見出し画像

マンガ「月曜日のたわわ」新聞広告の炎上を調査したら、まとめサイトに転載されまくった人の新たな調査と考察

※この記事は300円の有料記事として設定していますが、無料で全文を読むことが出来ます。
課金頂けると、下記の追加調査の単純集計表(PDF)がダウンロードできるようになります。
もし応援してくださる方がいましたら、課金頂けたら嬉しいです!


本日までの「月曜日のたわわ新聞広告」を取り巻く状況

こんにちは、いっちゃんと申します。
皆さんは、マンガ「月曜日のたわわ」の日本経済新聞(2022年4月4日)全面広告が炎上した事件をご存知でしょうか。

この炎上についてリサーチ会社に依頼して調査を行い、Twitterで発信したところ、2万いいね、1万リツイートと多くの方に拡散されたことから、私の考えを記事にまとめたところでした。
ここまで拡散されたのは、まとめサイトやネットメディアに転載されたことも影響したかもしれません。

しかしその翌日、まさかの国連女性機関(UN Women 日本事務所)が「月曜日のたわわの全面広告は容認できない」として日本経済新聞社に抗議を行うという驚きの事態が発生しました。

国連女性機関が動いたことにより、ネット上では以前に増して賛否両論が巻き起こっており、一般の方どころか、メディア関係者コメンテーターなどに加え、地方議員国会議員まで意見や行動を表明する事態となっています。

なお、私は上記の国連女性機関の抗議について、反対の意見を窓口に送付し、その内容を公開しています。

問題ないと提示された広告についての調査

ネット上で様々な意見が交わされる中、「この広告なら問題ない or 問題ある」といった形で、賛成反対それぞれの側から、様々な広告の例が示されています。

そんな中、私が公開した記事を引用して頂いた下記の記事に注目してみました。

この記事を書かれたharuさんは、記事を読む限り、月曜日のたわわの新聞広告について否定的な立場の方です。
また、記事内に有名な成人向け漫画家についての記述がある他、女性が男子高校生を性的に見ることを肯定しており、共感出来る部分もありました。

そして、「モラルがある」「広告の意図がよい」「メッセージ性がある」などの理由から、下記の新聞広告は問題ない例として挙げられています。

2016年9月29日の日経新聞朝刊に掲載された、タレントのベッキーさんを起用した見開き全面広告

上記の広告は、Twitter上でも多くの方が是非について論じているもので、時期は少し前ではありますが、同じ日経新聞の全面広告ということもあり、「月曜日のたわわ」新聞広告の調査と同条件(日本全国の15~29歳の女性100名を対象)で、追加調査を行うことにしました。

結果、10代~20代の女性の傾向として、37%が問題がある、63%が特に問題はないと回答しました。
「月曜日のたわわ」新聞広告と比べると、問題があると回答した人が19ポイント多い結果となりました。
特に10代女性では「月曜日のたわわ」新聞広告よりも、問題があるとした回答が28ポイント多く、有意な差が見られました。

なお、「月曜日のたわわ」広告に否定的な人は、ベッキーさんを起用した広告を必ずしも肯定しているというわけではありませんが、haruさんを含め、インターネット上でその傾向はみられるため、大変面白い結果となりました。

なお、この調査方法では、誤差の少ない正確な数値は出ない(10%ほど標本誤差がある可能性がある等)が、傾向を把握するデータとして採用できるものであるというご意見を、専門家の方を含め、多くの方から頂いております。

前回までの調査と、本調査を踏まえ、「多少性的であれば、若い女性の1~3割は新聞広告としてなんとなく微妙だと感じるが、問題ないor興味ないが多数派」というレベル感の話でしかないと私は感じます。
これらの広告に、なにかの危険性があるとはとても思えません。

正しい商品や広告とはなんなのか

今までの「月曜日のたわわ」新聞広告を巡る様々なネット上の議論を見ていると、『性的な被害を受けてきた女性たちを利用し、「有害なステレオタイプを撤廃」するための審査で利権を得ようとしている人々がいるのではないか』という意見が散見されます。

これらはなんらかの証拠があるわけではありません。
ただ、もし仮にこれらが事実だとするなら、とんでもない問題が起こります。

『日経新聞にジェンダーの専門家が関わって「有害なステレオタイプを撤廃」した広告に限ることは、何も問題ないじゃないか!』という意見は大きな誤りだと感じます。
例えば、2019年に百貨店大手のそごう・西武が、女性のエンパワーメントを意図して企画した日経新聞の全面広告には、多数の批判が集まり、「月曜日のたわわ」新聞広告にも反対し、国連女性機関とも関わりのある治部れんげ准教授を始めとした専門家の意見もあり、そごう・西武が謝罪に追い込まれる事態となりました。

広告の意図に関わらず、これらの専門家のさじ加減一つで、広告の是非が決まる恐れがあるのです。

ちなみに、日経新聞の広告を朝日新聞や東京新聞が批判する下記の記事は、朝日新聞系列のハフィントンポストが問題を拡大させた今回の「月曜日のたわわ」新聞広告の流れと近いものを感じます。

