【小説】ロックバンドが止まらない(74)
前回:【小説】ロックバンドが止まらない(73)
ステージでの転換作業が終わると、間もなくしてフロアに流れていたBGMは止み、照明も落とされる。青く照らされるステージを全員が見つめる中で鳴り出したのは、神原たちの登場SEだった。
その瞬間小さくても確かな歓声が上がり、神原たちの心の火を煽る。自分たちも楽しみにやってきた観客がいるという事実は、ステージに向かう神原たちの足取りを軽やかにさせた。
四人は、神原を先頭にステージに登場する。鳴らされる拍手が、神原たちの気分を