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メンタルヘルスを知るために

みなさんこんにちは、ヘルスケア&フィットネスのお仕事や学びをサポートしている工藤です。

本日のテーマは「こころの健康」です。

私は長らくフィットネス業界で仕事をしていました。

現在は業界でいうと「ヘルスケア」の領域で仕事をしています。

前者はどちらかというと、身体面の健康を提供価値の軸としています。(社会的なつながりなど、提供価値は身体面に限りませんが)

後者の領域は、フィジカルとメンタルの両面を含むことが一般的です。

昨年私は、ヘルスケアの事業領域についての記事を発信したことがありました。

しかしこの時の記事では、私自身の理解不足もあり、こころの領域について触れられることがありませんでした。

上記内容の発信後、私は心理学の学ぶ機会を増やし、仕事でもこころの健康、つまりメンタルヘルスに携わる機会が増えるようになりました。

以上の背景から、本日はこころの健康について理解を深めるためのドキュメンタリー(文庫)をご紹介します。

著者は、ベストセラー『絶対音感』をはじめ、数々の受賞歴を持つノンフィクションライターの最相葉月氏。

5年間の取材を経て本書を執筆されたそうです。

こころの病、治療の本質を理解するために、自らカウンセリングを学び、セラピストとクライエントの関係性を読み解くという内容です。

序盤は著者の素朴な疑問から始まり、その学びやプロセスを追体験する構成となっているので、メンタルヘルスに縁遠い人でも理解しやすいのではないかと思います。

例えば、序盤に下記の書き出しがあります。

まず、カウンセリングという言葉自体があいまいである。

さらに、こちらの記述。

カウンセリングを行う人を意味する「カウンセラー」という言葉はそれ以上にあいまいである。

たしかにその通りなのですが、一般的にこれらを言葉にしたり、疑問を呈している本は少ないのではないでしょうか。

臨床心理士、精神分析家、産業カウンセラー、公認心理師、認定心理士、認定カウンセラー、認定臨床心理カウンセラー…

呼称や資格の乱立についても、著者は問題提起をしています。

治療を必要としている人が困ってしまうだけだと。

しかし、問題提起で終わるのではなく、しっかりと国内外のカウンセリングの歴史を遡り、現在に至るまでの過程も解説されています。

通常は密室のため公にはされにくい情報も、もちろんプライバシーには配慮した上で発信されています

失明された方が箱庭療法を受ける事例は、私にとって非常に印象的なものでした。

また、診断基準にも歴史があり、現在までに進歩したこともあれば、新たに生まれた課題があることもわかります。


こころの健康について、距離を感じている方であるほど、得られるものが大きい。

そんな一冊として、本書をご紹介いたします。

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