【小説】ロックバンドが止まらない(107)
前回:【小説】ロックバンドが止まらない(106)
「どの作品にも力強いギターロックが貫かれていて、針生先生が皆さんの曲が好きだと言った理由も分かる気がしました。聴いていてエネルギーを貰うような、思わず走り出したくなるような思いに年甲斐もなく駆られて、このバンドに大切な第一期のオープニング曲を任せてみたいと、自然と思いましたよ」
「ありがとうございます」そう答え、胸の中では確かに感謝をしていながらも、神原の意識は自然と六平に向いてしまう。六平の自分たちへの評価が、どうしても