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エッセイ・散文

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#創作

愛すべき孤独と幸せと

愛すべき孤独と幸せと

私は自分に嫌気がさす。だって涙もろいから。自他ともに認めるほどに、本当に涙もろいから。
誰かを困らせるつもりなんてない。泣くとのちに頭が痛くなって頭痛薬を飲む羽目になることもわかっているのに、涙をこらえることができない。
どんな時によく泣くのかという質問は私にとってはナンセンスで、四六時中その可能性があるとしか答えられない。
コップいっぱいに水をくんで、それが溢れずに耐えてるあの構図と、私が涙を堪

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そうやって、また

そうやって、また

傷つきたくないから、傷つく前に、先回りして、顔色をうかがって、次に飛び出す言葉を予想して、その言葉に対する答えを頭の中に浮かべて、言い方をシミュレーションしてみても、たまに、あ、うそ、変化球きた、それは想像してなかったぞってこともあって、だから瞬時にまた別パターンの答えを思い浮かべて、しゃべって、ちょっといつもと声が違って、でも、なんとかその場をやり遂げて、そしたらさっきの空気がまだここまで続いて

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触れてみて。

触れてみて。

先生は言った。

「誰かに恋をする時。その人の顔や性格以外に惚れる要素があるとしたら、どこだと思う?」と。

数十秒悩んだ。
のちに先生は言った。

「文章よ」

と。

「文章には、その人の心が宿る。美しいところも、恥ずかしいところも、汚れたところも、全て現れるのが文章なのよ」

なるほど。
妙に、腑に落ちた。

日頃からnoteをはじめとするSNSや、個人間のチャットなど、私たちは様々な場所で

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