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部下の成長に修羅場体験が必要ってほんと?/マネアカ⑩

前回、成長するには成功体験は重要であることや、上司は自分の成功体験をメンバーに押し付けないこと」ということをお伝えする記事を書きました。(まだ読んでない方はぜひ!3分ほどで読めます)

一方で、成功体験が人を育てる、というだけではなく、修羅場体験が人を育てる。ということも聞いたことありませんか?

修羅場体験というのは、本当に必要なのか、僕の考えをお伝えしたいと思います。

修羅場体験は必要か?

あくまで持論ですが、結論から言うと、必ずしも必要ないと思っています。

確かに成功している人に話を聞くと、昔の苦労話があったり、苦しい中でも乗り超えた経験、やり切った体験を聞くことがあります。というか、かなり多いです。そういう意味では修羅場を乗り越えることが人を成長させるのは、僕自身も実感値がありますし、事実ではないかと思います。

実際に修羅場のような経験が成長に最も効いたという研究結果も数多くあります。

では、そんな研究結果もあるし、獅子はわが子を谷に突き落とすと言いますし、
「部下に負荷をかけよう」
「大したサポートもせず、乗り切ってもらおう」
「これはお前のためにやっているんだよ」

そんなことを言って、部下に厳しい環境を与えることが部下の成長に繋がるのでしょうか。それはマネジメントなのでしょうか。

成長のための修羅場体験とは言い訳だ

成長に繋がる”修羅場”とは一体どんな環境なのでしょうか。

一般的には修羅場というと、
・独りでどうにかしないといけない状況
・理不尽な状況
・どうにもならないような苦しい環境

そんなイメージでしょうか。ちなみにgoo辞書によると修羅場とは「激しい戦いや争いの行われる場所」という意味だそうです。

ただ、必ずしも争いが必要であるか。どうにもならないような程苦しい環境が必要であるかと言うと、ちょっと違うと思うのです。僕自身、部下として70名以上のメンバーを見てきましたが、そんな環境に置かれなくても成長してきたメンバーはたくさんいます。

必要なのは修羅場ではない

では、改めて人を成長させる修羅場体験とは何かというと、
「経験のない状況・環境で仕事をすること」「逃げられない環境で仕事をすること」の2つではないかと思います。

・経験のない状況・環境で仕事をすること

これがなぜ成長に繋がるかと言うと、シンプルにこれまでにない経験を得られるからです。新たな知識を得られるからです。

経験のない状況・環境と言うことは、持っている知識だけでは太刀打ちができない可能性が高いです。身に着けてきたスキルだけでは乗り越えられない可能性が高いです。

だからこそ、それを乗り越えるための工夫・努力が成長に繋がる。ということですね。

・逃げられない環境で仕事をすること

先ほどお伝えした通り、理不尽な状況や誰の協力もなく独りでどうにかしないといけない状況が必要というわけではありません。

では、なぜ逃げられない環境で仕事をすることが成長に繋がるかと言うと、圧倒的な当事者意識を発揮することに繋がるからだと思います。

「自分でどうにかするしかない」「自分のパフォーマンスで結果が変わってしまう」そんな状況であれば、当事者意識を発揮せざるを得ません。しかも圧倒的なまでの当事者意識が必要になります。

だからこそ逃げられない環境で仕事をすることが成長に繋がるのだと思います。

つまり、「プロセスの中で新たな知識を取得し、結果的に新たな経験を得ること」「圧倒的なレベルで当事者意識を発揮する」ということができるなら、あえて修羅場に放り込まなくても成長できるのです。つまり、修羅場体験というのは、部下を成長させるためのイチ手段でしかない。ということです。

無理やり、メンバーに修羅場体験を積ませようとするのではなく、どうすれば知識・経験を積み重ねることができるか、どうすれば部下の当事者意識を高めることができるか。

これを徹底的に考えることがマネジャーに求められることだと思います。

終わりに

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