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ジョー・バイデンもアイス好きらしいですよ?

ここで暮らす人は、大人も子供も大統領も、アイスクリームが好きみたいだ。最近の初夏の陽気と暑さで、お店の前は大行列、アイスを手にする人をよく見かける。

まず、思った以上に専門店が多い。家の周りには、私が知るだけでもアイスクリームやジェラートの専門店が6店ある。カフェメニューの1つではなく専門店の数と考えると、結構多い方ではないだろうか。

たまたま店の前の行列を見かけて「この店、アイスクリームショップだったんだ!」と初めて気付くこともあり、夏に向けてお店が更にひょこひょこと顔を出すのではと期待している。


私は元々、アイスを食べるのが大好きだ。最近ではそれと同じくらい、アイスを食べている人を見るのも好きになった。

パイロットのような濃い色のサングラスを掛けたダンディなおじさま。店先のテラス席で、コーンに入ったカラフルなジェラートをひとりもくもくと食べており、そのギャップに痺れてしまった。

アメフトでもやっていそうな、Tシャツ越しからでも分かる屈強な胸筋を携えたちょっと強面のお兄さんたち。アイスの入ったピンク色のカップは、彼らの手の中では余計に小さく見えた。部活帰り(推定)はハンバーガーやビールじゃなくて、アイスが食べたかったんだ…と思うと何だか微笑ましい。

おばあちゃんと高校生くらいの孫だろうか。ベンチに横並びで腰かけ、互いに前を向いたまま、言葉少なにスプーンを口に運んでいるふたりを見かけたこともある。「アイス食べに行こうよ」って誘ったのはおばあちゃんかな。男子高校生はそれに応じたのかな。などと考え始めると、きゅんときてしまう。

アイス好きを自認する現大統領は、どうやら「コーン派チョコレートフレイバー推し」のようだ。ほっこりするので、ぜひ動画見てください。

アイスクリームを巡る人間模様には、ときめきが止まらない。


そんな私だが、NYに来た当初、市販アイスのとんでもない甘さにリタイアしたのがトラウマで、アイス屋の扉を叩くのには中々時間がかかった。

あるお店の前で逡巡していた私に、店先のベンチに座っていたおばさまが「ここのアイスは美味しいわよ!」と急に話しかけてきた。

「特にストロベリーが美味しいのよ!」聞いてもないのに教えてくれる。そんな彼女に背中を押される形で、無事にアイス屋デビューを果たした。おすすめのストロベリーフレイバーは、ミルク感が濃厚だけど甘すぎず、ほんとうに美味しかった。それからお店へ食べに行くようになり、今ではアイス屋に行かない週末は考えられないくらいだ。


つい先日も、初夏の陽気にあてられた私たちはアイス屋の店先でチョコレートとブルーベリーのアイスを頬張っていた。

周りをみると、同じようにアイスやコーヒーを片手におしゃべりする人、近くのレストランのテラス席ではハッピーアワーを楽しむグループ。サマータイムで日が沈むまでの長い夕方を、甘いものやビールを片手に、思い思いにのんびりする人々ばかりだ。暑さと週末の開放感に街全体が浮足立っていて、ちょっと前までの極寒で灰色の冬からは考えられないくらい、それはそれはピースフルな雰囲気だった。

まだまだ知らないことばかり、英語だって初心者。でも、ここにいる私もまた、平和な景色の一部を作っていると思うと、この街やすれ違う人のことがまた少し好きになる気がするのだ。

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