見出し画像

春の苦味喝采レシピ。

”幼い頃に苦手だったけど大人になって好きになった味”というのはどうしてこんなに魅力的なのだろうか?
パクチー、ぬた和え、ガスパチョ、ゴーヤ、ピクルス、レバー、、、そして山菜、今じゃ進んで食べるのに。

味蕾が減ったとか味の感じ方がとかそういう小難しい話は置いといて、今日はいくつかの春の山菜の話をしよう。


・冬眠明けの熊のように山菜を食べる日々

いや、熊がふきのとうを食べてるとこを見たことはないんですけどね、

ふきのとうを買ったり、タケノコを掘ったり、木の芽を摘んだりしていたらご近所さんから山菜を貰った。
思いがけず山菜パーティーな我が家。

色んな食べ方をした中で特に気に入った物をいくつか紹介していきますね。
では、はじまりはじまり~

・ふきのとう

まずはみんな大好きふきのとう。
山菜系の切り込み隊長、春を告げる。

君は君こそは山菜日和の使者~

近所のマルシェで安くなってたのをたっぷり買ってふき味噌とふきバターをこさえる。

まずはよく洗って茶色い部分を切って、そして一気に茹でる。

ここの勢いが大事で、ボコボコに沸いたたっぷりのお湯にいれて速攻で混ぜる。
一気に高温にしないとアクが回って変色するし、美味くない。

できたら冷水にとって冷まして搾って刻んで使う。

・ふき味噌

まずはふき味噌から。
細かく刻んだふきのとうと少しのほうれん草の葉。
ほうれん草は”青寄せ”と言い色の為に少量いれるのだけど、このまろやかな甘さがはいるのは味の面でも良い。

ゴリゴリと潰していく。

で、少しずつ味噌を足して更に細かくすり潰す。

これくらいで完成。

お味噌は白味噌に酒、みりん、砂糖、を混ぜて練ったもの。
詳しくは後ほど。

まずは味見、おにぎりに塗って食べるん大好き~~

ちょいと水で延ばして厚揚げに塗るのが大本命です。
一番好きなふき味噌の食べ方。

他には焼いた鶏や豚、白身魚に塗って焼くのもいい、湯豆腐なんかにも合うしバケットにも合う。
延ばして和え物に使うのもたまらんよ~

・ふきバター

おまけでこさえてみたけど最高に美味いブツじゃった。

茹でて冷して搾って刻むまでは同じ。

それを柔らかくしたバターと混ぜて極少量の薄口醤油で完成!!
これがね!!奇跡的に美味い。

焼いたタケノコにふきバター
最高です、最高すぎる。

バケットに塗っても美味いし、ごはんにも合う。
これまた作ろう、美味いわ。
ホタルイカと一緒にピンチョスにしてワイン飲みたい。

で、欲張りセット。

小粒の新じゃがを茹でて軽く潰したのと厚揚げを焼いて、新じゃがにはふきバターと明太子バター、厚揚げにはふき味噌。
こんなんもう美味いじゃん。。。

見た目の可愛さも美味しさもべらぼうに良かった。うむ!

・木の芽と花山椒

山椒の葉はなぜか木の芽と呼ばれる。
他の木の芽はどうなるんだと思っても木の芽は山椒だけだ。

山椒の木がある家で摘ませて貰った。
こんなあっても使わないからってね、ありがてえ。

まずはそのまま使う。
最近イワシの物が良いのでバチッと焼いて蒲焼き、粉の山椒で食べる所を生の葉っぱ。たまらんね~

豚の照り焼きにも合う。
花山椒も貰ったのでね、最高。

・白玉味噌の話

さっきのふき味噌でもそうだけど味噌は練る物だ。
コイツが厄介で手間も時間もかかる。
ので大変な人は買ってくるか、酒とみりんを煮詰めたのと砂糖と味噌を混ぜるだけでも。

