリ練り、粘りを出す。量にもよるけど約1分混ぜればOK
練りすぎると硬くなるしパサつくけど、練りが足りないとムッチリいかない。
②片栗粉をまぶしたBを混ぜ込む。
ここはそんなに練らずに、馴染めばOK
ひき肉を触った手を洗うのは大変なんで、混ぜ始めたら一気に全部出来るように準備するの大事。
③ざっくり混ざったらCをいれて混ぜる。
卵は溶いてから入れても良いし、その場で混ぜても良い。
こういう時に片手で卵を割れるのは便利。
利き手じゃないほうでも練習したのが報われる。
んで、この状態で冷蔵庫へいれる。
最低10分、出来るなら1時間くらい冷やしつつ馴染ませたい。
そうする事で野菜や肉、片栗粉などがしっかり繋がり
冷えることで脂が固くなり丸めやすくなる。
④出汁を沸かして7割くらい味をつける。
今回は和出汁だが鶏ガラスープでもいける。
味付けは塩、酒、みりん、醤油。
ツクネから味が出すぎないようにそれなりの味はつけるけど、濃いとツクネの味が濃くなるんで淡めに。
⑤沸いたら弱火にして、ツクネを落としていく。
作り方は色々あるけど、俺は左手で握力を量るように絞り出し丸い状態にして、右手に持ったスプーンで掬って静かに出汁に落とす。
詳しくはユーチューブなどでどうぞ。きっとあるよ。知らんけど。
この時のスプーンは油を塗っておくという人が多いけれど、出汁で濡らせばちゃんと滑ります。
ので、1個入れる度にスプーンを出汁つけてってすると楽です。
⑥鍋一面に団子をいれれたら中火にして沸かす。
沸騰したらサッとアクをとり再度弱火に。
5分ほど茹でたら火を消して更に10分。
たまに転がして全体に火をいれる。
1個取り出して割ってみて中にしっかり火が入ってるのを確認したら完成。
バットや容器にとり出して、必要量を焼いていく。
ちなみに火を消してしばらく置くと肉汁が安定します。
茹でたてホヤホヤの暑い状態で引き上げると、団子からすぐに汁やら脂が溢れてくるんで注意!
・塩ツクネには酒を
ツクネに限らないが、焼き鳥は塩かタレだ。
味噌とかあってもいいのになと思うけど、やっぱ塩かタレが安定なのかねえ。
砂肝とか、甘めの味噌で焼いて七味かけてえ。ってそれは違う料理になっちゃうか。
ま、なにはともあれツクネを塩焼きにした。
面倒なので茹でた鍋から直接フライパンに掬いいれ、少しのゴマ油で焼いていく。
最初は転がしながら焼き、ある程度温まったら上下の2面に焼き目をつける。
そんで、仕上げに塩を一振り、そして酒を一振り。蒸発したら完成!
葱も同じように一緒に焼いてあげる。
この日は熟れたスダチを添えた。
これが合うんだなぁ、まろやかな酸味が良いのよ。
たまらんばい。
・たれツクネにはみりんを
フライパンひとつで一気に焼きあげるのは大変だから、最初にナスと葱、次に塩ツクネと葱、そして最後にたれツクネとナス。
そうすることでなるたけ熱々を食べれる。
焼き方はさっきと同じ。
ただ仕上げに砂糖5、酒15、みりん15をいれて半分に煮詰めて、醤油を15いれて絡ませて、仕上げに少しトロミをつけて完成。
ナスビは皮を上にして8割焼き、最後にひっくり返すくらいの焼き方だとトロッとする。
皮が蓋になって水分を閉じ込めてくれる。
あれば少しだけ溜り醤油をいれるとタレのコクが深くなります。
どーでもいいけど、溜り醤油をいれて黒色が広がる瞬間って良いよね。
ヤミヤミの実を食べたどっかの海賊みたい。ゼハハハハ~
・ツクネの食卓
この日は鶏ツクネがメインの食事。
シソがめっちゃ良いです。
タレ味のをシソで包んで食うのが好き。
ちなみにこのサラダは1人ひと皿。
野菜をいっぱい食べるのが我が家の食事。
鶏ツクネと玉子豆腐って合うなぁ。とか思ったけどそりゃそうか、親子だわ。
・鶏団子の茹で汁について
ご察しの方もいらっしゃるでしょうが、そうです、鶏団子の茹で汁がスープになるんです。
そりゃ美味い出汁やけんね。使うよね。
漉しても良いし、漉さずに使ってもいい。
この日はエノキ、トマト、ネギをいれ、醤油や胡椒で味を整えて完成。
和出汁ベースだけど、かなり鶏の良い味がでます。そりゃそうだ。
一方この日は木綿豆腐と鶏団子をそのままスープに。
仕上げにたっぷりのワケギと黒胡椒をいれると味が締まって美味い。
お店で良く鶏団子を作ってて、その度に茹で汁をまかないに使ってたなぁ。
汁物にするのはもちろん、これで煮物とかすると堪らなく美味いんだなぁ。
筑前煮なんてやったら最高。おでんやら鍋にも良い。
これを豚でやりゃあ沖縄そば的な出汁になる。
鶏の茹で汁についてはここでも書いてるから気になったら読んでね。
・お月見はお団子よね~
9/10はお月見だった。
偶然にもその日は友人のいるシェアハウスで飲む予定だったので、鶏ツクネを持っていった。
その場で焼いて仕上げ、お月見団子らしく重ねて盛った。
合わせたのは焼きししとうとシークヮーサー。
他にも秋らしくキノコの三杯酢漬け、トロタクで細巻き、焼き枝豆、だし巻き玉子。とリクエストや好みに合わせた料理をちょこちょこ。
タッパーで出してんじゃねえ!!って言われるかも知れないけど、この家には皿が数枚しかないから仕方ない。
色んな暮らしがある。人間だもの。
久々の友人達と月を見ながら日本酒を飲む。
出会った頃はよく飲み会をしてたのに、この数年はめっきり減ったなぁ。
けどやっぱ友と飲む時間は幸せだ。俺の飯をウメえ!!って食ってくれるの嬉しすぎる。
あぁこういう時間の為に料理してるんだなぁ。としみじみ。
良い日だった!
夏が終わってしまいそうだ。。。
いつもありがとうございます。 どこまでも美味しい料理の為に使わせてもらいます、ありがとう。