【小説】ロックバンドが止まらない(95)
前回:【小説】ロックバンドが止まらない(94)
「神原君、お疲れ様。どうだった? 今日の仕事は」
窓の外からトラックが走っていく音が聞こえる中、四宮が声をかけてくる。暖房がかかった事務所は常に搬入搬出口が開いている倉庫とは違い、ぬくぬくとした暖かさがある。
そんななかで、神原は四宮の机の前に立っていた。四宮の目は細められていて、神原としても、応えるのに大きな緊張はいらなかった。
「はい、おかげさまで無事に終えることができました。いつも通り他のバイトの人とも協力して