20歳の独立日記〜13日目〜

5月23日(水曜日)

慌てて起きた。今日は午前の11:00から大事な打ち合わせだった。しかも、顔合わせも兼ねた大事な打ち合わせ。起きた時間は10:00。到着時間を計算する。ギリギリすぎる。急いで身支度をし、自転車を走らせた。

結局着いたのは、約束の5分前。良かった。先方はまだ来ていないらしい。LINEで連絡。「お世話になります。到着しましたら、ご連絡お願いします。」すぐに返事がかえってきた。やっぱり、仕事出来る人は返事が早いなぁと思いながら、画面を見た。「お疲れ様です。明日の話ですよね?了解です。」

やっちゃった。そうだ、約束は明日だった。手帳にもバッチリ書いてある。それから、優雅にサンマルクカフェでコーヒーを飲みながら、今日の分のお仕事をした。

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帰りに、大好きな本屋さんに立ち寄った。何気なく開いたページにこんなことが書いてあった。「より美しく毎日を過ごすための工夫こそがオシャレなのだと私は言いたい」オシャレの本質は本当にこれだと思う。

昔から、「アパレル」が苦手だった。服売り場に行くと、選べないほどいろんな服があって、しかも山積みでたくさん。迫ってくる気がして、怖くなる。多くの人にわかってもらえないことは重々承知。ここから自分に似合う服をコーディネートするのなんて無理だろ、と色々考えてるうちに、店員さん登場。そそくさとその場を立ち去る僕。オシャレが分からなくて、オシャレな人が苦手でずっと避けていた。それはデザインの専門学校に入ってからも。

デザイン専門学校では服が好きな人、写真が好きな人が多かった。その人たちはもれなくオシャレな服装をしていた。僕は住む次元が違うんだ、と思って関わろうとしなかった。誰とも遊ばず、デザインに没頭した。単純に自分の頭の中にあるものが、目に見えることが楽しかった。ライブハウスでバイトをしていた僕は、17:00〜朝8:00までフライヤーを作っていたこともあった(もちろん休み休み)。日を追うにつれて、オシャレな人たちとの溝が開いていく。

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それが変わったのは専門学校2年生のとき。今の彼女に出会った。彼女が出来て、服装に少しは気を回すようになった。でも毎日選ぶのはめんどくさかった。だから、服の組み合わせを決めて、それをローテーションで回すことにした。いつも分からないのに、頑張ってこれとこれは合うかな?と毎朝考えていた。それが無くなった。似合う服を探すよりも、似合わない服を見つけるほうがラク。それを彼女が教えてくれた。

服をローテーションで回して、オシャレを"変に"意識しなくなった。「オシャレな他人」と「オシャレじゃない自分」という境目が曖昧になったんだろうと思う。それからの学校生活はかなり楽しかった。

今も滅多に服屋さんに行かない。選ぶことがストレスになるし、最低限の服装さえ持っていれば何もいらない。美しく毎日を暮らすための工夫がオシャレの本質。美しい毎日とは、自分が背伸びせずにゆったりと暮らせることだと思う。決して、服のセンスが良いことだけではない。お気に入りのマグカップがある生活はオシャレだと思う。

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夜はLedesoneという会社を経営する、20歳の社長と打ち合わせがあった。社長とは先日のGashoo主催のクリエイター交流会で出会った。

Ledesoneは福祉事業や子ども向けに、ものづくり教室を運営している。僕自身、グループホーム(障がいを持った方の自立支援施設)で住み込みで働いていた経験もあり、そういった活動にはとても興味があった。どうすれば集客につながるか、事業としてお金を生み出していくか、そういう話をたっぷりした。ロゴと名刺の依頼もお願いしてくれた。僕の提案した企画も、その場で「やりましょう!」となった。僕は提案型のデザイナーなので、クライアントには色々なことを変えよう、始めようと言う。社長は「そうやって考えてくれることがとても嬉しい。」と感謝してくれた。嬉しかった。

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昨日の深夜、突然不安になった。僕には毎月毎月、決まった額が振り込まれる訳ではない。割り切っていたつもりだったのだけど、急に怖くなった。チャットモンチーの歌に「夕日哀愁観覧車」という歌がある。「ちゃんと生きてけるだろうか。ちゃんと大人になれるだろうか。」悩んで、悩んで、怖くて、眠れなかった。でも結局、やるしかないと思った。行動するしかない。最悪、バイトをしよう。そうだ。それでいい。僕は今日も強く生きた。その記録を残す。



毎日こんな感じで、専門学校生やフリーランスになりたい方、デザイナーに転職したい方に向けてリアルな日記を書いています。参考になれば嬉しいです。

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[著者プロフィール]

モリクラヒロキ : 大阪を中心にデザインでスタートアップ企業・事業のサポートをしています。ロゴ、ブランディング、企画が得意。日本一夢を応援するデザイナーでありたい。就職率99%の専門学校を卒業後、すぐに独立しました。1997design代表。1997年生まれの20歳です。ライブハウスによくいます。コンセプトは「デザインは武器だ」。

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