【書評】考え方を変えて、楽に生きようぜ!!! Think Clearly
こんばんは。電車広告でやたら宣伝されてる本、Think Clearlyを読破しました。あまりにも広告が目につくのと、『Think Clearly』というタイトルのカッコよさにベタぼれし、広告を目の前にしながらAmazonプライムで注文しました。著者の実体験をベースに、「心理学」「哲学のストア主義」「投資家の哲学」を参考としながら「複雑な現代社会を生き抜くすべ」を「考え方」の面から教えてくれる本です。
[書誌情報]
ロルフ・ドベリ, 『Think clearly 』最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法, サンマーク出版, 2019年
この本の中で紹介されている「クリアな考え方」には、思わず唸らずにはいられないものが多くあります。
「世界で起きている出来事に責任を感じるのはやめよう」
「解決よりも、予防をしよう」
「形だけを模倣するのはやめよう」
「世界の不公平さを受け入れよう」 etc...
見出しだけでもかなり興味をそそられる内容となっています。実際読み進めるときも夢中になりすぎて、なかなかやめどきが分からなくなりました。(集中しすぎて授業時間や電車の時間に遅れそうになったw)
文章の書き方もすごくわかりやすくて、大好きなのが、セクション一つ一つの最後は、段落が「結論。」から始まるところ。これ書き方めっちゃかっこよくないですか!?!?!? なぜセクションごとにこういう書き方がされてるかというと、この本は元々、筆者のかいたシリーズものの短いコラムを集めて構成されているからです。それにしても、セクションごとに内容が一つなので、ものすごいわかりやすい。本の構成そのものが「Clearly」なわけです。
さて、ここからは私の感想です。このロルフ・ドベリ氏の本を読んで、大きく変わった価値観が2つあります。
ひとつは、お金
ふたつめが、周りからの目線
についてです。以下、説明。
(1)お金の価値観
「モノ」ではなく「経験」にお金を使おう
筆者の主張するところです。よく言われるようなことですが、これはなぜかというと、以下引用。
結論。私たちは「モノ」が与えてくれる幸せの効果を過大評価し、「経験」が与えてくれる幸せの効果を過小評価している。
モノで得られる喜びは時間とともに消えていく。あなたが家(美川注:筆者の出していた、郊外の豪華な邸宅の例で、郊外ゆえの不便さが家の豪華さの価値を下げてしまうことを示す)のことで頭をいっぱいにしていたとしても、その思考はやがて、日常におけるさまざまな思考の中に紛れてしまう。だが経験で得られる喜びは、ずっと心に残り続ける。(p.147)
モノは壊れます。経験は壊れません。
プレイステーションを買って、ゲームをやるとします。
ゲーム機自体はやがて寿命が来て、ぶっこわれます
が、ゲームをするという「経験」は、こわれません。
対戦ゲーで勝利した喜び、ファイナルファンタジーで得た深い感動、魔法と剣の世界を自分の足で旅をした経験、西部劇の世界で仲間たちと仕事をして、キャンプで団欒をする。
そうした「ゲームから得た経験」は、ゲーム機という「モノ」が壊れても
決して壊れはしないのです。
そうした経験のパワーは、「お金」というものをささいなものにしてしまう。素晴らしい映画を観て深く感動したときや、いい演劇を見てエモく思ったとき、そのときに、それを見るために払った「お金」以上の価値が生まれるのです。
「モノ」「お金」は永遠ではない。
こわれるし、すぐなくなる。なので、いちいち思い悩む必要はないし、細かくなりすぎるのははっきりいって「時間の無駄」というわけです。
悩むのであれば、そのぶん「いい経験」にお金を払ったほうがいい。
お金はあくまで「ホワイトノイズ」として捉えておけばいい、とロルフ氏はいっております。
これ、「友人におすすめの店でおごる」という経験に近いです。私は大学近くのとあるラーメン屋のファンで、その味を味わってもらえるなら、喜んでおごりたいと思っています。そして、ある日それを実践しました。当然おごりなので一人で食うときより二倍の値段がかかったのですが、お金のことは全然気になりませんでした。なぜなら、自分が「うまい」と感じる経験を友人と共有できたからです。布教できたわけです。それを考えたら、たかが2000円なんてはした金だ!!と思います。
今までの自分はお金にみみっちかった。
妹にSwitch代請求
