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働きやすさを重視した結果・・・/しくじりマネジメント

従業員と会社の関係性が変わってきた今日において、マネジメント上、部下(以下、メンバー)の働きやすさを担保することの重要性が増していると思います。エンゲージメントを高めることを経営・人事の方針に掲げる会社も増えていますよね。

言うまでもなく、エンゲージメントを高めるとは、メンバーの働きやすさを追求することだけではありません。ですが、いつの間にか働きやすさばかりを重視してしまっていたことにある時気づきました。

今日はそんな僕の失敗体験をお伝えしたいと思います。
皆さんの教訓•学びになれば幸いです。

なぜ働きやすさが重視されるのか

昨今は若手メンバーを中心に、働くことへの意識が変わってきていることは聞いたことがあると思います。終身雇用が崩れ、一人一人が自らのキャリアを形成しようとする時代になってきたため、会社への帰属意識が下がっている傾向が見られます。

一方で、2018年くらいから、働き方改革というワードが浸透し始めたこと。
人手不足が進む中、会社や組織もメンバーに退職されることへの影響が大きくなり始めていること。
これらの状況から、離職を防止するためにも、働きやすさを重視して、心理的な安全度を高めようとする風潮も増しているのではないでしょうか。

僕自身も「メンバーにとっての働きやすさを追求し、心理的な安全性を担保する。伸び伸びとチャレンジできる環境をつくることでパフォーマンスを高め、離職を防ぐ」
そう思っていました。

ですが、今は違うと思います。
いや、正確には、それだけでは足りないと思うのです。

働きやすさを重視した失敗

メンバーの働きやすさを追求することそのものが、決してダメだったわけではないとは思います。ただ、働きやすさをつくることを理由に温室環境にしてしまうと、メンバーの成長を遅らせてしまうのです。

もちろん、過去の僕も温室をつくろうとしたわけではありません。ですが、いつの間にか。いや、結果的に温室環境になってしまっていたという感じです。

例えば、メンバーのパフォーマンスを見て、どのように評価するか。上司の皆さんは悩んだことがありませんか?

自分と比較すれば、まだまだ足りていない。でも、何となく、この年次にしてはうまくやっているなぁ。とか、自分の若い頃と比べれば、すごく難しいことに取り組んでいるなぁ。とか。

そんな気持ちから、「OK」を出してしまったり、「この感じで良いと思う!」と甘やかしてしまったりすることありませんか?

褒めると甘やかすことは違います。その人にとっての変化・成長を褒めることはむしろ良いことですが、きちんと足りないもの・さらに伸ばして欲しいことも伝えないと、ただの甘やかしになってしまいます。

メンバーの仕事のパフォーマンスが期待に足りているのかどうかは、上司であるあなたの昔と比較して決めることではありません。もちろん別の先輩や同僚と比較して決めることではありません。顧客の期待に届いているかどうかによって決まるものです。

顧客の前では年次は関係ありません。必要であれば、上司や協働者を頼ればいいだけですから。それも含めて、顧客の求めるものに応えられているかどうかが重要です。

つまり、僕がやってしまった失敗とは、自分の曖昧な感覚でメンバーを褒めたり、OKを出してしまっていて、明確な基準を持てていなかったのです。そのため、顧客の期待に届いていなくても、過去よりもクオリティは高かった。よく頑張った。等の理由で肯定的なフィードバックだけをしてしまっており、結果的に温室環境をつくってしまっていたのです。


ちなみに、顧客の期待というと、うちは営業組織ではないから、基準となる顧客の期待・求めるものがない。と思われた方もいらっしゃるかもしれませんので、補足します。

僕は「顧客」とはモノを購入していただくお客様だけとは限らないと思っています。
採用担当であれば、学生が顧客とも言えます。
経営企画であれば、経営ボードメンバーが顧客とも言えます。

つまり、自分の仕事は誰に何の価値を与えるのか。ということを踏まえて、その相手の期待に応えられていなければ、足りていないのです。

3つのバランスをとることが重要

ここまではいつの間にか働きやすさを重視するあまり、温室環境を作ってしまっていた僕の失敗をお伝えしましたが、ここからは最近僕が考えている働きやすさのバランスについて、お伝えしたいと思います。

繰り返しになりますが、メンバーの働きやすさを重視することは決して悪いことではありません。むしろ、良いことです。

ただ、最近思うのは3つのバランスをとることが大事だと思います。
その3つとは、
・働きやすさ
・働き甲斐
・心身の健康

です。

働きやすさだけを重視するのは、単なる温室環境です。
ぬるま湯につまらないと思ってしまう人もいるでしょう。

働き甲斐だけを重視し、厳しい要望ばかりすると、心身の健康を害してしまったり、働くことそのものをしんどいと思ってしまうこともあるでしょう。

働きやすく、働き甲斐もある。でも、心身の健康が担保されない状況下では、そもそも働き続けることはできません。

つまり、この3つのバランスをとることが、メンバーの離職を防ぐためにも重要ですし、何よりメンバーの成長のためにも非常に重要です。

温室でもなく、孤独な状況でもなく、やりがいがあり、健康的に働くことができる環境。

上司はこの環境をつくることに注力する必要がありますが、個人的には上司はメンバー(本人)と共にこの環境を創ろうとすることが大事なのではないかと個人的には思います。

終わりに

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