501日の重み
みなさん今更ながら明けましておめでとうございます!私事でかなり久しぶりの更新となってしまいました…。
年末年始はいかがお過ごしでしたか?
私は昨年の12月30日まで仕事だったので、31日からの休暇でした。
少し日はさかのぼりますが、本日は大晦日に開催された格闘技イベント『RIZIN(ライジン)』についての記事です。
あまり興味のない方からすると、31日夜にはフジテレビとTBS(関東圏の場合)でなんだか格闘技らしきものを放送していた、という程度の認識だったようです。
ちなみに、フジテレビの番組が総合格闘技のRIZIN、TBSがボクシングの試合でした。
私は先月、格闘技に関してこちらの記事を発信していました。
記事の内容を端的にお伝えすると、右膝前十字靭帯の断裂と半月板損傷の影響で、1年4ヵ月振りに復帰する選手が、今回RIZINに参戦する。
そのチャレンジには非常に勇気をもらえる…そんな内容です。
選手の名前は、堀口恭司さん。
総合格闘技というジャンルで世界的に有名な選手です。
彼の強さ以上に、私は堀口選手の人間性に敬意を持っていました。
精神的な強さ。朗らかさ。謙虚な姿勢。
怪我をしてからも前向きな姿勢は変わりませんでした。
しかし、試合復帰にあたっては不利な条件ばかり。
夏以降にやっと運動が再開できたばかりの短い準備期間。
また、前回68秒で記憶をなくすほどのKO負けをしているチャンピオンが対戦相手なのです。
応援しているとはいえ私は不安でした。
もっと準備期間を設けて有利な条件でやった方が良いのでは?
多くの人と同じようにそう思っていました。
ところが、堀口選手は言い訳ひとつすることなくリングに上がったのでした。
私は試合当日、本人以上に緊張していたかもしれません。
どんな内容、どんな結果であれ、試合の最後まで心から応援しよう。
そんな気持ちでした。
大会15試合のうち最後の試合。
堀口選手が入場。
いつもリラックスしている堀口選手の表情が明らかに違います。
固くなっているのか。想いが強くなっているのか。集中しているのか。
どのようにも受け取れる表情でした。
いよいよ試合が始まります。
緊張感ある空間。
堀口選手のふくらはぎを狙ったキック(カーフキック)が朝倉選手を直撃。
スピードは戻っているように見えます。
一度目は朝倉選手がバランスを崩す。
組み合うやり取り。
二度目、三度目のカーフキック。
朝倉選手は倒れて床に手を付きます。
そして四度目のカーフキックで明らかに朝倉選手の様子が変わります。
足を引きずっているのです。
会場全体がざわめきます。
私も鼓動が高鳴りました。
しかし堀口選手はすぐに攻めません。
堀口選手のトレーナーであるマイク・ブラウンが「patient(我慢だ)!」と叫びます。
この一瞬のために長い時間を費やしたのです。
勝利を確実にするために、我慢。
打ち手がなくなった朝倉選手は力を振り絞り、とび膝蹴り…をした直後でした。
堀口選手のカウンター。
そして、朝倉選手のこめかみをパンチで打ち抜き、そのまま倒れた朝倉選手を攻め続けます。
積み重ねが報われた瞬間でした。
レフェリーが間に入る。
カンカンカンカンカン…
勝者!!
堀口ー恭司!!!
ワーーーーーーーーッ!!!
時間は1ラウンドの半分。わずか2分48秒。
一瞬の出来事に会場総立ちです。
501日ぶりにカムバックした堀口選手がチームで戦略を立て、しっかり準備を整えての完勝でした。
決着後、今まで見たこともないくらい堀口選手が叫んでいました。
501日。
一体どんな想いで、どれほどの積み重ねをして、この試合に臨んでいたのだろう…。
私は久しぶりにエネルギーあふれる気持ちになりました。
短期的には不幸と思える出来事。
しかしそれを契機として、人はより成長できる可能性がある。
いまの社会状況に勇気を与えてくれる試合だったように思います。
怪我をする前には戻れない。
では、いま、何をするべきか。
今の自分達にも当てはまるのではないでしょうか。
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