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雑記ー5月の走り書きエッセイ

暖かな陽気に包まれ重い腰を上げよう

運動の季節がやってまいりました。
夏に向けて「ダイエットに取り組む宣言」を
どこかで聞きました。
その度に、ジムやヨガなど契約したり解約したり.…。
「絶対ヤルから!」といって続いた試しがないのは
どこの家庭でも一緒ですかね。

有言実行

人によってとらえ方が異なるでしょうな。
「やるときは周りに宣言してからの方がいい。
なぜならやらざるをえなくなるから」
そんなことをおっしゃる方がいますが
大抵の場合ですと、その本人もヤレた試しがないものです。

私の場合は、ダイエットやら禁煙やらを始める時は
誰にも言いません。ひっそりと始めます。
誰にも見つからぬよう、誰にも気づかれないように
細心の注意を払ってことを始めるのです。
気付かれた時点で"GAME OVER"です。
ミッションを失敗した老兵はただ去るのみです。
ウキキッ

人生はセーブ用の空きスロットがないのでキツイ。
初見殺しの無理ゲーですわな。

生まれ変わりを信じる乙女は

ある晩、唐突に妻が言いました。

「生まれ変わったら何になりたい?」

これは宝くじが当たったらどうする?と
同じくらいのking of 愚問なのだが
明日から仕事を再開するという彼女が
仕事前夜にポツリと呟いたので
無碍にすることもできず、
私はこう答えた。

「生まれ変わりはしない。”死”すなわち”無”だ。何も残らず、何も見えない。そこで全て終わり。もう何も考えなくてもいいんだ。考えるという意識さえも無になるのだから、肉体が消えて存在が消える。再び人生という修行の旅に出たいとも思わない。この世は酷く辛くて素晴らしいものだった。感動が薄れるくらいなら、これをもって最後の旅にしたい。俺の人生は現世の俺だけの1度きりのものであるべきなのだよ」

急に語りだした夫の様子を気にも留めずに
妻はリビングで服を脱ぎ散らかしながら
モゾモゾと寝巻に着替え始めた。

・・・・選択を誤ったか?いや、これは質問の
ように聞こえるが実は答えなど求めていない
いつものパターンの奴だ!

自分がふと思いついたから
それを言いたくて、まずは私に話を振っただけの
お得意のパターンの奴に違いない。
実際に質問しといて何のリアクションもないッ!
これは「君はどうなの?」と聞かれたいに違いない。
それを待っているに違いない。絶対にそうだ。

いつものように私の答えなんて、まるで
聞いちゃいないんだ。もちろん私もそれを
前提で答えてしまったから、沈黙に耐えられずに
「君はどうなの?」と聞かざるを得ないではないかッ!
だがしかし

今日の私はいつもと違う

「でも、もし生まれ変われるのだとしたら―」
と真面目なトーンに転調しながら言いかけ

まだ着替え途中の妻に近づき
正面から肩を抱きながら

「また君に出会える人生がいい」


相手の意表を突くような一撃を放った。
急に舵を切った頭のオカシイ旦那に対し
(コイツはヤバイ奴だ刺激しないようにしよう)
と感じたのだろうか彼女は慌てたように
「わ、わたしも、そ、そうかなwww」

最初からそれが言いたかったんだよねーと
言わんばかりに力づくで空間を
捻じ曲げようとしてきたので

「無理は体に悪い、本当の答えを言いなさい」
と仏のような優しい声で促すと
自らの愚行を恥じたのか、俯きながら右を指さし
こう答えた





「・・・猫になりたいです」




そこには横になりながら欠伸する
我が家の幸せな猫ちゃんが1匹。



気持ちはわからんでもない。

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