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【書籍編】愛するということ(エーリッヒ・フロム)

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エーリッヒ・フロム著「愛するということ」について思いついたことなどを綴ったものをまとめました。
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2021年2月の記事一覧

絶対無を知ってから生じた「神」や「慣習・祝祭」に対する信憑性の話

絶対無を知ってから生じた「神」や「慣習・祝祭」に対する信憑性の話

なんかあるべき神の姿が絶対無であると知ってから、世の神にまつわる伝承や慣習や祝祭にどこまで意味があるのかわかんなくなってしまいました。

節分もそうなんです。

「起源は?ソースはなに?」といった具合に。

今は比較的安定してるんですが、「突き詰められた一神教」を知った当時は発狂手前くらいでしたね💧

世界人口の1/3を占める某宗教は「ただの相互保証の団体でしかないのか」って、それはもう酷く滑稽

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【読書感想文】愛するということ 3/3 「愛は技術」

【読書感想文】愛するということ 3/3 「愛は技術」

これまで、前々回の「分業はできない」ということ、そして前回の子育ての終盤に訪れる「巣立ちを望む我が子の背中を押してやる徹底した利他性の難しさ」というニュアンスの「母性愛の難しさ」を解説してきた。

3回目の今回は「愛は技術」について掘り下げていきたい。

愛は熱情に駆られた「運命的なもの」ではなく練習して身に着く「スキル」本書冒頭で「愛は技術である」と述べられている。

読了以前は私も世間同様例に

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【読書感想文】愛するということ 2/3 「母性愛の難しさ」

【読書感想文】愛するということ 2/3 「母性愛の難しさ」

前回記事で「精神的な態度は使い分けることはできない」という意味合いで「分業はできない」ということを紹介したが、今回は本書の特筆点の2つ目、「母性愛の難しさ」について述べていこうと思う。

母性愛の難しさこれだけ聞いてもさっぱりわからないかと思う。

「母親が子供に対して等しく最大限に無償で捧げるものであるだけに、そのどこに難しさがあるのか?」
文中の一文を見るまでは疑問符が残っていた。

母親は子

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【読書感想文】愛するということ 1/3 「分業はできない」

【読書感想文】愛するということ 1/3 「分業はできない」

昨年12月上旬に本書を購入し一通り読んで各種作業を終えるのに延べ一カ月半かかり、今しがたこの「読書感想文」を書くに至った。

著者のエーリッヒ・フロムという御仁については以前から名前は知っていた。

哲学をかじった身にしてはある程度なじみのある名前だったこともあってか、「愛とは何ぞや」という話題に関して真剣に論じられた数々の知見に基づく理論は比較的吸収がスムーズに行われ、かつて主観的に感じていた形

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