白玉味噌の作り方
酒150、みりん30、砂糖80を鍋で半分に煮詰めて
白味噌300g混ぜて更に煮詰めつつよく練る。

卵黄をひとつ入れてよく混ぜて火にかけて練る。
黄身と味噌を手早く混ぜないと黄身が固まってボソボソになるので注意。
で、更に練って完成。

正直めちゃめちゃ大変。
味噌が跳ねて熱いし、時間かかるし、焦げやすいし、でも美味いんだ~

・木の芽味噌

写真で見て分かるようにゴツい。
ちょっと硬いくらい葉がデカくなっているので枝をとらないといかん。

そんでサッと茹でてすぐに冷水で締めて搾る。

で、さっきのふき味噌と同じようにゴリゴリしていく。

ちょっと硬い木の芽だったので粒が粗い。。。反省。
もうちっと茹でるか刻むかすればよかったかな~

すり鉢に残ったのでタケノコを和えて食らうのは作った人の特権。

もちろんちゃんと作りましたよ。
木の芽味噌和えはタケノコが定番だけど、同じく旬のホタルイカやウドなんかもいいね。

焼き物にも良い、海老やイカ、白身魚や鶏肉に塗って焼くのも美味いし、厚揚げやおにぎりにも合う。
爽やかな香りが春。

・こごみ、たらの芽、こしあぶら

ご近所さんから春が届いた。
春を知らしてくれるご近所さんって、妖精とかコロボックルなんじゃないかな。いつもありがと~~
タケノコと春野菜をお礼に返す。

・山菜てんぷら

まぁまずは天ぷらだよね!!
こればっかりは避けられない。

晩飯のメニューを急遽変更、鶏は後日。
ちょうど新しい綺麗な油でスタート、薄衣でサクッと。
山菜は塩で食うのが好きだ!!ほろ苦くってたまらない。
あぁビールに合う。合いすぎる~~

・こごみのおひたし

こごみは山菜の中ではかなりお手軽だ。
茹でれば食える。筋もなければアク抜きもいらないえぐみや渋味も淡く食べやすい。
なんつーか優等生だ。

味も優等生で苦味が淡く食べやすい。
粘りがあるのも好き。

少しのポン酢、それとゴマ。
サッパリ味とすり胡麻のコクが合う。

・コシアブラのおひたし

山菜の女王って言われてるんだってね、確かに気品のある可憐な見た目ですわよね。

この子も優秀でほぼ下処理無しで茹でて食える。
そんでしっかり苦い、苦くて旨くって爽やかな香り。
うめえべえ~!!

たらの芽のバター焼き

これもたまらなく美味かったなぁ~
バターでサッと炒めて少しの水をいれて蒸し焼き。
仕上げに薄口醤油を少々。

バターの甘さとまろやかさがタラの芽の苦さや強い香りを包んで穏やかにしてくれる。
食べる度にもうひとつ食べたくなるそんな味。

これはね!!ビールに合うんですよ~~
山菜とビールの苦味の相性って素晴らしいよね。

これを食べながら思ったんだけど、ふきのとうバター的にタラの芽バターってのもできないかしらね。
どうだろう。と思ったときには食べきってた。
またの機会。

・長い冬はおわりかね~

村上春樹の最新作を読んだ。読み終えた。

中学三年生の冬に受験からの逃避で読み始めてハマったからか、冬になると無性に読みたくなり数ヶ月間ひたすら読み、春になるとおしまい。
はい、また来年。

年中読むときっと生活に支障がでるし、数年に1度読むくらいがちょうどいい作品も多いからね、冬限定のお楽しみってわけですよ。

けれど今年ばかりは冬を延長させるしかない。
だって久し振りの新作だもの!!

で、毎晩すこしずつウイスキー(スタンダードのワイルドターキーだ)を呑み読み進め、やっと読了。
ああよかった。

ネタバレはしたくないしするのも難しいのでなにも言わずに去ります。うむ。

これでやっと冬はおわり。
と思ったら最近は妙に寒いし、みなさま体調管理しっかりしましょうね。
季節の物をしっかり食べて、心身健やかに過ごしてくださいね。

ではまた。


いつもありがとうございます。 書くの大好きだけどやっぱ大変だから、サポートして貰えると持続性が増します。