したり
サークルのおごり期間で金関連でブチギレ
したり
ゲームの値上げで文句言ったり
していましたが、この本を読んで、ささいな金の問題なんてばからしく思えるようになりました。
お金はノイズ。「経験」を得るための手数料のようなもの
と、ロルフ氏の文章を読んでから考えるようになりました。
(2)周りからの目線
周りからの目線はノイズ。
そもそも「周り」というのが自分の妄想。
これも衝撃を受けました。この世に生きる以上、というか人間である以上は「社会」との関わりなしでは生きていけません。そこで、常に「周囲からの評価」などを気にしながら生きるわけです。
しかし、ロルフ氏はそれをブッタギリ!!!!周りからの目線なんて
気にしちゃいけまシェーーーーん!!!!といっております。
以下、引用。
結論。世間の人々は、あなたについて好き勝手なことを書き、ツイートし、投稿する。あなたに隠れてひそひそ話をしたり、うわさ話をしたりする。あなたを極端に褒めあげたり、ひどい厄介ごとに巻き込んだりもする。どれも、あなたにはまったくコントロールできないことばかり。だが幸いなことに、コントロールする必要もないのだ。
(中略)
「いいね!」を押したり押されたり合戦はもうやめよう。自分をグーグルで検索したり、誰かの承認を求めたりするのもうやめよう。それよりも、自分で何かを成し遂げたり、胸を張れるような生き方をしたりすることに、注力したほうがいい。
(pp. 166~167)
SNSはヤバい。使い方が悪いと自分を見失う。
そう強く思いました。
自分の評価を「他人」に求めること、これがいかに危険か。
他人の評価なんてあてにならないものです。人の評価なんてすぐに移り変わります。著名人などで、生きてるうちにはあまり評価されなかったけど、死んだ後に評価が高まる人もいるでしょう。逆に、後世の人間にボロクソに言われる人もいます。他人の評価なんてものは、常に変動するのです。ゆえに信用できない。
自分をブレずに信じる。
ことが重要です。しかし頑固すぎるのもよくないです。ある程度他人の意見を聞き入れて、柔軟に対応するのも重要だと筆者は主張します。
他人もわからなければ、自分もわからない
なので、人生は常に模索の連続というわけです。
承認要求の塊
これを聞いて真っ先に思い浮かんだのが
売れない個人バーチャルYoutuber
のことです。
チャンネル登録者数を増やしたい!!注目されたい!!!ちやほやされたい!!貢がれたい!!!ファンに金おとしてほしー!!
というような承認欲が先行して、その代償として
現実と理想のギャップに絶望して引退。
そうしたバーチャルyoutuberを数多く見てきました。
その点からいっても、ブレない自分をもつこと、もしくはブレても軌道修正できるよううまくやること、が重要だとおもいます。
自分も以前は周りを気にいしていました。
バーチャルyoutuberをやっていたころはエゴサして評判がどうかとか、物申す界隈はどうかとか、、、、
正直全て下らないことでした。時間の無駄です。
それを変えて、ある程度他人を参考にしながらも
自分をしっかり持つ、そうした謙虚かつ力強いものに私はなりたい(KENJI MIYAZAWA)
結論
「世界は複雑だ。ゆえにそれを乗り切るための思考の道具箱があったほうがよい。」これはロルフ氏の伝えるところです。現代社会は一見便利そうなテクノロジーに溢れていますが、そのぶん余計な手間が増えたので、結果的には負担が増えている。ロルフ氏はこれを「パワーポイント」の例を出して解説していました。パワポは文字以外のアニメーションやデザインなど、無駄な装飾に手間をかける必要が出てくるので、かえって非効率だ。と氏は述べています。
情報に溢れた現代、SNS,ニュース,広告etc... 。全てを追うのは無理です。人間にはキャパシティというものがあります。流れてくる情報は制限したほうがいい、これもロルフ氏の教訓です。情報を全て追うのではなく、取捨選択し、自分に必要なものだけを活用する。人生においても同じように、無駄を省いて効率的に生きる。これが、「Think Clearly」の意味するところだと思います。
複雑な現代社会、それをどう生き抜くか?いかにして強固な「精神の砦」を作るか?その答えの一つとしてロルフ・ドベリ氏が編み出したものがこの一冊に凝縮されているのではないでしょうか。
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