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未来は予測できないとしても

みなさんこんにちは、ヘルスケア&フィットネスのお仕事や学びをサポートしている工藤です。

前回は「未来予測」についての記事を発信いたしました。

未来予測を完全にすることはできない。

それでもただ思考停止するよりは、未来についてあれこれ想いを巡らせることは悪いことではないのではないか…という内容でした。

本日はその流れから、「将来のシナリオ」をテーマにした記事です。

まず初めにお伝えすると、将来のためにシナリオを作りましょうということを発信したいわけではありません。

未来の予測不能が前提としてあった上で、その「準備」のひとつとして、シナリオ・プランニングという方法をご紹介いたします。

シナリオ・プランニング「戦略的思考と意思決定」/キース・ヴァン・デル・ハイデン、ダイヤモンド社

本書について、まずは山口周氏の解説をご紹介します。

この本を読む最大の効用、それはシナリオ・プランニングの限界を知ることにある。シナリオ・プランニングが意思決定をする際に一定の「わかりやすさ」を提供することは否定しないが、過度に依存するのは危ない。シナリオ・プランニングについては、手法上の限界も理解した上で、適切な文脈において活用したい。

頭から否定での紹介という内容…。

将来について物事を決める際には、わかりやすいものではあるけれども、想定通り物事が進むわけではないので、活用する際は気を付けましょうということだと思います。

 

本書では、シナリオプランニングは下記のように定義されています。

「シナリオ・プランニング」は、成功のためのフレームワークを提供するものではなく、不確実な時代に対応できる「能力」を企業組織が身に付けることにより、成功を勝ち取る方法を提供するものである。

1998年に出版されていて、この記述内容。

不確実な時代、変化の激しい時代…このようなワードはいつの時代でも使われ続けているのかもしれませんね。

若干抽象的な定義ではあるものの、「考える手順を学ぶ」ひとつの有効な方法だと思います。

また、下記のようにシナリオ作成者のスタンスを分類しています。

・合理主義

・進化論

・プロセス思考

端的にまとめると、合理主義者は未来は予測できるものと考え、進化論者は未来は予測できないものと考える。

プロセス思考者はその中間。

たしかに未来について物事を述べる上で、3つのいずれかのスタンスには当てはまると思います。

その上で、本書では3つのスタンスをバランスよく用いましょうと述べられています。

人は誰でも既存の「メンタル・モデル」があるので、「斬新さ」がなければなかなか情報に反応はしてくれません。

新しい視点をもたらすシナリオが、思考のプロセスに「新たな骨格」を与えられるということです。

 

たしかに、未来について予測できないと悲観するだけでは、推進力が生まれません。

かと言って、偏った思考で将来を決めつけることも危険です。

本書を参考に、シナリオ=考える手順について学ぶことは、未来の準備につながっていくのかもしれません。

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