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メンバーの強みは見つけるのではなく、つくるもの/マネアカ⑪

マネジメントを行う上で、メンバーの強みを理解することが重要ということはどのマネジメントに関するビジネス書にも書かれているように思います。そのため、このメンバーの強みは何なのだろうか・・・と躍起になって探そうとしているマネジャーの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方にぜひ読んでいただきたいと思うのですが、メンバーの強みを捉える上で大事な観点が抜けてしまってはいないでしょうか。

それはメンバーの強みとは、見つけるのではなく、開発するものということです。

どういうことか、お伝えしたいと思います。

強みと弱みの関係性

僕は常々思っているのですが、強みと弱みは基本常に表裏一体だと思っています。

行動力がある ⇔ 考えが浅い
思慮深さがある ⇔ 優柔不断
言い切れる ⇔ 傲慢
目標がない ⇔ 柔軟性がある

いくらでも捉え方はあります。

結局、ある特徴がどのように行動として表出化するのか。周囲に受け止められるか。自分が捉えるか。これら次第で変わると思うのです。

つまり、いかにして「強みとして表出する部分を伸ばすか」「弱みとして表出する部分を抑えるか」ということが重要になります。持論ですが、人はどうしても相手の悪いところに目が行きます。つまり、弱みとして表出化してしまう部分が多いと、その特徴は強みではなく、弱みと周囲から認知されてしまうのです。

そして、周囲の認知がいつの間にか自分自身の認知にも変わり、強みとして生かすことができなくなってします。そんな構造だと思います。

強みとして開発するとは

つまり、上記のような構造のため、メンバーには抑える行動と伸ばす行動を習慣づける必要があります。

この習慣が自然とできているメンバーもいます。

おそらく、そういうメンバーはあまり強みを捉えることは難しくありません。あるとしたら、言語化することの難しさとか、優先順位をつけることの難しさくらいでしょう。

ですが、多くのメンバーはこの抑える行動と伸ばす行動の習慣づけができていません。だからこそ、その特徴の自覚を促し、意識的に伸ばす行動をとれるようにする必要があるのです。

どれだけ素晴らしい特徴をもっていても、表出化しなければ意味がありません。また、メンバー本人が納得できないと意味がないとも言えますし、そのためにはその行動が強みであると周囲からも認められたり、受け入れられることも必要です。

特徴を捉え、強みとして表れるように促すことをぜひ意識してみていただきたいと思います。

実は子育てだって同じ

話が少し脱線しますが、これは子育てにも同じことが言えると思います。(そんなに熱心に子育てしていたのか?と妻に言われると何とも言えなくなりますが・・・)

子供の自己肯定感をどのように高めるか、ということに悩む親は多いと思います。僕はここにはその子の特徴を強みとして、捉えることができるかどうかが大きく影響しているように思います。

例えば、たくさんのおもちゃを出して、散らかしてしまう子供に対して、「なんで、片付けができないの?」と問い、うちの子は言われたことができない。片付けることができない。と捉えてしまうと、子供も「自分は片付けすらできない・・・」という認識になっていってしまうと思います。

一方で「こんなにたくさんの遊びができて、すごいね」と言うとどうでしょうか。好奇心が旺盛であることを強みに感じるかもしれません。

ちょっと極端な例だったかもしれませんが、「たくさんのおもちゃを出し、いろんな遊びをして、場を散らかしてしまう」という特徴を「好奇心旺盛」という側面を捉えるか、「片付けができない」と捉えるか。

子育てはそんな単純なものではないというご意見もあると思いますが、なんでもかんでも叱れば良いわけじゃないし、自分の価値観を押し付けてしまっては、相手の強みを開発すること、自己肯定感を育むことはできない。ということです。

つい自分の価値観で押さえつけてしまいがちですが、これをやってしまうと、どんどん自信を失ってしまいます。

いやいや、そうは言っても

また少し話は変わりますが、マネジャーの相談に乗っていると、「このメンバーは本当に強みがない。どうすれば良いか。」という相談を受けることがあります。

そんな相談に対する答えはいつもこうです。
「そんなメンバーなんていない」

確かに表出化している強みがないことはあるかもしれません。抑える行動がとれておらず、その特徴が悪い方向性にばかり出てしまっている、ということはあり得るでしょう。

ですが、特徴を見つけられないというのは「自分はマネジャーとしてスキルが足りない。無能である」と言っているようなものです。

まずは弱みに見える部分でも構わないので特徴を見つけましょう。その特徴が役立つものとして表出するとしたら、どのような場面で、どのように発揮することができるかを妄想してみると良いと思います。そうすれば、自ずと弱みとして表出する行動を抑え、強みとして表出する行動を伸ばせるのか。ということが見えてきます。

強みの開発の方向性が見えたなら、これを実現する方法は様々です。1つだけお伝えさせていただきますと、「心理的安全性を与える」ということによって、変わるきっかけを掴むことは個人的には経験上、多いように思います。

強みが見当たらないメンバーと言うのは、自己肯定感が下がってしまっている可能性が高いです。まずは心理的安全性を与え、弱みではなく、特徴として捉え、その特徴を強みに変える捉え方・行動としての表出のさせ方をメンバーと共に考えていくのが良いと思います。

終わりに

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
特徴の捉え方やメンバーマネジメントの仕方に関して、マガジンを書いています。ビジネス書ではどうしても理論めいた話が中心になりますが、僕のマガジンでは漫画キャラを題材に実践的に使えるコンテンツを発信しています。

初月は無料で読めますので、まずは試しに読んでみていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。


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