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「思い通りにいかないから人生は面白い」を読んで

曽野綾子氏は宗教や社会問題、生き方についてなど幅広く執筆されている作家です。 カトリック教徒で、幼稚園から大学まで 聖心女子学院に在籍しておりました。1995年から2005年まで日本財団会長を務め、2009年からは日本郵政社外取締役に就任されています。 日本芸術院賞・恩賜賞、吉川英治文化賞、菊池寛賞を受賞されています。

本書は全9章から構成されており非常にわかりやすい文体で書かれています。目次も眺めるだけで「なるほど」と思うくらい丁寧に記載されています。タイトル自体も多くの方に共感されるものではないでしょうか。

本文を読み始めると、一見よく言われているような見出しでも著者の経験をもとにした深い洞察力と慧眼により、鋭く世の中のあるべき姿ついて述べられています。

人生は予想されないことの連続だから素晴らしい。
英語の wonderful は、full of wonder が由来で「驚きに満ちている」という意味だそうです。著者はこれを人生のあり方に投影します。

ボリビアで給食をもらえる学校に通う少年が、自分の受け取った給食を兄弟と友達に分け与えている姿。自分は栄養失調でも、手にしたビスケットを家族に持って帰るアフリカの子供たち。

やはり人間というのは、まともな育ち方をしていると、自分より弱い者を助けたいと思うのでしょうね。(p57)

そんな姿を見て著者はこのように述べられています。

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みんなが右を向いたら左を行け。


これは好きだという、というものがない人が、一番才能のない人。


不幸は人間の属性であり、みんな心臓や肺があるように、不幸も内臓されている。幸福を感じる能力は不幸の中でしか養われない。

私は本書を読み、一見平凡なことのようでも、改めてはっとその大切さに気付かされるような経験をしました。

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こちらは余談ですが、著者は「読書」は含みのある人間をつくると述べています。実体験に勝るものはなくても、文字を頭の中に映像化する作業は忍耐を要し哲学を残すと。
最後に私の読書や雑誌の読み方についてのyoutube動画を2本と、精神科医・樺沢紫苑氏の動画をご紹介致します。




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