そもそもの話になりますが、100%問題のない商品や広告というのは存在するのでしょうか。

私は広告の専門家ではありませんが、いわゆるお客様対応の経験がある方なら一度や二度は、クレーマー対応の経験があると思います。
温度感の高いクレーマーの方ほど、商品に問題は無いにも関わらず、まったく筋の通らない話で謝罪を要求してきたり、女性蔑視をあからさまにし「上司を呼べ!お前じゃ話にならない!」と喚き散らすことさえあります。
ジェンダークレーマーがしていることは、まさにそういったことではないでしょうか。

また、当たり前のことではありますが、商品や広告の意図は、受け取る側によって様々です。
今回の「月曜日のたわわ」広告に対する意見は、性別問わず賛否が分かれているというだけではありません。興味がない人、呆れている人、そしてこの炎上に乗じてアクセスを増やそうとする人もいます。
私は、こういった様々な意見や反応こそ、多様性なのではないかと思います。

日経新聞社内の審査を通った広告を、ジェンダー専門家で構成した外部機関が再審査を行うことで、果たして社会はよい方向に向かうのでしょうか。
誰も傷つかず、企画した意図が正確に伝わる、全員が満足する広告しか許されない社会。それは果たして、多様性のある、多くの人が望む社会なのでしょうか。私は疑問です。

性被害をなくすために本当に必要なこととは

この「月曜日のたわわ」広告が問題になっている影で、電車内で女性の服を切りわいせつ行為をした男が逮捕されるというニュースがありました。
このような卑劣な行為は、決して許されるものではなく、女性の権利を踏みにじる罪であることも含め、大きく報道して欲しいと感じています。

そして注目しなければならないのは、この犯人は電車内に設置された防犯カメラが決め手となって逮捕されたということです。

なお、上記の犯人が乗っていたJR東日本の在来線では、2020年に首都圏の全車両へ防犯カメラの設置が完了しているようです。
しかし、未だに私鉄の一部は、痴漢の被害の多い区間であっても、防犯カメラの設置が完了していません。
2021年11月時点で、防犯カメラ設置率が10%未満という鉄道会社もあります。

ちなみに、初めてJRの電車内に監視カメラが設置されたのは、なんと2007年です。今から15年も前のことです。
電車内での痴漢や傷害事件が続く中で、なぜこれほどまでに設置が遅れているのかといえば、鉄道会社やマスコミだけの責任ではなく、私を含め多くの人の関心が低かったことが原因とも言えます。

ジェンダークレーマーを生み出している大きい原因のひとつは、性被害の実体験による歪みであると私は考えています。
性被害を防ぐ、一番わかりやすい方法のひとつは、防犯です。電車内の監視カメラ設置も、代表的な防犯のひとつと言えます。

個人が出来る防犯には限りがありますし、声のあげ方も難しいかもしれません。
ただ、もう一度自分の見の周りや、周辺の人の状況を考えてみて下さい。
例えば、友人や親戚が一人暮らしをしているのであれば、Amazonや楽天で2,000円程度で買えて、放置しておけば勝手に充電して光るセキュリティライトを取り付けてあげるだけで、性被害を未然に防げるかもしれません。

ガジェットが好きな人なら、IoT(主にインターネットを活用する機器)を使った格安セキュリティについて詳しくなるだけでも、今後誰かに求められた時に役立つかもしれません。

特になにか出来ることが見当たらない人も、上記の事件のことを周りの人に伝えて、危機意識を高めるだけでもよいと思います。

前回の記事でお伝えした、2022年7月の参議院議員選挙で表現規制反対を掲げる候補に投票すること、被害者への支援に加えて、防犯についても是非意識して頂けたら幸いです。

最後に、ここまで記事を読んで頂き、ありがとうございます。
そして記事を引用して頂きました、haruさんにも感謝致します。
今後、noteを更新していくかどうかは未定ですが、ツイッターでは今後もなんとなく発信していく予定ですので、よろしくお願いします。
https://twitter.com/1chan_nobit

【訂正 2022/4/18 21:48】
公開当初、下記の表現に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
・公開当初「問題ありと回答した人が全体で19%、10代では28%多い」としていた文中の「%」は、「ポイント」の方が正しい表記になります。
・公開当初「治部れんげ教授」としていましたが、正しくは「准教授」になります。


ここまでの内容

  • 本日までの「月曜日のたわわ新聞広告」を取り巻く状況 … まさかの国連下部組織や国会議員が反応する事態に

  • 問題ないと提示された広告についての調査 … 本当にジェンダークレーマーの言う「問題ない」は多数派なのか

  • 正しい商品や広告とはなんなのか … どんなに良いものでも「100%問題ない」商品や広告はないし、受け止める側による

  • 性被害をなくすために本当に必要なこととは … 防犯の強化で救われる人がいるという当たり前の事実

ここから先は

120字 / 1ファイル

¥ 300

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?